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「自分の “働く” を拓くプロセス」が伝えたい細野真悟さん 【前編】

このnoteは、InterRace株式会社が、会社を辞めずに社外活動でキャリアを磨いている人たちのために、おもろい働き方をしているイチオシの人を連れてきて、話をしてもらうインタビュー記事です。

#一度はリクルートに入れなかった細野さんの原体験

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細野真悟(ほそのしんご)さん
2000年に株式会社リクルートに入社。リクナビNEXT、リクルートエージェントなどのサービス企画担当を経て、リクナビNEXT編集長、執行役員を歴任。リクルートキャリアに籍を置きながらプロボノとして社外のスタートアップを支援するようになり、2017年から株式会社ローンディールのCSOとして参画。音楽SNSを手掛ける株式会社nana musicのCOOも務める。
強面ではない良い人。

細野さんはリクルートの前に半年他社で働いていた。そこで出会った原体験とは。


インタビュア もともと、1社目は教育系の専門学校に入られて。そこからリクルートに来られる訳ですが、リクルートをどういう会社だと思って・・・?

細野 いや正直なところ、何にも知らなかった(笑)
新卒の時にも受けたの。
当時の「ライフステージごと人の未隆起データを全部1個のDBにする!」っていう構想を聞いた時に「あぁもうこの会社勝つな」と思って興味をもった。それだけ。
人材の会社とも知らず、大きな構想だけを知って入りたくなるっていう、一番抽象的な動機。
そしたら、落ちた(笑)

インタビュア (笑)
それで専門学校に社員で入って?

細野 そう。進路ガイダンスとかを対面で高校生にしてました。
で、学校のことを説明してあげると「入ります!」とか決めてくれるの。
それがすごく嫌でねー。

「俺の説明で人生決めてんじゃねーよ」っていうかさ、その責任というかね、矛盾してるけど(笑)
すこーし説明を聞いて「専門学校入って、それに成ります!」っていうのが嫌だったんだな。
「もっと他の学校も見てから決めろ」「自分で決めろ」
ってアドバイスしてた(笑)

そういうことを半年やっている内に、僕は「自分の商材にその人を無理やり引き込む」みたいな仕事は絶対無理なんだって感じるようになってね。
「その人が自由に選ぶ選択肢を提示したい」って思って、初めてリクルートへの本当の志望動機ができたの。

「選択肢を提示する仕事がしたいです」っていう自分の言葉の志望動機。
だから「Follow Your Heart 」※ とか結構好きでしたよ。
(※リクルートのブランディングメッセージの1つ)

インタビュア リクナビにそのまま載せてもいいくらい、素敵な答えですね。

細野 (笑)
そうそう。でも本当にそれがやりたくなったんだよねえ。
人の人生なのに無理にこっちに来させるのとか、本当に嫌だった。


#ターニングポイント 1: 初めて意識した社外価値

改めてリクルートに入社した細野さん。そのキャリアの最後に体感した働き方のターニングポイントその1。

インタビュア そこからリクルートはどのくらい?

細野 2000年10月入社で2017年9月退社だから、17年だね。
前半は、システムとか運用とか、営業販促とか営業企画とか、後ろ側からずっと表側に上がってきたって感じ。

で、最後は「新規事業企画」みたいな感じになった。
初めての新規事業の立ち上げ。それまで、ずーっとゼロイチ(0から1を作る)ってやったことなかったから、もうどこから何を進めるかもわかんなくってね(笑)

インタビュア 何歳くらいの時です?

細野 32歳くらいかなあ。
やり方はわからないけど、時間はあるじゃない?別に日々の運用とかないからさ、暇で(笑)
その内、暇だから社外のイベントとかに出るようになって。
あるイベントに参加したのが今のきっかけになったの。

参加者は20~30人くらいのサラリーマンで、そこにベンチャー3社くらいがピッチするんだけど。
ベンチャーが抱えてる課題をプレする。
参加者はそれに対して質問して、それが終わると手元の紙に「課題をあなたならどう解決してあげられるか」をバーって5分くらい、黙々と書くの。

インタビュア どんな人が聞いてるんですか?

細野 それがわからないの(笑) 
誰かもわからない中に僕も混じって、「覆面知的異種格闘技戦」みたいな。
でも敵じゃなくて、この人のためにっていう雰囲気なんだけどね。

そこで初めて、自社以外のベンチャーの事業マインドとか、現実的で具体的な抱えている課題を知って。それに対して自社以外の人たちがどのレベルの質問をし、どうアドバイスするかに触れた。
そこで、僕が会心の一撃の質問とかすると、みんなが「おー!」とかなってくれて(笑)
「あれ?イケる?ウケた?」ってなるわけ。

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で、終わったあとにビール飲みながらそこで初めて名刺交換すんの。さっき良い質問した人とかが「ヤフーかぁ」みたいな(笑)
「どうりで」「やるなー」って。

そんなの初めてで、めちゃくちゃ面白かった。
社外における自分のレベル感とか、ベンチャーのありがたがり度なんかが、何となくわかってきてね。
それが僕の人生を変えるイベントになった。

#ターニングポイント 2: 10万円で毛穴が開く

初めての副業。初めてフィードバックをもらうターニングポイントその2。

細野 そんな時に、ある人から「新規事業をやりたいから手伝って、提案して」って言われたの。

たまたま自分の中で新規事業の検討プロセスみたいなものを型化してあったから
・そのフレームワークを提供します
・それにそってファシリテーションをします
・アウトプットをまとめます
・週に1回1ヶ月間やります
っていう提案をしたら、「いくら?」って言われた。

インタビュア いくらなんですか?

細野 わからなくてさあ。調べても出てこないの。
「え?いくら?俺いくら?この価値いくら?」って。
初めて「自分の価値を外に値付けする」っていう瞬間がそこできた。

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あまり安売りするのも嫌だし、
かといって、「高い!」とか言われたら、つらいし、
「じゃあ.........10...万っ...で、、、」って言ったら、
お願いされて。

でも結局新規事業は立ち上がらなくて、落ち込んでたんだけど、
「細野さんの価値を決めるのはこっちで、満足してるからもう1回リピートお願い」って。
「俺の仕事には10万円の価値はあるんだ」って、そこで初めてフィードバックをもらえたの。

それで、自分の口座に10万円が振り込まれた時は、毛穴が開くくらい嬉しかった。

大事なのは、向こうから「このタスクをやってください」って切り出されたものじゃないってこと。
自分が何をすべきかを提案し、それに自分で値付けしたお金が入ってきたっていう我が子みたいな感覚。

インタビュア それが一発目の副業ですね。


後編につづく >>

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