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小説

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小説的ななにか
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#酒

ラフレシアなきみ

以前、僕が付き合っていた彼女はこういった。

「スープの冷めない距離なんて言葉でお互いの距離を詰める事を怖がっている癖に、それを認めようとしないのは傲慢よね」と

僕は猫舌だから、冷めたスープでもビシソワーズ気分で戴いてしまえるから別にいいんだけどなと思いながら、彼女の肩を抱いて、それからあたりまえのようにキスをした。

結局のところ、スープが冷めるより明らかな分かりやすさで気分が醒めてしまった彼

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