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マネジメントとブランディングが出会う時

 皆さん、お世話になります。久しぶりのnote更新です…。
去る10月24日(土)、お世話になっている「日本ブランド経営学会」の「BRAND CONFERENCE 研究発表会 2020」が開催されました。その中でなんと!錚々たるご登壇者の皆様に混ざり、自分がライトニングトークをさせていただくという、大変ありがたい、また光栄な機会を頂戴しました。
 今回のnoteでは、そこでお話させていただいた内容をベースに、我々の組織としての理念、MVVなどをご紹介したいと思います。

■マネジメントは息をしているか?

 日々現場業務でマネジメントに取り組む中で、最近特に感じているのが「マネジメントの機能不全」です。"VUCAの時代" と言われるまでもなく、時代の変化は大きく、そして速くなっています。そんな時代の変化とともに「働く」ということや「仕事」に対する考え方/価値観も変化し、「働き方」そのもののアップデートを求められています。
 そんななかで、マネジメントは正常に機能できているか?機能不全に陥っていないか?過渡期を迎えているのではないか?アップデートが必要なのではないか?そう感じることが増えました。
 時代の変化とともに、マネジメントも大きな変革が求められているのではないか?マネジメントは時代に取り残されているのではないか?置いてきぼりになっているのではないか?と。
 それもそのはずで、あのドラッカーが大著『マネジメント』を著したのが1974年ですから、それからもう50年近くが経っているわけです。もちろん、ドラッカーのマネジメント論は本質であり、原理原則ですから決して廃れることはありません。ただ、私たちはその本質や原理原則を踏まえながら、新しい時代に相応しい『マネジメント2020』を考え、実践していく必要があるのではないか?そう考えるのです。

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■マネジメントとブランディングの出会い

 そんないまのマネジメントに危機感を抱いていた自分は、昨年2019年10月に開催された『日本ブランド経営学会 BRAND CONFERENCE 研究発表会2019』で「ブランディング」というものに出会います。
 その発表会にて登壇されたある方のお話の中に「ブランド・ディレクション」というキーワードがありました。『ブランドを管理するだけではなく、ブランドを方向づけていくという取り組みが必要ではないか?』という主旨でした。その「ディレクション(=方向づけ)」という言葉を伺った瞬間、大げさでなく「カミナリに打たれたような」衝撃がありました。
 マネジメントが「管理」と捉えられることがまだまだ多い中で、この「方向づけ」という考え方は、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
 それを機に、自分のマネジメントは「ディレクション」という大きな力を得ることになります。方向づけるためには「行き先」を明確にする必要があります。我々の会社を、組織を、チームを、そしてともに働く仲間を、我々が向かうべき方向に迷わず向かっていけるようにするために、その目印として「旗」を立てようと考えました。それが我々の「組織理念」であり、「ミッション、ビジョン、バリュー」であり、この2020年代を生き抜いていくための地図ともいえる「10年計画」として形作られていくことになります。

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■組織理念 “Beautiful Harmony” はなぜ生まれたか?

 まず「組織理念」です。
2019年5月、元号が「令和」にあらためられました。この「令和」を英語で表現するとどうなるか、皆さんご存知ですか?「令和」という新元号が発表された時、諸外国からは「どういう意味だ?」と質問があったそうです。例えば "Controlled Peace"?とか。「統制された平和」みたいな意味でしょうか?確かに「令和」ってそういうニュアンスにも取れますね。
 これに対して日本政府は「いやいや、そうじゃない。「令和」とは "Beautiful Harmony" という意味だ」と答えています。
“Beautiful Harmony”、つまり「美しい調和」です。皆さん、なにか気づきませんか?自分はこれを聞いてピン!ときました。“Beautiful Harmony”…「美しい調和」…「美しい和」…つまり「和美」ではないか!?と。ついに自分の時代がきた!、やっと時代が自分に追いついた!と(笑)。
 それはともかく…。もともと弊社には「和」という社是がありますので、我々はこの令和の時代に相応しい、新しい「和」を共創していこうという思いを込めて、我々の力で新しいハーモニーを奏でていこうという思いを込めて、この “Beautiful Harmony” を部門の理念としました。

■部門理念:“Beautiful Harmony”
私たちは、お互いの信頼関係を土台とし、一人ひとりが個性や強みを発揮しながら、お客様、パートナー社様とともに、新たなハーモニーを作り出していきます。それが私たちの新しい「和」です。私たちの奏でる美しく力強いハーモニーで、 世界を共振、共鳴させ、新しい未来を切り拓いていきます!

