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【FC東京vs浦和】J1第5節 感想【道半ば】

サッカーを愛するみなさま、こんにちは。
気が付いたら22日の水曜日です。
もうすぐ、柏レイソルとの対戦が控えています。
FC東京戦の感想もまだ書けていないのに、時間がたつのが早すぎます。
という訳で、駆け足ですが感想書いていこうと思います。
柏戦のプレビューは間に合わせるのが難しかった・・・くそぅ。

(もしかしたら、あとで追記するかもしれません)

~守破離の守~

96さんのレビューでも触れられていましたが、ファストブレイクを狙う両チーム、しかもフォーメーションも初期配置を見る限りはガップリ組み合う形になる対戦として序盤から見込まれていた通りに裏の取り合い、駆け引きが繰り広げられていました。
浦和はやはり汰木と山中の左サイドコンビが杉本や青木、柴戸の助けを受けながらサイドの攻略を狙う形。
対してFC東京はディエゴ・オリヴェイラが山中につき、ビルドアップを阻害しにかかってきました。
序盤のFC東京は浦和に縦へのルートを簡単に抜かせない、通させないようなつき方をしていたように思いますが、その事によって山中と汰木が相当に窮屈な状況に陥る事になります。

こういう状況になった時、今シーズンは興梠や杉本が中盤におりてきたり、山中がCBや柴戸にボールを預けてプレッシャーラインの裏に移動するなどの工夫を見せますが、山中や汰木が狙いたいスペースは中々明け渡してはもらえませんでした。
前回の記事でも書いた通り、基本的にハーフスペースで一番使いたい所はペナルティエリア前あたりなんだと思っていますが、そこへ入り込む経路も、そこへ配球するための経路も塞がれてしまった事によって使いたいスペースを使えないという状況でした。
特に、序盤はサイドチェンジを行うなど主戦場を右に寄せる事によって左サイドの窮屈さを緩和しようという意図があったのではないかと思います。

ただ、そこでFC東京側の攻め手が浦和のトランジションを難しくさせます。FC東京のビルドアップに対して浦和は積極的なプレスではなく、ハーフライン当たりを第一プレッシャーラインとして、横パスをスイッチにしてプレスを開始するような形。
このプレッシャーラインの設定は大槻監督の指示だったのかどうなのかは分かりませんが「待ち」の姿勢に繋がり、インテンシティの低さを感じる原因だったのではないでしょうか。
実際には、FC東京のビルドアップを阻害するというタスクに関しては有効であったと思いますが、そこでディエゴ・オリヴェイラがしびれを切らしたのか、いたる場面で顔を出してボールを受ける動きを繰り返すようになります。
どうも、他の方の話を聞くとディエゴ・オリヴェイラは普段より動いている様子だったのでイレギュラーだったのかもしれませんが、このイレギュラーが浦和の守備とトランジションを難しくさせたように思います。

前半20分を超えたあたりから右サイドに侵入していくFC東京に対して守備の人数が余る様になっていきます。
守備の人数が余るという事は安全率を考慮しても効率が下がっている、という事です。
基本的に低い位置でのサイドの守備は山中が対応する事で整理されているようですが、カバーの位置に柴戸が入りだしてから徐々に浦和の守備からのトランジションが弱くなっていったように思います。
ゾーン的守備を基本とする浦和としてはイレギュラーな動きを繰り返すディエゴ・オリヴェイラに基準点をグズグズにされた上にトランジションの効率を下げられて、見事に前後を分断された格好なんじゃないかと思います。

そうして浦和は前半終了間際に失点をするわけですが、恐らく守備の基準点がグズグズになっている事は肌感覚で理解していたのではないかと思います。
今シーズンに限らず、狙った形が上手く表現できない状況になった際に一度守備陣形を基本形に近い形でセットしなおすことによってゼロ地点への復帰を図ろうとする傾向がありますが、失点シーンはまさにそういう所が出たんじゃないかな、と思っています。
ボールサイドへ寄る事で横圧縮からのトランジションでハーフスペース強襲というのがファストブレイクを狙うに当たって有効な一手である事は間違いありませんが、前半の失点シーンはまさにその圧縮の外側を強いサイドチェンジで突かれた形でした。
横圧縮の宿命ともいえるやられ方ですが、この部分の復元性、もしくはパスの出しどころに対する仕組みを整備する必要もあるのかな、と思いました。

後半に関しては、開始時点で汰木から関根への交代をするなど積極的に局面を打開しようという姿勢を大槻監督は見せてくれましたが、これまでの交代後の浦和の振る舞いを見ていると、どの選手がどのエリアでの振る舞いを強みとして持っているのか、という部分はまだ煮詰まり切っていないのでは、と思う部分もちらほら。
今節についてはマルティノスが右サイドでボールを持つことによってFC東京の陣形を寄せるという事を期待していたのかもしれませんが、関根に関してはどうだったのだろう・・・と。
前半、汰木がハーフスペースで受ける事が出来る場面を作る事ができつつある中での交代の様に見えたので、少しもったいなかったのでは、と思います。

後半に関してはそれほど語る言葉を持たないのでFC東京戦の感想は以上になりますが、ここ数試合を見ていて改めて今シーズンの浦和は目指している道の途上なんだ、という事を感じました。
目指しているサッカーを表現するための目指すべき形、完成形に対して序盤から汰木と山中という強力な2枚を活かす事、レーンを意識したポジション取りを仕込むなど、序盤から想像以上の威力を発揮している事は間違いなく。しかしそれもJ1という舞台ではあっという間に対策を打たれてしまいましたし、その先の表現、という部分に関してはまだ打ち手が少ないのだな、と。
まだまだ発展途上、守破離でいう所の「守」の段階だな、という感じです。
いよいよ、浦和対策も輪郭を帯びてきた段階でリーグ戦も進んでいきます。浦和がどんな表現を強く打ち出していくのか、楽しみに今日の柏戦に臨みたいと思います。

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