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【浦和vs清水】J1 第8節 感想【ロジックに打ち勝て】

とうとう、J1リーグだけでなくルヴァンカップも再開しました。
公式からの供給過多でだいぶ情緒不安定な雰囲気が個人的には増してきていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
個人的には柴戸の成長具合に目を細めつつ、岩武や武田英寿など新戦力を目にしながら、より自身を表現できるようになってきたらどれだけのいいプレーを見せてくれるのかな、と輝かしい未来(未定)を想像しながらニヤニヤしています。
と、こんなことを書いていますが前節の清水エスパルス戦の感想をやっとかけそう、という所で中々気持ちの面でも追いついていないですが、備忘録としても、皆さまからのご指導を頂く上でも、頑張って書いていこうと思います。
感想・・・下さい。よろしくお願い致します。

あ、今回の記事は下記の4点について書いています。
いつもより、ちょっと増えました。
が、ボリュームは抑えめなのでザッと読んで頂ければ・・・!

試合雑感~両陣営の狙い~

前節の横浜FC戦からそれほど間も空かずに清水エスパルスとの試合を迎えましたが、前日に清水の試合を見た時に前半だけしか見ることが出来ませんでしたが「これは・・・簡単じゃないな」と思いドキドキしていました。

バックラインからのビルドアップは丁寧に2CBが前線のプレスや配置をずらして、人数過多にならないように丁寧に繋いでいく印象があった事がひとつ。
チームとしての重心も大きく崩すことなくプレーしようとしていた事がもうひとつ。
どちらも今シーズンの浦和が苦手とまでは言わずとも、自分たちが表現したいプレーを発揮するには簡単ではないハードルとして立ちはだかってきた要素であるからです。

試合展開はまさししく、丁寧なビルドアップから中盤に出来るだけ余裕のある状態でボールを進め、トランジション時には浦和のストロングポイントでもある山中・汰木の左サイドを押し込む目的であろう、裏へのボールの配球を見せていました。
対する浦和は右サイドの橋岡・関根とビルドアップに青木などがサポートに入る事によってボールを前進させようと試みます。
ただ、浦和は守備時にバックラインに人数を置く形を多用する事から前線で枚数が足りない事も多く、かといってバックラインからのビルドアップでは清水のブロックを崩すロジックを中々見せることが出来ません。
11分に迎えたチャンスは浦和の右サイドに手数をかけて押し上げた清水をポジティブトランジション時の早いテンポでの配球から汰木が持ち込んだことにより生まれました。
序盤の15分を過ぎて、明確にトランジションで差を付けなければならない浦和細かいパス回しとブロックの視線を変える中距離パスを使うロジカルな清水、という構図が出来上がります。

かすかな光~トーマス・デンという男~

ただ、バックラインからのビルドアップ時にデンからエヴェルトンへの角度のあるパスが入り、展開が進む事もあり光明が無い訳ではありませんでした。
清水のブロックを効果的に歪めるために踏むべき手順はもう少しあったのだとは思いますが、ファーストプレッシャーラインを越える事によって前線への配球ルートを作るための下地作りという所で考えると少しずつ軌道が見えてきたのかもしれないな、とも思っています。

今節のデンは清水のブロックを崩す為の起点として非常に工夫を見せた選手の一人ではないでしょうか。
基本的に前からプレスをかけに来ないでブロックを形成する清水に対してボールを前に持ち出しながらライン間への(主にエヴェルトンへの)配球を伺うなどビルドアップ時にどの様な動きが効果的なのか探りながらプレーしていたと思います。
後半に入ってもその動きは途絶える事なく、清水のファーストプレッシャーラインを意識して越えたり、むやみに蹴り出す事はせずに出来る限りプレッシャーラインを越えてから配球しようという意識が強かったと思います。
また、それを実行に移すことが出来るだけのスキルも発揮している事もあって非常に頼もしかったと言えます。

自軍の思う様なプレー循環を作りたい、けど・・・

前線からのハメ方、というのは今シーズンから浦和が目指している主体的なプレーであったり、攻守に切れ目のない相手に休ませないプレーという部分で非常に重要な要素であるとは思いますので、より詰めていってくれるのかな、という部分で非常に期待したい所でもあります。
たられば理想論でも書きましたが、今シーズンから掲げているコンセプトの循環を目指す時に、相手に休ませないプレーを目指すには前向きに積極的なプレーを推し進める必要があります。
それは、相手の自由を奪うという事でもあり、相手の判断にかけられるリソースを極力削っていく、という事でもあるからです。

