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涙の理由

この間、アルバイトで初めて泣いた。

正確には、退勤打刻を打った後、バックルームにいた(同じ大学に通っている)先輩の顔を見た瞬間に涙が溢れてきた。

その日は、特に忙しかったわけでもなく、人が少なかったわけでもない。

レジでの接客中、先輩に注意(指摘?)される場面がいつもより多く感じた。
これだけが涙の理由かと言われると、そうではないと思う。

この日の前日もシフトが入っていた。
そこでちょっとしたミスをしてしまい、注意された。これに関しては、自分の問題であり、反省した。
迎えた次の日、自分はその役割に就くことはなかった。
この事実について、自分へのやるせなさ・情けなさも涙の理由の一つである。

また、その日は同期もいたが、明らかに、先輩の自分と同期に対しての対応の仕方に差を感じてしまった。確かに、同期は“できる子”である。しかしながら、そんなにも対応に差を生じさせる必要はあるのか?と思ってしまった。できる同期を見ると、自然と自分の“できない”部分に目が行ってしまう。人と比べたことでなにも良いことはないとわかっていても、比べてしまう。まあこれに関しては自分の性格上、仕方がないことであると割り切っている。

先輩は決して悪い人ではない。
先輩、というか、主婦、である。
お客様へのアプローチのかけ方、話し方、笑顔。
トラブルが起きた時の対処。参考になるところが多い人である。

しかし、その人は、自分の感情を気づかずに表に出していることが多い。
無意識なのかもしれないが、人の感情に敏感な私にとって、とても苦痛に思うときがある。
イライラしている、怒っている、というときは、とても苦痛である。
イライラさせないように、怒られないように。当たり障りのない行動を取ることに必死になり、いつもの倍疲れてしまう。

この日もそうで、偶然にも「私のするミスが多かった日」と「彼女の機嫌があまり良くない日」がマッチしてしまったのかもしれない。
いや、「私がミスをするがために彼女の機嫌を損ねてしまった」のか、「彼女の機嫌があまり良くないように見え、気分を害さないように必死になっていたら結果的にミスが多くなり、負の連鎖になってしまった」のか。

この人のせいにするつもりはないが、少なくとも「言い方(指摘の仕方)」が私の心に負担をかけたことは間違いない。
現に、違う主婦の方の言い方は厳しくも優しく、なんと表現したらいいかわからないが、自分は受け入れやすいのである。

世の中には、色々な人がいる。誰一人として同じ人間はいない。
それぞれに良さがあって、個性が輝いている。

涙が溢れた直後は、アルバイトで泣くことってあるんだ、と思っていたが、これもまたいい経験だったのかな、と思っている。

今日は、19:00~CLシフトである。
涙を流した理由と向き合いながら、少しずつ前に進んでいきたいと思う。
決して、引きずらないことを目標に。




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