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中小企業診断士 財務会計 「簿記」への対処をどうするか?

1次試験の「財務・会計」の範囲

中小企業診断士1次試験の「財務・会計」。「財務会計」ではなく、「財務・会計」となっていることから、「財務」と「会計」の2つの分野から出題されます。

「財務(ファイナンス)」分野は、企業財務(コーポレートファイナンス)と投資理論(ポートフォリオ理論)が出題の中心です。

一方、「会計」の分野は、「簿記」、「会計理論」、「管理会計」の3つの領域と考えられますが、「管理会計(とりわけ意思決定会計)」と先の「財務」は境界がかなり曖昧なので、管理会計を「財務」の方に分類する考え方もあるかもしれません。

出題内容の印象

以下は出題内容に関する個人的な印象です。

財務分野の方が点数は取りやすい

「財務」分野は範囲が非常に広く、慣れないと取っつきにくい分野ですが、診断士試験で出題される内容はほぼ決まっているので、(試験で合格点をとるという点では)比較的短期間で攻略することが可能です。

また、「財務」に近い「直接原価計算(CVP分析)」などは、ほぼ定番問題が出題されます。

得点が意外と難しい会計分野

一方、「会計」分野は取っつきやすい反面、意外に得点するのが難しい印象があります。

理由の1つは「会計理論」の難しさです。

令和4年では、「収益認識」、「外貨建取引」、「無形固定資産」、「税効果会計」、「退職給付会計」など様々なテーマから出題されています。

①目新しいテーマだったり、②定番テーマであっても、目新しい論点が問われたりすると(選択肢に惑わされて)得点するのが難しくなるように思います。

もう一つの原因は「簿記」の存在です。

簿記は構造自体は極めて単純なのですが、「習うより慣れよ」の世界なので、「慣れる」まで時間がかかります。

元々、簿記の素養がある人は別ですが、診断士試験のために簿記を勉強するか否か。2次試験では問われず、かつ、1次試験でも7科目中の1科目のさらに一部分に過ぎない「簿記」に対して、どれだけ時間を割くかは悩みどころです。

得点戦略の重要性

中小企業診断士の1次試験は7科目あり、かつ、勉強開始時の(受験者の)バックグラウンドも様々です。

「財務・会計」を得点源にしたい人もいれば、足切り回避できれば十分と考える人もいるでしょう。

例えば、全問題(25問)のうち①3割の問題(7問~8問)について自信を持って正解し、②4割の問題(10問)を2択までに絞れれば、残り3割はまったく分からなくても、確率計算上は50点前後とれます。したがって、足切りは十分回避できます。

「財務・会計」に限らず、どのような得点戦略を立てるかが重要になると思います。

ちなみに、以下のように簿記の知識をストレートに問う問題もありますが、この種の問題はそれほど多くないように感じます。





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