障がいのある方に対する「眼差し」とソーシャルワーク

 私は、障がい福祉分野においてソーシャルワーカーは、形骸化した個別の支援計画をただ形式的に更新していくのではなく、本人や家族を中心に、アセスメントに基づく活きた個別の支援計画の作成、活用、更新を先導し、一貫した支援を継続するために支援をつなぐ役割を担うことが、「真のソーシャルワーカー」として、求められていることだと考えます。なぜなら、各ライフステージに応じた支援環境の変化は誰にでも訪れることでありながら、例えば地域移行に際して、一貫した支援の継続がなされずに困った、という多く声を、実際に見聞きすることがあるからです。

 そのためには、本人や家族の想いに伴走し傾聴する力、生活の歴史や現在の支援環境などのバックボーンも含めた支援環境に対してアセスメントする力、本人を取り巻く状況を多面的に捉え、柔軟にコミットしていく力、自ら現地に足を運び、関係者同士の協議の場をつくり、一貫した支援を行うために環境調整していくファシリーテーション力、本人や家族の想いが反映して、活きた個別の支援計画としてまとめあげる力、継続した支援の実行を定期的にモニタリングする力など、現場で求められるスキルは、実に高度で、とても高い専門性が求められるのだと思います。

 ただ、そういった専門性を高める努力はもちろん必要だと思いますが、それ以上に大切なことは、障がいのある方に対しての「眼差し」ではないでしょうか。障がいのある人の「障がい」をネガティブな視点で捉えて一方的に管理するような支援を行うのではなく、まずその人を「一人の人間」として捉え、その上でその人の抱える様々なマジョリティ性やマイノリティ性のバランスを踏まえて総合的な理解を行い、こちらも一人の人間として、ある種「対等」に本人や家族と協議をして、からなず本人の意思を反映させた形で、必要に応じた「支援」を構築するんだという覚悟を持てるかどうか。表面的な理解やテクニックではなく、目の前の障がいのある方に対して、「どういう眼差しで関わるか」、そのことの方がはるかに重要だと私は考えます。つまり、問題は「他者」ではなく、目の前の現実をどう受け止めるのか。その「自己」のあり方にこそあるということです。

 このように、「自らの人間性と向き合い実践していく真のソーシャルワーカー」を、私はこれから目指していきたいです。

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