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アブラヤシの雄花 Elaeis guineensis

<シンガポール熱帯植物だよりというシンガポール時代に書いていたブログを少しずつこちらへ移動します> 2006年8月28日の記事

アブラヤシの花については色々調べても写真が発見できなくて、ちょっとフラストレーションがたまっていました。

雄花の花序。既に枯れている姿。なかなか咲いているところが見られない。

いったいどんなお花を咲かせているんだろう?あまりにもよく見るヤシだけに、ヤシファンとしてはどうしても見たい!
普通のアブラヤシは背が高くてお花が咲いているところなんか見られないし、背が低いアブラヤシをたまーに見つけても、例のカスカスの雄花の残骸(上の写真のようなものです)しか見ることができなくて、「うー、アブラヤシのお花見たいよー!」と叫び続けていたTOMを友人達はきっと呆れ顔で眺めていたことでしょう。

そして。ついに!発見したよー!

昨日、日本からの里帰り旅行(本帰国した人が遊びに来ることをこう言う…)の友人とフォートカニングパークに行ったときに、低いヤシを発見。いつものごとく「お花~!」と探したら…あった!

雄花の花序 咲いている

でもヤシは斜面の下。TOMは予定外の公園散策だったので生足にヒールのサンダル。
う…。どうしよう…。この足で下りていったらくじくかも…。
でもこのチャンスを逃したら、次のチャンスはいつやってくるか分からない…。

雄花の花序の周りには遠めに見ても、虫がいっぱい群れています。
絶対に、今、咲いている最中だ。
見たい!絶対に見たい!

そーっと下りればきっと大丈夫。よいしょ…。

ってことでの戦果が今日の写真でございます。

上の雄花の花序のアップが上の写真です。肉眼で見てもよく分からないんだけど、写真で撮ったらこんなんでした。1つのお花の直径は数ミリというところだと思います。

花びらとか無くて、オシベだけがあるみたい。花を1つだけ取ろうとしても取れません。オシベが引きちぎれてくるだけ…。

花を取ろうと花序に触るたびに花粉がふわーっと飛び散ります。すごい量。

左の写真はちぎれたオシベ。

つんと鼻をつくような香りが漂っていました。この香りに虫はひきつけられて集まってくるのかな?甘い香りではなくて、悪い香りではなくいい香りなんだけど、ちょっと表現ができない香りでした。男性用の香水みたいな香り…って抽象的過ぎるか…。(すまん!)

たくさんの虫が周りをぶんぶん飛んでいました。小さめのハエみたいなの。ハチなのかな?足元に花粉の塊みたいなのをつけていました。下の写真なんだけどわかる?虫の長さは3~5mmってところだったと思います。

雄花の家をはい回る小さなハチ? 花粉ダンゴを抱えています

アブラヤシは雄花と雌花が別の花序に咲きます。1つの株の中で同時に両方の花が咲くことはないそうです。だからこうやって花粉を虫が別の株へと運んでいって受粉の手伝いをするんですね。

本によるとアブラヤシの送粉は風と虫の両方で行われるそうです。

アブラヤシの説明はこちらです。見てね!

アブラヤシの畑をボルネオ島で見てきたよーという記事は こちらです。こちらも是非見てね。

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