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ハーメルン【2】

これはフィクションです。
ハーメルン【1】のつづきです。
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「僕んちに昨日、新しい冷蔵庫が来たんだ。」
次の日、学校の帰り道にみんなに話すと、みんなは声を揃えた。
「「「冷蔵庫はハーメルン!?」」」
「なんでハーメルンの冷蔵庫って、わかったの?」
「だって、うちも去年買ったも〜ん!」
ノリちゃんが鼻高々で答える。
「お隣のヨシくんちもハーメルン買ったって言ってたよ!あ〜、僕んちも新しい冷蔵庫買わないかな〜。」
コウくんは口をとがらせた。
僕は小声で隣りを歩くイズミちゃんにたずねた。
「イズミちゃんもハーメルンの冷蔵庫がいいと思う?」
「ううん。うちのママはいつも絶対国産って言ってるから。」
僕はイズミちゃんに賛成だな、と心の中でつぶやいた。

「じゃあね。また明日!」
うちの前でみんなと別れ「ただいま!」と玄関先で叫ぶ。
静かだ。変だな?いつもならママの「おかえりー!」って声がすぐに返って来るのに。そこのコンビニに行ってるのかな?
キッチンへ入るとママはダイニングテーブルの椅子にウットリした表情で座っていた。
「ママ、ただいま。」
僕が話しかけるとママはハッと僕に気付いた。
「あら、おかえりなさい。なんだか、ちょっと眠っちゃったみたい。」
ふ~ん…。おきてたみたいに見えたけど。
ママは冷蔵庫を開ける。「シャラ~ン」とあの音が鳴った。ママは微笑みを浮かべながら僕のおやつのプリンを取り出して「はい。」と僕に差し出した。ちょっと引っかかったけど、プリンが気になってそれ以上は気に留めなかった。


つづきはこちら
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