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429位:The Four Tops 『Reach Out』(1967)【解説文翻訳】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)

 このnoteでは2020年に、2003年版と2012年版に続き8年ぶりに改訂されたローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選本家サイトに載っているアルバム解説文の日本語翻訳をしています。本日はこちらのアルバムです。

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429位:The Four Tops 『Reach Out』(Tamla/Motown, 1967)

<ローリングストーン誌による解説(翻訳)>
 リーヴァイ・スタッブスの激しい歌声が引っ張ったThe Four Topsは、モータウンにおける最も情熱的なコーラス・グループであった。アルバム『Reach Out』には、タイトルトラックからゴス・ソウルの 激しい名曲"7 Rooms of Gloom”、そして"Bernadette”といったような華々しいクラシックが並んでおり、ここでは欲望と妄想が混じり合いながら燃えている。また、彼らはThe Monkeesやティム・ハーデンのカバーによってこのアルバムでロックやフォークにも乗り出している。
なお本作は、レーベルにおける絶対的なソングライターチームであったホーランド=ドジャー=ホーランドがモータウンで手がけた最後のアルバムとなった。
(翻訳:辻本秀太郎、 原文へはこちらから)

参考として、「このアーティストのアルバムが500枚のリストに合計何枚ランクインしていたか」と「このアルバムの順位が前回版(2012年版)ランキングと比べてどう変わっているか」についても以下に調べてまとめています。

<ランキングに関するデータまとめ>
【2020年度版】
同アルバムの今回順位:429位
同アーティストのランクイン枚数:1枚
【2012年度版】(前回版との比較)
同アルバムの前回順位:掲載なし
同アーティストのランクイン枚数:掲載なし

<感想>
 The Supremesはじめモータウンで沢山の名曲を書いてきたホーランド=ドジャー=ホーランドがレーベルを離れる直前に作った"Reach Out I'll Be There"、本当に素晴らしい曲だ。明るいのか暗いのか全然わからない。マイナーコードの哀愁あるリフから始まり、ストーンズみたいな力強いビートが叩きつけられ曲に火がついたかと思えば、プレコーラスではまた不穏な気持ちにさせられ、サビでやっと開けてあの楽しいモータウン・ポップになるかと思うと即座にコードは四度マイナーに行ってまた暗いメロディー。こんな捉えどころのない、そして始終キャッチーなポップソングがあるか!リーヴァイ・スタッブスの歌は常に切迫感溢れている一方でコーラスワークは明るくスウィート。そのコントラストも良い。ヴァースに入る瞬間の謎のシャウトも最高だ。歌詞は基本的に暗いのだけど、希望についても歌われていて、そういうアンヴィヴァレントさがコードとかメロディという音楽的な要素でも表現できていてそこがばっちり合ってる。だから、もちろん歌詞の意味なんてわからなくてもフィーリングが伝わるし、感動する。
 アルバム、全曲すごく良いです。The Monkeesの曲がアルバムの中で2曲("Last Train to Clarksville"と"I'm a Believer")もカバーされているのはなんでだろう。


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