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アブラヤシ Elaeis guineensis

<シンガポール熱帯植物だよりというシンガポール時代に書いていたブログを少しずつこちらへ移動します> 2006年7月25日の記事

ヤシ科 原産地:中央アフリカ
Common name: African Oil Palm. アブラヤシ、アフリカンオイルパーム 

シンガポール植物園のビジターセンターにあるパームコートの写真。
ここに植えられているヤシがアブラヤシです。
上を見上げると葉の付け根のあたりになにやらモコモコ。

これがアブラヤシの実です。とってもたくさんの実が1つの花序にくっついてます。実が熟している時はたいてい鳥かリスが実を食べに来ているので、実がなっているなってわかります。

植物園では背が高くて実の様子とかわからないんですけど、たまにまだスクッと伸びていないズンドーのアブラヤシちゃんに出会います。普段は見られない花序と実を見ることができたのでパチっ!

古い実と新しくてちょうど食べごろの実と、まだ黒い実と、お花が付いているのが見えます。

実がなっているときには、木の下によくこんなのが落ちています。鳥ちゃんかリスちゃんの食べ残しです。触ってみると、あらら。ベトベト。

下に落ちているアブラヤシの実

アブラヤシの名前はこのヤシのこの実から油を採ることから付いています。

皆さんが普段食べているマーガリンやお菓子やサラダオイル、そしてヤシの実を使ったとうたっている石鹸や洗剤、シャンプーの類、ほとんどがこの実から採る油で作られています。

赤い部分は油がいっぱい含まれていて、これを搾って使います。鳥やリスが大好きなので、食べてこの中のタネを運んでくれるという寸法。

繊維がいっぱいの赤い部分を取り去ると中からタネが出てきます。このタネがココナッツの実でも登場した「怖い顔」の実。(笑)

ココナッツと同じように3つの穴が開いているのが特徴ですが、芽が出てくるのは1つだけ。あとの2つは退化してしまったんだって。

外側の赤い部分からだけではなくて、このタネからも油をとるそうです。こちらの油の方が高級な油でカーネルオイルって言うんだって。

こちらはお花。雄花が咲いた後のようです。

かさかさしていて、全然花らしくなくてつまらない。どこがどうなってるんだろう?ヤシのお花はたくさん見ているけど、こんなタイプは他にはなくて全然ワケがわかりません。(→下記雄花へのリンクを参照してね。)

雌雄同種と資料には書いてありました。でも雌花を見たことがTOMは1回もありません。実がこんなになっているのにどうして??目下アブラヤシの雌花の謎を解くために、アブラヤシを見ると怪しい人に変身しているTOMです。

アブラヤシは熱帯雨林を考える時にすごく重要な植物なんだけど、これについてはまた次回に。

◎アブラヤシに関しての他の記事
アブラヤシの雄花 
ヤシ畑
日本人とアブラヤシ
プランテーション界のヒーロー、ウィービル君

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