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ジュニア期スプリンターの発達的特徴について(形態的・体力的・技術的要素から)

どうも、スプリント学ハンドブックというマニアックな本をメルカリで購入できて喜んでいる、もっさんです。(新品で買えよ)

興味のある方は↑から、どうぞ。(私はメルカリで2,250円で購入)

で、今回はこちらの本からの内容に

こちらの文献を合わせて「ジュニア期スプリンターの特徴」について紹介したいと思います。

少し堅苦しいタイトルになりましたが、内容はライトです!

はじめに

疾走スピードとは「ストライド長×ピッチ」で示されます。

ストライド ピッチ

それぞれの経年的変化を知ることで疾走能力の大まかな発達特徴を把握することができる。ということで先行研究をもとに書いていきます。

※こういった研究は、男子を主としてデータが取られてりことが多いようです。成長速度には男女差・個人差もあるため、全て方にマッチするものではないです。そういった点も汲んでお読みください。

疾走スピードの経年的変化

男子では、走り始めてから12歳頃まで直線的に増大し、その後13〜16歳までは緩やかに増大しながら、17歳をピークに停滞傾向に。これが一般的な特徴とされます。

ストライド長、ピッチ別で見ると

ストライド長:14〜15歳をピークに停滞傾向に。

ピッチ:14歳頃までは大きな変化が見られないが、15〜17歳で増大が認められる。(宮丸,2001、加藤,2004)

これらから、一般的な疾走能力の向上には、形態的成長(身長や体重など)が大きく関わっており、それに伴うストライド長の増大が大きく影響しそうであることがわかりますね。そのため、その後増大するピッチと、更なるストライド長・ピッチ増大のための脚筋力が重要なポイントとなってきそうです。

ちなみに脚筋力要素に関して、添付している論文では、膝屈曲筋(ハムストリングス)の筋力が疾走スピードと相関があったと報告しています。

ハム

これらをまとめると、①走り始めから動作パターンの獲得により疾走スピードが高まる時期②思春期付近まで直線的に増加する時期③思春期以降の成人位至るまでのゆるやかな増加時期に大別できます。

ここからは、体力的要因の影響が考えられる②③の時期について、小・中・高に分けて、説明を進めていきます。

小・中・高 各年代での体力的要因

【小学生】

この年代は、疾走スピードと身長・ストライド長との間に高い相関関係が認められています。この時期の疾走スピードの発達に最も影響するのは、形態的な発達であることが明らか。また、体力・筋力の発達も疾走スピードの発達に関係しているようで、優れた小学生スプリンターに関する報告では(宮丸,2001、加藤,2004)、立ち幅跳び・垂直跳び・最大無酸素パワー・膝関節の等速性筋力といった体力的要素が高いとのこと。

身長はもちろんですが、確かに、足の速い子は立ち幅跳びをめっちゃ飛んでいたイメージがあります。(小学生の時の記憶)

【中学生年代】

思春期の発育スパート期である中学生は、経年的な疾走スピードの増大に伴うピッチの変化は見られなかったが、ストライド長・垂直跳びが著しく増大します。

この時期は、形態的な成長に伴って、脚筋力(瞬発力)が増大することが疾走能力の発達に関係していると考えられます。

【高校生年代】

この時期は、ピッチは増大する一方で、ストライド長の変化があまりないことが特徴です。体力的要素では、疾走スピードと最大無酸素パワー・垂直跳び・立ち幅跳びとの間に有意な相関関係が認められています。

したがって、この時期は形態的成長よりも、脚筋力(瞬発力)向上によってピッチが高められ、疾走能力が向上すると考えられます。

小・中・高 各年代での技術的要因

最後に、年代別の技術的な変化について紹介します。

【小学生年代】

この年代は重心の上下動が経年的に減少し、遊脚側の前上方への引き上げが高くなるようです。

また、低学年(1−2年)では体幹の前傾がストライド長に影響を与え、中学年(3−4年)では回復期の膝の屈曲がストライド長に影響を与え、高学年(5−6年)では大腿部の前方への振り出しが支持脚の下腿前傾を促し、ピッチを高めているという報告があります。(末松ら,2008)

【中学生年代】

疾走中の膝・股関節の可動範囲が経年的に増加するとされています。また、股関節(大転子を基点)を中心として脚がより大きな弧を描いて回転するようになっているとのこと。

小学生と比べ、よりダイナミックな動作に発達している。

【高校生年代】

この時期は、ストライド長の増大が頭打ちになり、ピッチの増加に依存する割合が高いです。疾走スピードと支持時間、重心の上下動との間に有意な負の関係が認められます。

これは、重心の上下動が少なく、ピッチが高いことが示唆されます。

この年代からは、体力面の発達が必要不可欠。技術+体力が勝負になりそうですね。

まとめ

今回は、年代別、ジュニア期スプリンターの特徴についてまとめました。

また、YouTubeの方にもアップします。

(11/19追記)

アップしました

では、また。


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