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【⚠Sensitive!!-ホラー映画】TANTRUM/TANTRUM2【感想】

最初にこの円盤の入荷アナウンスを目した時に『トリップ・ゴアの鬼才』という一文が目に入った。

トリップ・ゴアとはどういう系統の指すのかよくわからなかったけれど、ジャケのイラストが何かこう誘ってた。こういう水彩画タッチで奇妙な絵に滅法弱い。それだけですでに購入ボタンはGOだった。

【TANTRUM】

序盤で男が拳銃自殺しおったよ、おい……。

殺風景なトイレ。十字架が置いてある棚と、そして便座。
おもむろに男は手首をカミソリで切り始める。
かなり深く、切り込んでから右手を切断面に突込み筋肉質だか血管だかを引っ張り出して千切捨てる。

………おいおい、無茶すんなあ………。

その後、袖口を下ろして何事もなかったように。
うん、すでに何かおかしいwww

こめかみがムズムズするような痛めつける描写が続くが、登場人物に台詞はなく悲鳴もない。
バックに流れるギターの不穏な旋律がリフレインされる。
悲鳴が無いのとサントラがすんなり耳に入るインディホラーって、かなりストレスなく観れるなあ……と、ぼんやりお酒を呑みつつ。
画面の向こうは阿鼻叫喚の様相なのに。
(怒鳴る/怒鳴り散らすが延々と続くタイプはちょっと苦手なんすよ……『オーガストアンダーグラウンド』とか)

おもむろに、ち○こを取り出して根本にハサミを入れていくのだが、何故そんな鼻毛切りハサミみたいな刃の小さいものでチョキチョキとやり始めるのか。

みてるこっちは股間がひゅうひゅうして困る。
(玉はないが)

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自殺した筈の男は何処かの草原にいる。
奇妙な被り物をした白いウェディングドレス姿の女が、自分の腹から臓物を取り出し、ドレスを血で汚してゆく。

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ここで一旦、はい現実へバック!(という風にみえた)という唐突さで場面が変わる。

冒頭の男のいた場所だ。
そこで男の始めることは、自らの肉体を痛めつけることで、それは前回と同じ。
やることは変わらない自傷だけど、にきび芯を深堀したりと、やり方が変化している。


この作品、基本的には男の自傷と、奇妙な被り物をした女の破壊行動が交互に展開してゆく。

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中途で小動物の死体でオナニーしたり、ランニング中の女性を襲撃して殺害したり、大麻買ってみたり、売人をブチのめしてみたりと、ドラマパートの変化が入るが登場人物は台詞なし。
ノイジーなスコアのリフレインがずっと流れ続けている。

音楽でカノンという技法がある。
同じ旋律を他の声部で模倣して追いかけてゆくというやつで、パッヘルベルのカノンは誰でも聞いたことあるのではないかと思う。
これはまあ個人的な感覚で、前半〜中盤は一定のテンポで【ここからここまでの旋律を3パターンくらい繰り返す】【そして後半は怒涛の勢いでスパークさせる】という波があるように感じてそれをカノンっぽいと称しただけで、印象をメモっときたいがために書いてるだけなので、さくっと無視していただければ幸い。

ストーリーがあるようでないようだけど(多分骨子やざっくりした背景があるのだろうけど、ぶっちゃけ気にしなくて良い)後半にかけてのスプラッタっぷりや血みどろドロドロ、あげく脳みそにフ〇〇クするという鬼畜の所業の盛り上がり、好きだ。

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男の幻覚と、深層心理の欲望みたいなののが現実でぐっちゃぐちゃの血みどろ化したって感じ。

神様……十字架への冒瀆行為は、よく見られるものですが、今回の彼は体……もといおケツを張ったもので、うぉおおおおおおい!それならもっとスリムな十字架選べぇえええええと突っ込みたくなるくらいのデコラティブな十字架でナニしちゃったりします。

……ち○こ出し、ケツも出し、体張って出演しているのはおそらく監督ご自身……。

【TANTRUM2】

今回は女性がメインです。
といっても冒頭は臓物を顕微鏡で覗く男の姿から始まるり、やはりもう既に訳が分からないwww

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女性のベッドルームには、ベッドの横に引き出しがあり、そこから彼女は何かを取り出します。
拳銃だったり、ハサミだったり。
自慰はいいんだけど、ハサミで股間刺すのはやめよーよー股間がひゅーひゅーするよー。


だいたい前作と同じような構成で、淡々と進んでゆく。

前回はランニング中の女性が襲われていましたが、今回は墓場で女性がレイプされます。

そして奇妙な被り物で登場する非現実的な場面では女がトンカチ持って男の頭をカチ割る展開に。
おお……1と2はミラーリングという意味だったのか(いやたぶんそこまで考えてない気がするw)

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聖なる物への冒瀆も忘れません。
墓場に建てられたマリア像に臓物を絡ませて見たり。

あと前作と共通するんですが、国旗を燃やすシーンがこちらにもあります。
ヘイト溜まってるのかなあ監督……。

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このわけわからん前衛アートというか、血みどろ病的映像というか、監督……何かキメてませんか?と不安になる映像と(ないも等しい)ストーリーと単調でいて妙に頭の隅をひっかくスコア、個人的はよく分からないけど、これかなりツボでして。

なんてったってヒアリングしなくて良く、ストーリーもあるがまま受け入れれば良く、映像は好みどんぴしゃだし、グロさは後半になるにつれネチョネチョベタベタ粘度が高まるわ、言うことないですわ。

なんも考えなくても映像と音に没入できる。
すげーーーーリラックスしていけるんですよね。
これ結構大事。

取り敢えず、ジェームス・ベル監督、もう1作品購入してみることに。
さて、トリップ・ゴアとはこういうものだ、という回答が得られるかどうか……は、分からない 笑

おしまい。

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