自分の中の、嫌いな自分
「自分のこういうところは嫌いだなー」と思うところ、ありますか？
私は、もちろん、あります。
たとえば、ファシリテーションをしているときなどは、
「あー、どうしてそういう関わり方しかできないのかな……」とか、
「あー、どうして私が話し始めると、こういう雰囲気になってしまうんだろう」とか。
また、ポッドキャストなどをしていると、配信を自分で聞くことになるので、顕著です。
「あー、どうして、ここ、もっと膨らませられなかったんだろう」とか、
「あー、もっとマシな返しがあるだろうに……」とか。
あげ連ねたら、キリがありません。
ユーモアがあったり、いい感じで場を盛り上げることができたり、気持ちの良い関わり方ができる人を見ては、
羨ましいな〜と思ったり、そうできない自分にがっかりしたり、うんざりしたり。
そして、こんな風に、ついつい自分の粗探しをして、自分を攻撃してしまう自分も嫌いです。
こういう時、一般的にやりがちなのは、そいう嫌いな自分を、
どう、直すか。
どう、排除するか。
どう、誤魔化すか。
どう、取り繕うか。
でも、性格を変えるなんて、なかなか難しいことです。
だから、一時的には矯正できたとしても、結局また元に戻ってしまう。
コーチングを学び実践していく中で私が知ったことは、こういう自分も、もうそういうものだ、として受け止めていくことです。
自己受容と言います。
『ザ・メンタルモデル』（由佐 美加子 著）という本の中に、秀逸！と思う由佐さんの言葉があります。
私がここで書いていることとは少し文脈は違ったと思いますが、太字にしてご紹介します。
「本当にだめかどうかは、誰も知りません。そこの区別をしてほしいの。自分はだめだと思っている、ということを、右利きで生まれましたくらい、諦めてほしいんですよ。」
嫌いな自分、というのは、ある意味、自分の中に別の理想像があって、それと実際がズレている、とも言えます。（自己不一致と言います。）
「本当はそんなはずじゃないのに」
「本当はもっとうまいことできるはずなのに」
「ありたい自分」や「そうあるはずの自分」とズレている自分を許せていない、と言えるのかもしれません。
その「ありたい自分」や「そうあるはずの自分」と今の自分はズレてるんだ。
この先自分も変わるかもしれないけど、少なくともそれが今なんだ。
これを腹の底から受け入れないと、本当の変容は始まりません。
この受け入れは、意外と簡単じゃなかったりします。
「あの時は、ああいう状況だったからやむを得なかった」
「あれは相手がああいうふうに出てきたからで」
と、まるで、あの時の自分は本来の自分ではなかった、本来の自分はちゃんとしている、とでも言いたげに、事情の説明が出てきます。
条件さえ整っていれば自分は”本来の自分”なのだ、と言わんばかりに。
この辺りのことだけでも1本記事が書けるかもしれません。
「ああ、こんな嫌な自分、情けない自分、ダメな自分も、確かに、確かに、今の自分なんだ。」
それを受け入れた瞬間から、流れが変わります。
具体的に何が起こるのか？
私も自分ゴトとして模索中ですが、実感値のある変化の一つは、ラクになっていく、ということでしょうか。
「真面目だよねぇ」と言われるのが昔は本当に嫌いで、そう言われる度に頑張って否定して、テキトーな自分を頑張って見せようとしていたりもしました。
真面目な人間がテキトーそうにするのも、それはそれで妙なエネルギーを使うんです。笑。
最近は、そう言われたら、「そうですねぇ。そういうところあるかもしれませんねぇ。」と言えるようになりました。
手を抜いている時ですらそう見ていただけるので、むしろオイシイのかもしれないとも思ったり。
そして、面白いことに、そうやって受け入れていくと、真面目さが異様に目立つことが少なくなり、逆に、そうではない自分の新たな面が開花していったりもします。
一つのサインは、そんな自分も笑えるようになってくること。
これはクライアントさんとのセッションでも感じます。
「セッション始めた頃は、あんなでしたねぇ」と一緒に笑えるようになったら、コーチングの完了も近いな、と思えます。
「自分の粗を探す自分」は私の中の根強い嫌いな部分。
こんなことも、そろそろ「あ、またやってる」と笑えるようになっていきたいものです。
皆さんは、自分が許せないのはどんな自分ですか？
では、今日もよい一日を！
◆今日のカバーアートは、ここみち書店が入居するPASSAGE bis!より。昼からビールを飲んじゃう自分はダメだなと思いつつも、こんな自分は嫌いではありません。
この記事は、2024年8月21日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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『ダメな自分にOKを出す』
【本文中に紹介した図書】
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』（由佐 美加子・天外 伺朗 共著）
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