■“和”を以てイノベーションを起こす

 我々のミッション、ビジョン、バリューについては、バリュー(行動指針)からお伝えしたほうが分かりやすいかと思います。
 前述したように弊社の社是は「和」ですので、その「和」を活かしてイノベーションを起こしていきたいという思いから "WANOVATION" という言葉を我々の行動指針としました。
 この “WANOVATION” には3つの意味があります。
まず「対話」をもとにした「話ノベーション」。「つながり」を意味する「輪ノベーション」、そして調和を表す「和ノベーション」です。
 対話をもとに、一人ひとりが仕事の意味や思いを共有しながら、信頼関係を築き、組織/チームとしてのつながりを拡げていく。そしてそれが大きな調和と共創につながっていく。「点」から「線」へ、「線」から「面」へ…のイメージです。

■VALUE:“WANOVATION”
 ・話ノベーション:対話、意味や思いの共有、フィードフォワード
 ・輪ノベーション:つながり~信頼関係、チームワーク
 ・和ノベーション:調和と共創、強みの相互作用による創造する組織へ

 我々は「IT企業」ですが、「和」を以てイノベーションを起こしていこうというからには、単なる「技術者」ではなく「WANOVATOR集団」でなければなりません。ひとりではできないことでも、みんなで力を合わせることで、仕事を創り、人を育て、未来へつないでいこうという想いから、
“We're WANOVATORS, not Engineers” が我々のミッションになりました。 ご存じの方もいるかと思いますが、ジョブズが言ったとされる “We're Artists, not Engineers” から拝借しています。

■MISSION:“We're WANOVATORS, not Engineers”
 私たちは、単なる「技術者」の集まりではなく、「和ノベーター」集団です。「ひとりではできないことをみんなで」を合言葉に、事業を創り、人を育て、未来へつなぎます。

 そんなVALUEのもとに行動し、MISSIONを果たすべく努力したその先にはなにがあるか?我々がその使命を果たすことで、どんな世の中を創りたいのか?それを表明したのが、我々のVISIONである “Work Life Happiness” です。「バランス」じゃない。仕事も、人生もどちらも幸せになること。「働く」ということを通じて、未来の「幸せ」を創造していくこと。それが “Work Life Happiness” に込めた想いです。

■VISION:“Work Life Happiness”
 「働く」ということを通じて、未来の「幸せ」を創造する。

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■「ファーストペンギン」におれはなる!

 2020年、自分は54歳になります。定年再雇用などの制度があるとはいえ、組織の最前線で働けるのも、普通に考えてあと数年です。その間に、この組織を、このチームを、これからの未来を担っていく若い世代につないでいかなきゃいけない。そんなことを考えながら、この激動の10年になるであろう2020年代をどう生き抜いていくのか、それをまとめたのが我々の「10年計画」です。
その中でも「ファーストペンギン」はひとつのキーワードです。率先して現状変革~未来創造に取り組む「ファーストペンギン」たちを増やし、その一人ひとりが「いま、ここ」において自分が果たすべき役割はなにか?を考え、判断し、行動できる、そんな組織を創っていきたいと考えています。

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■マネジメントはブランディングとともに

 幸い我々のチームには将来有望な若者たちが多くいます。彼らの未来のためにも、この新しい時代に相応しい「マネジメント」というものを残していきたいと思っています。そのひとつの大きなきっかけ、大きな転機が「ブランディング」との出会いです。
 所謂「インナーブランディング」はもちろん、会社としても今後長く愛される企業となっていくために、「ブランド」というものは真剣に取り組んでいかなければいけないテーマのひとつです。
 前述の理念にしても、MVVにしても、まだまだ稚拙ですし、組織全体への浸透にはまだ時間がかかるでしょう。それでもやはり自分は「未来を創り、未来をつなぎ、未来を託していく」ためにも、これからも「マネジメント」とともに歩んでいきたいと思います。「ブランディング」という新しい仲間と一緒に。きっとこの先に新しい「マネジメント」とも出会えると信じて。

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