5-7.トリプルタンギング、ダブルタンギング 1
トランペットにおいてタンギングとは「舌による空気の流れのcloseとopen」と定義しています。もしも舌が空気の流れをせき止めるcloseをしなければ、スラーの表現しかできなくなります。そこで音と音の間に区切りを入れて表現するタンギングが必要になり、これによって演奏の表現が広がります。
トリプル、ダブルタンギングの概要
タンギングは同じ方法を何度も繰り返すことが基本で、これを「シングルタンギング」と呼びます。しかし、舌の運動能力には当然限界があり、速いテンポの作品、音価の細かなリズムの連続を演奏で要求された場合、シングルタンギングだけでは表現が難しい場合があります。そのために手に入れたいタンギングスキルが今回の「トリプルタンギング」と「ダブルタンギング」なのです。
[トリプルタンギング]
「TTK」の発音で行う連続する3回のタンギングを「トリプルタンギング」と呼びます。
当然三連符や6/8拍子のリズムで演奏する際に用いることが多くなります。
また、トリプルタンギングを「TKT」の連続や、6連符の場合「TKT-KTK」と後述のダブルタンギングと同じ方法で演奏している方が少数ですがいらっしゃいます。私はその方法で演奏することは例外を除き基本行いません。今回の解説は元々「アーバン金管教本」に則って身につけたスキルで、今回も私の行っている多数派の「TTK」での解説を行います。ただ、「TKT」であっても理論的には同じことですから、参考になると思いますので引き続きご覧ください。
[ダブルタンギング]
「TK」の発音で行う連続する2回のタンギングを「ダブルタンギング」と呼びます。
トリプルタンギング以上に汎用性の高いタンギングです。
今回の記事は「トリプル」「ダブル」をセットで解説していますが、これらの方法は共通する点が多いことと、両方をセットで練習することを推奨するからです。どちらが得意、苦手とならないように進めていきましょう。
タンギングについての確認(Tのタンギングとは)
では具体的にどのように行えば良いのでしょうか。
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