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【浦和レッズたられば理想論】

 初めましての方も、そうでない方も、こんにちは、くろだのやすたかと言います。(DAZNの年間視聴パスの色に興奮が隠し切れません)
 先日の湘南戦レビューでJリーグも中断されるし、「たられば理想論」でも書ければと言いましたので、やってみようと思います。
 少し長文になるかもしれませんが、お付き合い頂ければ幸いです。
 そして、蛇足ではありますが犬のアイコンのあの方とは全く関係の無い事はご承知下さい。FGO関連の感動のツイートは呼んでいてとても楽しいですね。
 湘南戦レビューはこちら↓

 湘南戦では結果としてトランジション時の挙動で勝敗が決した感がありますが、浦和レッズのコンセプトを考えた時に、それらを十全に発揮した時のシチュエーションはどんなものなのか、という事を考えてみたいと思います。

浦和レッズの3つのコンセプトの円環

【浦和レッズの3つのコンセプト】
・個の能力を最大限に発揮する
・前向き、積極的、情熱的なプレーをする事
・攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする事

 この3つの中で、特に注目したいのが「攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする事」ですが、実現するためには残りの2つのコンセプトの表現も欠かせません。
 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーの為には「前向き、積極的、情熱的なプレーをする事」を実現する必要があります。
 そして、自信をもって強い気持ちで積極的にプレーするためには「個の能力を最大限に発揮する」必要があります。
 3つのコンセプトはそのどれもが繋がっていて、ひとつのサイクルとして存在できます。回転の方向は逆でも同じ事ですね。

 「個の能力を最大限に発揮する事」によって、前向き、積極的、情熱的なプレーをする事ができますし、「前向き、積極的、情熱的なプレーをする事」によって「攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする事」が出来ます。そして、その先には個の能力を最大限に発揮する事が続きます。

 今シーズンから掲げている3つのコンセプトは、どれもが相関しあっていて、どこかに澱みが出来ると連鎖して表現が弱くなっていきます。おそらく、今シーズンの浦和レッズの試合を見ていて「何か上手くいっていないな?」と思う時はこのサイクルのどこかに不具合があるのだと思っても良いのではないでしょうか。
 ですので、今シーズンはこのサイクルがどの程度円滑に循環しているのかという所に重点を置いて、上手くいかない時はどこに問題があるのか、という視点で試合を追っていければ、と思っています。

コンセプトを表現する為に その1.横圧縮

 今シーズン公式戦初戦のルヴァンカップ仙台戦での浦和レッズのプレーを観戦した人は誰もがこの3つのコンセプトを脳裏に浮かべた事と思います。ベガルタ仙台の状況にも助けられた形ではありますが、ボール奪取後のスプリントに存分に今シーズンのコンセプトの香りを感じ取り、これからの試合でピッチの上を躍動する選手たちを想像することが出来たのではないでしょうか。
 96さんがルヴァンカップ初戦のベガルタ仙台戦レビューコンセプトを表現するプレーの目玉と書かれていた「ファストブレイク」をどれだけ表現できるかがひとつの生命線となると思いますが、そのために浦和レッズはフィールドのどのエリアに防衛線を張り、どの様な経路を使って相手ゴールに迫っていければ良いのか、という所を考えてみたいと思います。

 まず、ファストブレイクを仕掛けるためには相手陣地にスペースがある状態でポジティブ・トランジション局面を発生させなければなりません。

 仙台戦で見られた仕組みは守備時の挙動が偽サイドバックとして振る舞うために効率的な物でした。横圧縮からのボール奪取がファストブレイクを表現するための一つの目的である事は確かでしょう。
 そして、この局面を作るためには前線からのプレスによってサイドにボールを誘導する設計が不可欠です。前線のプレスは中盤へのパス経路を遮断しながらサイドへのパス経路を残しつつ、サイドに追い込み。ボール奪取後は配球役が逆サイドに大きく広がっているスペースにめがけて大きく展開する、という形が理想形の一つとなります。

 この際に注意しなければならないのは、サイドに追い込んだ場合必ず取り切る or 下げさせる所までやりきらなければならない事です。
 ここで取り切る事が出来ずに逆サイドに展開されてしまうと、一気にピンチの局面を作られてしまいます。
 下げさせる事が出来た場合でも、守備ブロックの外側で左右に振りながら陣形に歪みを発生させようと相手チームは狙ってきます。

 このシーンは、仙台戦の14分、道渕に惜しいミドルシュートを打たれたところですが、ブロックを敷いた時に意図してサイドに追い込めなければスライドが間に合わずに穴を突かれてしまうという好例なのではないかと思います。

コンセプトを表現する為に その2.押し込んだら逃がしません!

