見出し画像

星ヶ丘高校吹奏楽部の物語(7)

「ふーん。そんなことがあったんだね。美紅ちゃんは里愛ちゃんの悪口を言っていることを気づかれてないって思ってるんだね。美紅ちゃんにもう1回話を聞いてみるね。里愛ちゃんも無視したりするのは、見ていてよくないことだからやめてね。」

「はい。すみませんでした。美紅との話よろしくお願いします。」

そう言って2人は別れた。


今日は体験練習日最後の1日だ。私(美紅)は、星ヶ丘高校吹奏楽部に入部しようと思っている。早く入部届を出したいが、入部届を出すのは体験練習の翌日と決まっているため、まだ出すことはできない。今日は、1日練習だ。美紅は久しぶりに早く行きたくなった。


美紅は高校の音楽室に着いた。まずは、いつも通りゆかり先輩にあいさつをした。

「ゆかり先輩、おはようございます。」

「おはよう、美紅ちゃん。昨日と違って今日は元気ね。」

「はい、早苗先輩のおかげです。」

美紅はそう言って早苗先輩たちのいるトランペットの場所に行った。

「早苗先輩、おはようございます。昨日はありがとうございました。今日は気持ちを切り替えて頑張ります。」

「おはよう、今日の帰りに話したいことがあるから帰るのをちょっと待っててね。」

「はい、わかりました。」


練習をしていると、里愛がきた。

「美紅、おはよう。早苗先輩、おはようございます。早苗先輩、昨日はありがとうございました。」

里愛は昨日と違って美紅にもあいさつをしてくれた。きっとこれは早苗先輩のおかげ、早苗先輩はすごいと改めて思った。


練習をしていると、今日の体験練習の終わりの時間になった。美紅は帰りに早苗先輩との約束があるため早苗先輩を待っていた。すると、里愛が美紅の方にきた。

「美紅、高校に入ってから冷たい態度を取ってごめん。」

里愛が謝ってきてくれた。

「里愛、いいよ。許す。里愛もこの吹部に入るよね?」

「うん、もちろん!」

「これからも同じパートのメンバーとしてよろしくね!」

「こちらこそよろしくね。」

早苗先輩の片づけが終わったようだ。

「美紅ちゃん、お待たせ。じゃあ帰りながら話すね。」

「はい。よろしくお願いします。」

第8話へ

~登場人物紹介~

星ヶ丘高校吹奏楽部

<3年>
田中早苗(トランペット・パートリーダー)
加藤ゆかり(フルート・パートリーダー)

<1年>
佐藤美紅(トランペット・仮)
吉田里愛(トランペット・仮)