見出し画像

本当の生きる力

この夏は、酷暑に台風に、厳しい気候が続いていますね。
影響を受けていらっしゃる方には心よりお見舞い申しげます。
身の安全を確保されていることを願っております。


お盆の間、私もお休みを頂いて、穂高養生園(ほたかようじょうえん)という場所で、5泊6日過ごしてきました。
幸い台風の影響は受けることなく、特に前半は見事なお天気に恵まれました。
長野県安曇野市にあるこの場所は、コーチ仲間界隈ではとても有名で、私もかねてから一度行ってみたいと思っていたところです。

”日常の生活とはすこし距離を置き、野菜や穀物で作ったやさしい食事、渓谷や原生林を歩く適度な運動、ヨーガや睡眠、温泉による深いリラックスによって、すべての人に備わっている自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設です。”(パンフレットより)

詳しくはホームページでご確認ください。


セルフケアを大事にしているので、食事は作っていただけますが、それ以外は、食器洗いも含めて自分のことは自分でします。

私は、このうちの3泊4日、半断食のデトックスプログラムに参加しており、この間電波の届かない場所で寝泊まりしていたので、より一層、深い体験をした気がします。


今回、私が特に感じたのは、最近ずいぶん都会の生活どっぷりになってしまっていたんだなぁ、ということ。

養生園での生活、特に、電波が届かなかった4日間は、
気になることがあってもスマホで調べることもできず、
夜に本を読もうとすれば、ライトに羽アリが集まってくるので、もう電気を消して眠るほかなく、
そうすると自然に6時前には目が覚める。
といって、することもないので、ストレッチをした後に原生林や川へ散歩に行く。
手洗いで洗濯する。ぼーっとする。ジャーナルする。
森の音や川の音が耳に入ってくる。

宿泊施設も、リトリートに必要なものが過不足なく揃っていて、全部が大事に使われている。
生活空間は、キッチンも部屋もお手洗いも、いつもとても清潔に保たれている。
食事も、養生園の畑で採れた野菜や豆やハーブを使って、丁寧に作られたもの。
玄米の浸水やお豆を煮るのに数時間かけるのも当たり前。
調味料は、いわゆる、”さしすせそ”な、基本的なものだけ(なのに驚くほど美味しい。砂糖は使わず、てんさい)。
一食一食がとてもありがたく、そしてテレビも雑誌もないから、一口一口をゆっくり味わう。
食事を頂いたら自分でお茶碗を洗って拭いて、元の場所に戻す。

「生活」って本当はこういうことだよなぁ、と思いました。

都会にいると、電気とお金があれば快適に生活できてしまう。
いつも必要以上のモノを持ち、足りないものはすぐに入手できる。
(といって、それらを全部愛情かけて大切にしているのかと言われればそうじゃないし、ゆえに部屋は片付いてなかったりもする。)

けれど、森に行けば、どれが食べられる植物なのかもわからない。
野菜と豆と豆腐だけの食材で、そんないろんな料理を思いつかない。作れない。
部屋の中で虫を見つけたら、もう穏やかな気持ちでいられなくなる。
お金で解決できるものでもない。

沢山学んではいるものの、「お金」という生活の糧は得ているものの、
本当に「生きる」ということにおいて、力は弱まっているのかもしれないなぁと思いました。

以前は、年に数回は岐阜の祖母の家で過ごしていたのですが、ここ数年、彼女が介護施設に入ってからそれもできなくなっていたことも影響しているかもしれないです。

滞在中に見た小さなカエルは、窓辺にじっと座っては、寄ってきた虫をすごい速さでパクッと食べていて、よっぽど私より逞しいと思いました。

またある日は、猿の群れが庭にやってきて、人間たちの方が家から出れずに大きな窓から皆で猿を見ているしかなく、
まるでこちらの方が動物園の展示の中にいるような心持ちになりました。笑。

さすがに1週間弱もおりましたら、部屋の中に入ったアブもタオルで捕まえて外に出せるようになったり、
少しだけ、山道を裸足で歩くことを試してみたり、川で泳いでみたり、
ちょっとずつ慣れていった気がします。

皆さんの「生きる力」はどんなレベルですか?


では、今日もよい一日を!

◆今日のカバー写真は、現地で入った川。

この記事は、2023年8月16日配信のここみち便りをリライトしたものです。
「ここみち便り」は、コーチング、リーダーシップ、その他、仕事や日常を充実させるヒントをお届けしているメルマガです。毎週水曜お昼ごろ配信。
ご登録はこちらから。


* * *

【おまけ】
ちょうど今読みかけの、稲垣えみ子さんの本も、このことに通ずるなと思いましたので、併せて紹介しておきますね。

『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』

元・朝日新聞社の記者の方。物欲まみれの生活から一転、東京で、冷蔵庫を含む全ての家電を捨てて快適に生活している方。
帯の言葉は、「人生100年時代のまさかの出口戦略。デフレ・インフレ・不況災害・老後もなんのその これがほんとうのお金に頼らない生き方」。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?