31分の清水GKからのビルドアップ時には、GKの選択ミスとも言えますがレオナルドがパスコースを塞ぎながらプレスをかけ、清水の配球ルートを右サイドに押し込め、ボールを刈り取る事に成功。
浦和としてはこの配球ルートを再現性持たせながら繰り返したいシーンだったのではないかと思います。
(この記事を書く前に見ていたルヴァンカップのセレッソ大阪戦で図らずも期待したくなるようなプレーを披露してくれていましたが)

今節の浦和が上手くいかなかった要因

前節ではセットプレーからの得点が多く、今節でも当然警戒の対象でしたが、セットプレーだけなく、ペナルティエリア前からのクロスでも鋭いボールを幾つか配球していました。
クロスを無視する事も出来ず、クロスをブロックすればセットプレーが待っていて、おまけにビルドアップでは明確な意図をもって浦和のブロックを動かしてプレーしてくる、という清水にとってそれぞれのプレーイベントが繋がりを持って循環していた事が浦和を非常にやりにくくさせていたんじゃないかと思います。

この、プレーイベントが繋がりを持って循環している、という事が非常に重要なんだと思っているのですが、今シーズンの浦和はその循環をまだ作り切れていない、という状態なんだろうな、と思っています。
3か年計画の初年度、というエクスキューズは付きますが、シーズン序盤に汰木と山中が見せてくれた迫力のある攻め筋を見せつけられてから、ロマンのある形というものを期待したいと思っていますが、まだまだ明確なものを見つけられていない状態でもあり。
単純に、汰木と山中にスペースを与えないだけで対策を打たれてしまう、打たれてしまった様に見える事も課題ではありますが、現時点ではインパクトを与えられるだけの攻め筋を育てるフェーズなのかもしれません。
左サイドで汰木を活かせるシチュエーションがハッキリした一方、そこに至るまでの布石の打ち方、どのエリアで誰が無理を利かせる仕事をするか、という設計を目指すのであれば、右サイドでありネガティブトランジションの設計であり、中盤の挙動であり、ある程度のケーススタディを経る必要があると思えます。
そのための種が、柴戸や橋岡の成長であったり、槙野や鈴木大輔などのベテラン勢の奮起であったり、興梠のタスクの禅譲であったりするのかな、と。
実際に、それらが継続性を以て継承されていくのかどうかはこれからを見守るほかはありませんが、素質がある選手が揃っていると思えるからこそ、楽しみにしたいな、とも思えるわけです。

最後に

浦和を背負う責任という言葉があります。

改めて、今シーズンはこの言葉が大きく、重くのしかかかってくるフェーズが来るのかな、と思っています。
現段階でも、その育て方が進んでいるのかな、と思います。
槙野や鈴木大輔選手がシーズン序盤で見せることが出来た事が良いきっかけになれば良いですが、今シーズンから浦和に加入した選手はその重さにもしかしたら荷が勝ちすぎると感じるかもしれません。
しかし、今の浦和に所属している選手たちにはそれらを表現できるだけのポテンシャルも、能力もあるのではないか、と漏れ聞こえてくる情報から感じる事も出来ます。

願わくば、新加入選手においても、戻ってきた選手も、長く浦和レッズに貢献してきた選手も、シーズンが終わった時には精いっぱいやりきって、もがきながらでも、結果が思うようにいかなかったとしても、浦和レッズというチームに恥ずかしいと思わないだけのプレーを表現できることを祈っています。

上手くいかなくても、上手くいっても、感情を揺さぶるチームである事を。

P.S
お酒が入ってちょっと感傷的になりましたが、今シーズンは本当に期待したいと思っている所でもあるので、出来る限り追っていきます。
スカパーオンデマンドも、その為に再契約した訳ですしおすし。

・・・もう、次の土曜日はJ1リーグでしょ・・・セレッソ戦の感想も書きますが・・・すぐ名古屋戦・・・しかも今シーズンは堅くて強いとか・・・しんどい・・・(笑)

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