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私の本棚

読みたい本のリスト。記憶用のメモ書き。更新していく。
本は過去の偉人との対話であると言われる。料理に例えれば、本とは超一流のチェフが作ったフルコース料理である。ポテトチップやフライドチキンも美味しいがそれは芸術作品とは呼べない。ファーストフード並みの本ではなく、超一流の人が人生をかけて獲得した知恵がぎっしり詰まっている本を読みたい。
内容のある本は情報量もあり、読みやすいとは言えない。超一流の人が書いた一流の本は読む者にもそれなりの努力と能力を要求するのだ。超一流のフルコース料理の味を理解するのには沢山の味を知る必要がある。
良書とは個性の塊である。良書を読むのは一人の個人と対応する必要があり、それにどう対応するかが重要だと最近感じてきた。美味な料理を味わうために早食いが愚かなのと同じように、速読は愚かな行為だ。ゆっくりと味わいながら食べるのが礼儀だ。
これまで人生で自分なりに見つけてきた本を紹介していきたい。

心理・哲学

エーリッヒ・フロム「生きるということ」

原題はTo have of to be
持つ存在様式とある存在様式
松尾芭蕉(ある存在様式)とテニスン(持つ存在様式)が花に対する態度の違いで存在様式の違いを示す。

エーリッヒ・フロム「愛するということ」

フロムによると愛することは技術であり、万人が学べる技術であるという。彼が示す愛とは、一般に言われているような恋愛のようなものではない。何かを愛する心であり、人に対してだけではなく物や概念にも適応できる愛であると思う。私は、この中での愛を自分の好きなことや夢と読み替えて、解釈しようとした。

神谷美恵子「生きがいについて」

生き甲斐や張り合いという言葉は日本語にしかない言葉だという。フランス語では存在理由(レゾンデートル)というがちょっとニュアンスが違う。

三木清「三木清全集9」アリストテレス、ソクラテス

アリストテレスの形而上学と教育論。ソクラテス。
アリストテレスの教育論は今読んでも全く古くない。教育学のイントロとしても十分すぎるしっかりした内容だと思う。

三木清「三木清全集7」哲学入門、技術哲学

私はこの中の技術哲学について最初ネットの無料版を読んでいたけど、面白かったので買うことにした。三木清の技術という概念について考察が非常に面白い。人間の本質を技術という概念から考察していて奥が深い。今風に言えば、Homo technicus論(技術人間論)という感じだろうか。

三木清「三木清全集1」パスカルにおける人間の研究、人生論ノート

これは三木清で最も有名な本「人生論ノート」が含まれている。様々な概念について素人向けに(それでもちょっと難しすぎるが)書かれている。三木清節を堪能する入門としては最適だ。各章はまるで一つの小曲のようで、ワインを飲みながらクラシック音楽を聴いているかのような味わい深さがある。

Alfred Adler, The Science of Living

アドラーの本。アドラーの本はどれも為になるけど、これが一番いいかな。良い日本語版がないので、英語で読むのを薦める。

調べたら、この本の翻訳が最近出た。この翻訳は良いようだ。
アドラー「生きるために大切なこと」

言語

E.バンヴェニスト「一般言語学の諸問題」

中の「動詞の能動態と中動態」という章を本屋で立ち読みして、面白かったので、買うことにした。印欧語族は元々能動態と中動態の対立のみが存在しており、中動態から受動態が派生して、後に能動態と受動態が対立することになった。能動態と中動態の違いの本質について述べており、非常に興味深かった。

E.バンヴェニスト「言葉と主体 一般言語学の諸問題」

上記の本が面白かったので、残りの論文も読みたいので。

ベンジャミン・リー・ウォーフ「言語・思考・現実」

彼は、アメリカ・インディアンのホーピ語を研究し、ものの見方は母語によって影響を受けるという「言語的相対論」を打ち出した。エドワード・サピアも参考。

歌手のユーミンもホーピ族に会いにアメリカに行ったらしい。

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