見出し画像

【柏vs浦和】強い気持ちったら強い気持ち【ルヴァンカップ 5節 感想】

サッカーと赤菱を愛するみなさん、こんにちは。
代表ウィークに入っても、オリンピック日程の影響で試合は続くので積み感想がどんどん積み上がっているくろだです。
1日2試合ペースでなんとか追いつきたいな、と思っていますが、強い気持ちが足りない・・・もっと強い気持ちを・・・(それよりも時間)
というわけで、今回は負ければグループリーグ敗退が決まってしまう瀬戸際の一戦となったルヴァンカップ5節の感想を書いてみようと思います。
得点王の称号を引っ提げて浦和へ新加入したキャスパー・ユンカーの振る舞いや、リーグ戦への梯子が延びているルヴァンカップの試合としての感想なんか書けたら良いな、と思っています。

スタメン

画像1

【柏】
前半47分 P.ハウル⇆アンジェロッティ
後半13分 M.サヴィオ⇆仲間
後半32分 大嶽⇆古賀 三原⇆椎橋

【浦和】
後半0分  阿部⇆小泉
後半13分 K.ユンカー⇆明本
後半19分 杉本⇆興梠 田中(達)⇆関根
後半34分 山中⇆伊藤(敦)

試合雑感

試合は序盤から強度の高い展開に。
浦和のビルドアップは両サイドバックをそれほど高くは押し上げず、基本的には2-2ビルドアップですが、両サイドに逃げ道を用意しつつ柏の3バック脇を狙っていきたい格好。ネガティブトランジション時には柏の両ウイングバックに配球された場合は積極的に閉じ込めにいき、ボールを回収していこうという構え。
対する柏は選手の配置から中盤へのパスルートを確保しようという意図だったのかは分かりませんが、ポジティブトランジションからファイナルサードまでの移行の中で押し込めると踏んだ局面以外は中盤でフィルターをかける、その前はリスクをかけずに前線の個に任せるといった様相を見せていた様に思います。

まずは、浦和が先制点を取りましたが、浦和がトランジションで柏の3バック脇(ウイングバック裏)を使ってカウンターを撃つことが出来た事によって生まれました。この場面でのユンカーはカウンターで前進する汰木に視線が集まる事を利用して柏のセンターバック3枚すべての視界から一度消えて一気に裏へと急襲する見事な動きを見せた事と素晴らしいシュートでゴールを奪いました。
序盤から積極的にシュートを狙っていた杉本もゴールへの意欲を見せていましたが、ユンカーのプレーぶりが素晴らしすぎてどんな心境になったのだろうか・・・と少し心配に。

失点してからの柏は多少は前進する圧力を高めていきますが、浦和の中盤に対しての数的優位の状態を作れる場面が一瞬あるものの、それを維持する事は出来ません。中盤に厚く人を置ける反面、ファイナルサードで効果的な攻撃を見せるには効率があまり良くないのかな、という雰囲気。逆に浦和はウイングバックの裏を上手く使う事でクロスで惜しいシーンを作ったりバイタルエリアを上手く使えるなど、安定した試合運びを見せていた様に思えます。

正直、前半だけを見ていたら「なんで3-3なんて試合になるんや・・・」という気分ですが、その布石になりそうなシーンが前半終了間際にありました。P.ハウルが槙野のタックルを受けた際に受け身を取り切れずに負傷したシーンの直前、柏のビルドアップに対して追い込んでいく動きからプレスの人数を増やしていった結果、中盤に縦パスを付けられてしまったシーンなんかは後半に向けてひとつの示唆を与えてくれていたような気もしています。

結果的にP.ハウルに代えてアンジェロッティが入りますが、これにより試合の風向きが変わっていく事に。
おそらく、浦和にとっては予定通りの交代となった小泉が入る事によってより前線からプレッシャーをかけて2点目を取りに行こうという姿勢を見せていきますが、これによって柏にとっても中盤のパスルートが生まれる事に。
徐々に全体的に陣形が間延びを見せ始めてオープン気味な展開に寄っていきます。

陣形が広がっていけば、必然的に柏は中盤に対しての有効なパスルートが増える事になりますし、隙間が増えれば前線にも配球できるルートが見える事もあります。そんな状態でバランスを崩しかねない前線からのプレスにかける人数を増やせばさもありなん。今節の振る舞いからはプレスの人数を増やす事と(特に後ろの)プレスのタイミングを考えるにはちょうどいい試合だったのかもしれません。
ユンカーと明本が交代した直後の失点シーンも間延びしてからのトランジションでファウルを与えてしまった事が直接の原因ですし、オープンに寄っていく事によるリスクの増大についてよりシビアな状況を招いた、と言えるかと思います。

興梠と関根を交代で投入したのも、このオープン気味の展開を落ち着けたかったのかどうかという感じはしますが、交代直後に小泉がPKを献上した事によって浦和は攻めの姿勢を強めざるを得ない展開に。
押せば柏の陣形は圧縮される、引き込んでカウンターを撃とうにも中盤のフィルターが邪魔をする、という展開が続いた結果、柏に3点目が生まれます。この辺、椎橋と古賀を先んじて投入したネルシーニョ監督の采配が実っているんだろうな、と感じる一方、エゲツナイな、とも思ったりするわけです。あいてにデバフをかける手腕に関してはピカイチですよなぁ・・・

とはいえ、これで終わらなかった浦和。結局は強い気持ち。
コーナーキックから興梠の折り返しを素晴らしい反応を見せた伊藤(敦)がボレーで叩き込み、最後は小泉がポジティブトランジションで素晴らしいパスを関根に配球して3-3の同点で試合を終える事に。
ハラハラしつつも、結果的に引き分けで終える事が出来た事でグループステージ突破の目を残す事ができたジェットコースターのような試合でした。

やっぱり、強い気持ち。

さいごに

今節はとにかく負ければ敗退が決まる、という厳しい状況での試合設定ではありましたが、ユンカーの見事なプレーぶりと小泉が後半に見せた集中力の高さが試合を助けたような形になりました。
前線からのプレスの枚数を増やす事によるリスクの管理の仕方についてはおそらく、今節を踏まえて各選手にフィードバックが行われている事でしょうし、たしか3バック相手のプレスは今シーズン初めてだったんじゃないかという位見られていない形だったと思います。

ユンカーの衝撃的なデビューから、今後はユンカーの相方の選定とその周辺のメカニズムについて色々と試行錯誤が行われていきますが、そこら辺も眺めながら感想を書いていこうと思います。
杉本、頑張って・・・強い気持ち。

ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?