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5-3.仮想打楽器と仮想指揮者

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第5章は基本的にトランペットの具体的なそれぞれのテクニックについて解説するのですが、今回はタイトルからも抽象的な感が現れています。

一体何の話なのか。


プロはすごい!

音大受験を目指す高校生の時、師匠の津堅直弘先生のレッスンを受けるため、前室で順番を待っていた時のことです。
当時私もレッスンで教わっていた「アーバン金管教本」の曲がレッスン室の中から聴こえてきたのですが、その演奏のクオリティの高さに耳を疑いました。

「…なんだこの演奏は!!!」

パターンが繰り返される単調なメロディの多いアーバンの中でも更に単調な練習曲だったのですが、美しく安定した音に止まらないあまりにも音楽的な表現。このままずっと聴いていたい、何ならホールで演奏してくれたら絶対に聴きにいく!と思っていたら、レッスンが終わって部屋から出てきたのが、現在東京都交響楽団の首席奏者で東京音大の講師もされている高橋敦氏でした。当時は音大生だったはずです。25年以上前のことなのにインパクトが強すぎて未だに鮮明に覚えています。

他にも楽器を問わず一流の奏者の方とご一緒する機会があるたびに、たった一つの音だけでも、ウォームアップでもすべてが音楽的で魅力的です。
みなさんの中にもきっと同じような体験をした方は多いと思います。一流の音楽家って存在自体が「音楽の塊」なんです。


何が違うのか

では、一流の音楽家との違いはどこにあるのでしょうか。もちろんその理由はたくさんあるでしょうが、中でも「常に音楽を感じている」点であると思います。

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