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『まもる、ささえるしごと』vol.02

ひとことにビルメンテナンス(以下ビルメン)といっても、様々な仕事があり、大きく分けると「清掃」「警備・防災」「設備管理」の3つの分類に分けることができます。

一般的にビルメンというと「設備管理」のことを指すことが多いでしょう。
そして、私が15年間携わってきたのも「設備管理」の仕事です。

ビルメンの仕事を簡単に言うと、「ビルや建物に問題がないかを確認し、ビル全体を安全・安心・快適な状態に保つこと」です。
そして、この「安全・安心・快適な状態をできるだけ長期的に維持する」ことが使命といえます。

今回は、ビルメンの主な仕事内容について紹介します。

(1)日常巡視点検

ビルメンで最も基本的であり、最もおろそかにしてはいけない仕事です。
電気・水道・ガスなどのメータの検針や電気・ボイラー・空調・給排水・消防などの設備を五感(主に視覚・聴覚・嗅覚)を活用させて毎日決まった時間に巡回して点検をします。
些細な変化も見逃さない、慎重かつ注意深く”診る”スキルが必要です。
日常巡視をする設備は、その建物の重要設備であり、異常が発見された場合はできるだけ早く処置する必要のある設備です。

(2)定期点検

日常巡視点検では発見できない細かい部品単位での点検や、時間のかかる点検は週1回~月1回~年数回程度のペースで定期点検を行います。
定期点検の頻度は法律で定められていたり、お客様である建物のオーナーと取り決めた仕様書に則って実施されます。
24時間運転している空調機器のフィルター清掃などの作業も週1回~月1回の頻度で実施されます。

(3)保守点検

エレベーター、非常用発電機、業務用エアコンなどの専門的な技術が必要なものや定期的に消耗部品の交換が必要な機器はメーカー推奨の保守点検が必要となります。
ビルメン会社で実施するものもあれば、オーナーがメーカーや保守業者と直接契約して行うこともあります。

実際に手を加えるのは、メーカーや代理店の作業員なので、ビルメンの仕事としてはその作業によって他の設備や建物に影響を与えないように作業管理することです。

(4)小修理・リクエスト対応

お客様からかかってくる電話に対応し、消耗品の交換、建物や設備の修理を行います。私は病院に勤務していたので、件数だとナースコールの修理と蛍光灯などの交換が多数を占めていました。
あと、室温(暑い・寒い)に関する対応や車いすや電動ベッドの修理も行っていたところもあります。

小修理に関する取り決めは、オーナーとビル管理会社ではっきりとしたとき決めはなく、仕事の範疇があいまいになってしまいがちです。
しかし、お客様と直接会話ができる機会でもあるので、しっかりとヒヤリングして快適な空間を提供するチャンスでもあります。

(5)報告書作成

(1)~(4)で対応した経緯や結果に関する報告書の作成を行い、オーナーへ提出します。異常があれば、修理の計画をオーナーと相談したり、修理の手配を進めたりします。
報告書の作成は意外と時間がかかり、説明するための文章力も必要です。

以上がビルメンの主な仕事内容です。
他にも多岐にわたる仕事をしていますが、そちらの説明は別の機会にします。

ビルや建物の寿命は30~50年といわれています。
設備の寿命はそれに比べると短いものがほとんどです。適正な運転、点検や消耗部品の交換、メンテナンスをしっかりと行うことで設備の寿命を延ばすことも可能です。
ビルメンの仕事は設備の寿命をできるだけ延ばして、お客様であるオーナーの資産を管理するという仕事なのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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