寿命のチャプター選択
気晴らしに煙草を吸う度、亡くなった祖父を思い出す。
祖父はいつも高校野球のテレビを見ながら煙草を吸っていた。
母は、「おじいちゃんは野球だったら何でもいいのよ」と言っていたのを覚えている。
私は時々外に出て、公園で煙をくゆらせる。
祖父が亡くなったのは3年前だったか、、、詳しい時期は覚えていない。
胃がんが転移してからなん度も手術を重ね、十何年かのちに天寿を全うした。
あらかじめ断りを入れると、祖父が亡くなったのは自然の摂理でしかなく、悲しいだとか寂しいという気持ちは無いに等しい。
「ジジイがタバコ吸いすぎで死んでさ(笑)」
くらいのノリ。
だが、祖父が愛煙家であったこと、さらにガンで亡くなったことは私の人生のうっすらと影響を与えている気がする。
「生きるのがめんどくさくなった」ときに吸う一服
私は時にネガティヴであり、ささいなことで人間関係に冷めてしまう。
他人に期待しなくなってきている。
しかし、人の愚かさとは想像を超えるもので、
「人生って、こんなもん?(笑)」
と思うことがある。
そんなとき、ぷつんと体のどこかのブレーカーが落ちて
「やーめた」状態になるのだ。
こういうときの行動は全て後ろ向きだ。
人を避け、部屋を暗くしてスマホの液晶を明るくする。
こういうときに煙草を吸うと、効果がある。
このときはポジティブだ。
パッケージの「あなたの健康に悪影響を及ぼす可能性があります」に「ありがとう」と言う
寿命が早まるなんて、有難い。
例えると、小学校の授業。
生活とは、延々と続く煩い担任の説教みたいなもので、真面目に聞くだけ無駄である。
こんなもの倍速で終わるなら誰だってそうする。
「ポチッ!w」
小学生の私はランドセルからリモコンを取り出し、目の前のオバサンに向けて早送りのボタンを押した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ふと、自分が嫌煙家だった並行世界を考えることがある。
ファミレスにて
私「タバコなんて百害あって一理なしだよねえ!?周りに迷惑もかけるし、本当無理だわ‼️」
目の前の人「(笑)」「タバコに親でも殺されたんか(笑)」
私「そうだよ」
シーン.........
......これならこれで幸せなのかも。もう1人の自分に乾杯。
歯を磨くのだけはちゃんとやろう
(おしまい)
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