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青年と見た夢(作品)

江戸時代、とある村に一人で田畑を耕して、細々と生きている青年がいた。特別日々の暮らしに困るような生活ではなかったが、ただ漠然と今のままでは嫌だな、と思っていた。

そんなある日夢の中に金色の鳳凰が出てきて、青年に問いかけた。

「おぬしは、今の生活に満足しておるのか?喜びや楽しみを感じて生きておるのか?」と。

「いや、私は今のままでは嫌です。私の夢は日本全国を巡り、様々な人や風景と出会い、感動して生きていきたいのです。」と伝えた。

「ならば、そういう生活をしたいと願い、行動するのじゃな。お主がそれを望むらならきっとそれはどこかに存在し、実現する日が来るであろう。」

と鳳凰は言い、空に消えていき,夢から青年は醒めた。

「ん?これは夢だよな。鳳凰と話をしたような気がしたんだが…」

と言い、あまり気にもかけずにいたが、ただ自分がこういう風に生きたいと思っていることに気づき、驚いた。

「そうか!僕はこういう風に生きたかったのだ。じゃぁ、ただひたすら田畑を耕しているだけではだめだなぁ。いや、田畑を耕して得たものをためて、それで時間を創り、近いところからでいいから旅に出よう。」

それを考えたら、日々が楽しくなり、仕事にもせいが出るようになり、田畑については人に任せられるようになり、いつの間にか豊かになって、日本をあちこち旅をできるようになっていたのだ。

青年は、

「きっと、あの日夢に出てきた鳳凰のおかげに違いない。あの鳳凰が夢に出てきて、僕に問いかけてくれなかったら、今の生活はしていないな。」

と気づき、家の中に鳳凰の置物を買い、お水や食べ物を備え、毎日感謝の気持ちを伝えるのだった。

後々青年は、このことを書物にし、世の中に広め、人々に自分の人生を豊かにする方法を伝えたのだった。

おしまい。

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