 横圧縮からのボール奪取→ファストブレイクが発動できた時点でクロス、またはシュートで終わることが出来るのが一番ですが、跳ね返された時やボールを奪取された時に、浦和レッズは配置によって相手のトランジション時の挙動を阻害する事が出来ればコンセプトの中の「攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする」ための下地となります。
 山中や橋岡の偽サイドバックにはボール回収やサイドでボールを奪われた時に中継地点となる中盤へのパス経路を潰すなどの機能を期待しているのですが、湘南戦の失点の場面ではブロック構築を優先した結果、湘南にスペースを自由に使われてしまいました。

 ただ、これはどのチームも避けたいところ。当然、中盤やディフェンスライン、場合によっては前線の選手なども参加して阻害される状況から抜け出したいと思う訳です。

 湘南戦では、湘南の両ウイングバックと中盤の3枚が、浦和レッズの中盤のフィルターをすり抜けようと奮闘していました。偽サイドバック的ポジションを取る事でフィルターになったエリアを中盤の3枚で数的優位を取る事が出来ると同時に、高い位置を取る浦和のサイドハーフの裏のスペースにウイングバックが走り込む事で、トランジション時の阻害を回避しつつ攻め上がるためのパス経路が作る事が出来る、という構造的な問題から浦和レッズは相当に苦しめられていました。

 今後の浦和レッズが3-5-2や4-3-3、4-4-2(中盤ダイヤモンド)といった、噛み合わせの悪い配置を取ってくる相手に対してどの様にして調整を行っていくのか、という部分は常について回る問題となるはずですので、要注目です。

 また、今回は押し込まれた場面からどの様に攻撃に転じ、そのためにどのポジションにどんな働きが期待されるか、という所は割愛させていただこうかと。対戦相手の仕組みに依存する部分もありますし、(余裕があれば)プレビューを書く時にでも妄想を爆発出来たら良いのかなと思っています。

コンセプトを表現する為に その3.要注目選手

 以上を踏まえた上で、中断期間明けに期待したい選手を挙げて見たいな、と思います。シーズン開幕前の記事で挙げた選手は敢えて外して書いてみます。もしまだご覧になっていない方がいらっしゃれば是非↓

・武藤雄樹
 言わずと知れた「がってんゴールハンター」(今名付けてみました)も怪我でシーズン開幕から乗り遅れる形となりましたが、幸いにも中断期間のお陰で消化試合も少ない状態で復帰をする事が出来ました。彼に期待したいのはゴールを決めてがってん寿司のサービスがたくさん受けられるようになる事・・・は少しありますが、前線での活動量をどれだけ増やせるか。
 例えば、杉本健勇とのコンビは見てみたくもあるのです。どちらもオールマイティにタスクをこなせる選手でありながら、個性も微妙に違う。その二人が左右を入れ替えながら中盤を助けてゴール前に突き進むシーンが見てみたい!と思います。

・山中亮輔
 
2戦連続でスタメン出場となった山中ですが、昨シーズンのウイングバック的タスクから解放された今シーズンはキック精度のみならず仙台戦で見せたスプリントなど攻撃時に大きな貢献を見せています。対人守備に少し怖さはありますが、そのデメリットを補って余りある攻撃時の貢献と、上で書いた偽サイドバック的配置を取る事のメリットをもっと大きく表現できる様になれば、浦和レッズでの立場も盤石になるのではないかと思います。
 湘南戦で見せたキック精度と、射程距離の長さは浦和レッズの今シーズンを占う上で非常に重要なものになるのでは、という予感がしています。

・武田英寿
 今シーズンから加入したニューカマー、練習試合やトレーニングでも良い動きをしているらしいという話はちらほら聞きますが、ここはやはり右サイドハーフとして関根のバックアップがどれだけできるか、という所に期待したいな、と。実際のプレーはまだ見ることが出来ていないのですが、(レギュレーションに変更が無ければ)ルヴァンカップでの躍動が見られるのではないかと。プレー集とかオススメのものがあれば、是非情報下さい!

・トーマス・デン
 シーズン開幕前に滑り込み加入した期待のディフェンダー。チラ見したプレー動画では安定したボールタッチと身体能力の高さでビルドアップや迎撃守備、空中戦で力を発揮してくれそうな雰囲気。ただ、撤退守備や対人守備についてはプレー動画を見ることが出来ていないので未知数なところもあります。
 加入して間もない事もあって、フィットするまでに時間がかかるかもしれませんが、タスクを明確にしてあげて橋岡と右サイドを封鎖するくらいの活躍を期待したいところです。

おわりに

 中断期間を利用して書いてみよう!と思い立ってからチマチマと書き始めて1週間・・・なんとか形に出来ましたが、毎度のことながら「ここはセオリー的にはこうなんじゃない?」「この選手の組み合わせなら出来るでしょ」「ちょっと見方が甘いよね」みたいなご意見がございましたら、どんどんご教授頂ければ幸いです。
 中断期間も延びてしまったので、少しずつでも言葉にして残していければと思いますので、これからもネタを探してツイ廃・・・じゃなかった、色々と巡回してみようと思いますので、みなさまどうぞよろしくお願い致します。

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