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女性管理職に伝えたいこと(その1)

今回から4回、「女性管理職に伝えたいこと」というテーマで、毎回違う角度から書いてみたいと思います。

私自身は、大学卒業後18年半、政府系金融機関に勤務し、最後の2年間は課長職を務めていました。
現在は、女性の管理職の方々のコーチングをさせていただくことも多いです。

「管理職」といっても幅が広く、伝えたいことも階層によって異なりますが、今回のシリーズは、日本企業でいうところの課長レベルをイメージして書きたいと思います。
選択肢の多い女性のキャリアにとって、このステージが「管理職になるかならないか」を悩む最初の段階であるのと、
ここでマインドや働き方の転換がうまくできていくと、その先の部長・役員への道も進みやすくなると思うので。

私も勇気を持って、思い切って書いてみようと思います。
毎回が全員に当てはまるとは思いません。自分に大事なものを取ってください。
男性の方にとっても、何らかお役に立つものであれば幸いです。

女性管理職に伝えたいこと(その1):真面目すぎる!!!

一言目は、これに尽きます。

特に大企業の方。
上司の言うことは、ほぼ完璧に遂行できる。
期待以上であることも多い。
チームで水準を満たせないと思うと、何とかご自身でカバーして対応していたりする例も多いです。
なので、周囲からも「優秀ないい人です」という評判が多かったりします。

この最大の危険性は、「上司や組織が求めるもの」に従う仕事の仕方になりがちなこと。

これだけになっていると、いろんな意味で危ういです。
ご自身の能力面では、限られた時間の中で任された業務を、上司が持っているだろう”正解”に向けて仕上げる達人にはなっていきますが、
その一方で、自分自身でビジョンを描いたり、問うたり、答えのないものについて考えたりする力を鍛えることにはなっていません。
リーダーシップとは、正解のない世界で、見えないものを見ようとしながら、リードしていくことです。(『リーダーシップの旅』野田 智義、金井 壽宏著)
この力は、経験により養われるので、日頃から育んでいく必要がありますが、日々のタスクに追われていると、そのための時間もありません。

また、経営の面から見ると、上司を見て仕事する社員ばかりの組織は、多様性のない、何かあればポキッと折れやすい構造・体質になります。
上司も間違えます。組織の中でもう時代にそぐわないものも沢山あります。
自らの視点と考えで進言できる人がいてこそ、組織は強くなります。

山口周さんは、「組織や社会のルールに誠実に実直に従いながら、責任を果たすために努力しているが、会社にも自分にも意味のない仕事すらも忠実にやる人」を「不マジメな優等生」、「上司の言うことから逸れたとしても会社と自分にとって意味のある仕事をする人」を「マジメな不良」と表現しています。

『いま欲しいのは「マジメな不良」』
(山口周さんのnoteより。途中から有料記事になります)

全く同感です。
冒頭の言葉はインパクトを重視しましたが、趣旨としては「優等生すぎる!」という意味で書きました。

男性は、「マジメな不良」はなりやすいかも、と思うんです。なんとなく、カッコいいから。
「あいつはああいうヤツだから」みたいな感じで周りも受け入れていたりもする。
女性がこういうのをやるのは抵抗があるかもしれません。

これは、学校教育や、家庭でのしつけ、日本の女性観も大いに影響していると思います。
「あまり悪目立ちせず、人の言うことをよく聞き、よく気がつく、優しい女性」が未だ日本ではヨシとされることが多く、日本の大手企業の管理職に就かれるような方々は、この求められる路線にしっかり自分を合わせてきた方々が多いと思うので。

女性の方々とコーチング・セッションしていてよく感じるのは、皆さん、意見がないわけではないのです。
考えるための時間も欲している。
気づいているけれど、「それでは組織の雰囲気を乱すのでは」「責任逃れでは」などと、アイディアを言わなかったり、NOと言わなかったりする。
周りに気遣っているようでいながら、本当に怖れているのは、自分が”迷惑な人”と思われることだったりします。

そんなこと言ったって、人に迷惑をかけられない、自分が頑張ればいい、という方、そのご自分のあり方が、後輩たちに与える影響を考えてみてください。

あなたが生き生きさも失うほどに頑張りすぎると、下の人も「管理職になるとは、ああまでしないといけないのか」というプレッシャーになります。

管理職になれたのは、十分、業務遂行能力があるから。
だからもうそこは心配しなくていい。

今身につけることは、自分自身がもっと自由に大胆になることです。
ビジネス界で働く女性は、男性以上に、たくさんの「べき」を自分にも他人にも課していたりします。
ご自分が自由になることが、周りの人を自由にすることへの一番の近道です。

優等生がデフォルトになると、はみ出ることや、失敗することへの恐怖も強くなります。
また、ネガティブなフィードバックを受けるのが耐えられない体質にもなっていき、ますますコンフォートゾーンから出にくくなります。

もう優等生じゃなくていい。
その許可を自分に出してあげてみてください。

そして、今日は、本当に自分が大事だと思うことに思い切り自分の時間とエネルギーを注いでみてください。


最後に、イベントのご案内です。

今回の連載でお伝えするようなことについて、実際に口頭でお話しし、ご自分を振り返ったり、また皆さん同士でも繋がったり対話したりする場を企画しました。
少し話してみるだけでも、気が楽になったりする効果があります。
ぜひ、お気軽にいらしてください。

【ここみちサロン「プロコーチが女性管理職に伝えたいこと」】

<こんな方に>
・女性の管理職の方
・管理職になりたい女性の方
・管理職を目指すかどうか迷っている女性の方 など

<日時等>
日 時:2023年11月15日(水)
              19:00  開場 
              19:15〜20:30    レクチャー、ミニワーク、対話
              20:30〜  懇親会(軽食あり)
場 所:PASSAGEbis!(神保町すずらん通りPASSAGEのビルの3階)
案内人:畑中景子(ここみち書店店主、CTI及び国際コーチング連盟認定プロコーチ)
定 員:12名(最少催行人数:6名)
料 金:3,500円(税込)
主 催:ここみち書店
詳細・お申込:https://peatix.com/event/3722744

では、今日もよい一日を!

この記事は、2023年10月11日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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