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妖精に試されたひと

妖精は、何千年も前からある深い森に住んでいた。

この妖精は見える人と見えない人がいて、見える人は何度もこの森を訪れ、妖精とお話をしてかえるのだ。誰にも内緒にしてね。。。


ただ、ある日妖精を見えるという一人の男性が知人にポロっと妖精について話してしまったのだ。その知人は、そういう妖精とかはいないと思っているタイプの人間だったから、男性と話しても信じなかったし、冷やかし半分に観にいこうと1人深い森へとある日入っていった。


知人が森へ入っても、何も感じない。
何の気配も感じない。

「妖精なんて、やっぱりいないじゃんか。だから、俺は信じないんだよ。」

といい、ハンカチをポケットにしまったつもりでいたら、彼は落としたことに気づかず、森から出て行ってしまった。

そんな様子を妖精は見ていた。

「私の姿は、妖精がいると信じている人にしか見えないのよ。彼には見えないわ。でも、彼の友人は私と話していってくれる人だから、彼にハンカチを渡しましょう。」

といいハンカチを拾った。

その数日後、妖精が見えるという男性が森にやってきた。
妖精と話していたら、あなたの知人がハンカチを忘れていったと渡してくれたのだ。

「きっと、あいつは驚くだろうな。自分が落としたはずのハンカチを僕が持っていくんだから。」

案の定、知人の男性は男性にハンカチを渡されて驚いた。
「え!やっぱり、妖精っているのかも。信じていなかったけれど、今度行ってみよう。」

その後時間が出来た時に知人の男性は、あの森にちょくちょく行くようになった。あのハンカチの件以来、彼は妖精の存在を少しずつ信じ始めたせいか、妖精がだんだんと見えるようになってきた。
でも、妖精とは話しはしようとしても出来なかった。

知人の男性に

「なんで、俺とは妖精は話してくれないんだろう。君とは話すのに。」
と聞くと

「それはきっと、自分達のことを話さない秘密を守れる人なのかどうか、自分達の住みかであるこの森を大切にしてくれる人かどうか。自分達を滅ぼそうとする、野蛮な人ではないかどうか、それを見極めているんだと思うよ。」

と答えた。

「なるほど…そうなのか。俺は、妖精に試されているんだな。。確かに、心あたりはあるし。
自分自身を変えないと、妖精は話してはくれないな。少しずつ、自分を変えていこう。そうしてから、またあの森へ行こう。」

なぜか、妖精と心を通わせたくなっていることに気づいた。


その後、彼は少しずつ知人の男性にアドバイスを受けながら、内面を変えていった。そして、季節が一回りした頃、彼は久しぶりにあの妖精がいる森へ入って行った。


すると、不思議なことに妖精と心通わせ、話せるようになっていたのだ。
彼自身が内面をピュアに、変えていった結果だったのだろう。


すると、妖精と話せるようになってから彼は、今まで信じていなかった目に見えないものまで、見えるようになってきた。


「特に外見は変わっていないけれど、僕の生活は変わってきたな。この生活も悪くないなぁ。新しい日々が始まっている気がする。」

彼はそれから、妖精について話してくれた男性と前よりもより深く、色々なことを話すようになった。そして、あの森に入り妖精とよく話すようになり、自分自身が変わっていくのを感じるのだった。

おしまい🧚‍♂️

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