見出し画像

FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第8節 リトアニアvsスイス感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン  」として今回はリトアニアvsスイスの試合をお届けします!

試合前情報

両軍とも、前節は勝利という結果を持って第8節に臨むリトアニアとスイス。前回対戦は欧州予選第2節で、その時はホームのスイスが1-0とスコア上は辛勝と言える結果でした。
そこから両軍とも試合を重ね、前節ではお互いの指向をマイナーチェンジした姿で勝利を収めましたが、今節ではどの様なプレーが見られるのかに注目です。

スタメン

画像1

試合雑感

試合序盤から、スイスはバックラインでボールを動かしながら丁寧に前進していく事を志向。4-2-3-1の布陣から両翼が絞った形で受けて立つリトアニア守備陣に対し、右サイドで幅を取るのはヴィドマー(3)、エンボロ(7)、シュテフェン(11)が担当するが、ビルドアップの風向きによってそれぞれが幅を取る位置に侵入するという段取りのようだ。
リトアニアは押し込まれた際には4-4-2のような布陣になるが、その際にスイスの右サイドに相対するのはノビコパス(11)。スイスの攻め上がりに対して、スライドを強いられながら応対してる場面が見られた。
スイスはノビコパスがスイスの幅に対して付かざるを得ない事から中へのパスルートの遮断をどうするのかという難しい選択を迫っていた。前線から落ちてくるエンボロ(7)へ縦パスを刺すもよし、幅を取るラインをもう少し高く取ればシュテフェン(11)やソウ(15)、時にはエンボロとの連携でクロスを供給する事が出来る。

前半3:30頃のツバー(14)のミドルシュートも縦パスを受けたエンボロがキープして逆サイドに展開した事から生まれており、両ワイドの攻略に対してリトアニアが頭を悩ませる状況が最序盤から突きつけられる事になる。

ただ、右サイドからは効果的な前進を行えていたスイスだったが左サイドでは効果的な前進を見せる事は出来ていなかった。おそらくツバーはカットインタイプの選手であり、エンボロも右利きのため左サイドに顔を出した時に縦パスを受けた先の選択肢として左サイド深くを選びにくい状況が生まれていた事も関係しているのだろう。

そうして左サイドで作りながら縦にも逆サイドにも展開できる筋をあれこれ使っていくスイスに対して耐える時間帯が続くリトアニアだったが、エルヴェディ(4)が痛んだ事によって一時中断した後のボールをゴールキーパーがシュテフェン(11)に引っ掛けてしまった事が先制点を献上するきっかけとなってしまう。

引っかけた後の応対で与えたコーナーキックから、シャチリのキックをエンボロが見事なヘディングシュートで決めて0-1に。

先制点を献上してしまい、反撃を狙いたいリトアニアはスイスの攻撃に対して前線の人数を増やしながら圧力を強めていく構えを見せますが、スイスのバックラインとワイドのプレス耐性に対してエラーを起こすところまでは持っていけません。逆に前がかりになった所をシュテフェン(11)の裏への抜け出しにシェア(22)が見事な配球を見せて2点目。

実に効率よく点差を広げたスイスは、それまでと同じようにリトアニアの布陣を切り裂きながら、コーナーキックから3点目を取る事に成功します。
これで、ほぼ終戦という状況となってしまいました。

後半開始時に、スリヴカ(14)→ベルビッカス(18)、ラウクゼミス(9)→カズラウスカス(19)を投入します。
スイスは左サイドのロドリゲス(13)をガルシア(6)へ交代。

後半開始早々からリトアニアは少しでも点差を縮めようと活動量を増してスイス攻撃陣に襲い掛かります。
スイスのビルドアップに対して圧力をかけつつ、トランジションでベルビッカスとカズラウスカスが活路を見出そうと奮闘し、後半最初の15分では惜しいシーンが2回ほどありましたが、そのうちどちらかでも決めることが出来ていれば試合の流れももう少し違ったものになったのかもしれません。

そんなわけで、試合の流れを引き寄せようと奮闘し、展開自体はイーブンに寄っていく様子が見られた67分に、スイスはシュテフェンとツバーがファスナハト(16)とバルガス(18)へと交代します。
両者ともおおよその役割はそのまま引き継ぎ、リトアニアの守備陣を押し込む事を狙いますが、押し込み切れずに決定機こそ与えなかったもののリトアニアの反撃を繰り返し受ける状況が続き、お互いに一歩も引かない試合展開を見せましたが、最後にリトアニアが力尽きてガヴラノヴィッチ(19)に4点目を決められ試合終了の笛を聴く事になりました。

まとめ

リトアニアとしては、少しでも点を取って試合を終えたいという意欲が見えるものでしたし、特にベルビッカスやメゲライティスが中盤でボールをキープする事で攻め筋を辛うじて維持する事が出来ていたと思います。大きなチャンスにたどり着く事は出来ませんでしたが、奮闘という言葉がピッタリな試合だったのではないでしょうか。

スイスとしては、終って見れば構造としても選手の質としてもスイスが順当に勝ち星を得る事になった試合でしたが、前半の3得点の中で1点でも入っていなかったら・・・後半にリトアニアが迎えたチャンスのうち一つでも決まっていれば・・・という点で流れに恵まれた試合でもあったように思います。
というわけで、勝ち点3を獲得したスイスは勝ち点でイタリアに並び、得失点差で若干後れを取っている、という位置にたどり着きました。
11月シリーズでの戦績次第で、特にイタリアとの直接対決を残しているのは好材料です。非常に見応えのある試合が見られるのではないかと期待で胸がいっぱいです。

さて、第8節の残りの試合を消化したらいよいよ大詰めを迎える11月シリーズの展望を書いてみたいと思います。
思いのほか盛り上がる要素が出てきて、ワールドカップ出場が早々に決まってしまったグループに比べて最後まで目が離せないグループとなった事に結構満足していたりします。
あと1か月ですが、強い気持ちで走り抜けたいと思っていますので、どうぞ最後までお付き合いください。

注目選手

エンボロ

前節に引き続き、エンボロをチョイスします。
2得点を決めた事もそうですが、やはり幅広くピッチに顔を出してプレーに関わっていくところは偽9番的ですし、スイスというチームの流動性を担保しているといっても過言ではないのではないかと思います。
是非とも11月シリーズでも活躍してもらって、盛大にステップアップを見せて欲しいな、と期待していたりします。

試合結果

2021.10.13
カタールW杯欧州予選 第8節
リトアニア 0-4 スイス
LFFスタジアム
【得点者】
SUI:31' 45' エンボロ 42' シュテフェン 90+4' カヴラノヴィッチ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?