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【兆しアリも道半ば】J1リーグ 第2節 浦和vs東京V 雑感【疑念を抱くのは早い】

サッカーを愛する皆さん、こんにちは。
サンフレッチェ広島に圧殺された開幕節から早くも一週間、ショックを払しょくするにはいささか短い期間ではありますが、それでもサッカーは進むし、次の試合は来ます。
広島とは趣が違いますが豊富な活動量をベースに置いている東京ヴェルディを5万人超の観客を収容した埼玉スタジアムに迎えた第2節は辛うじての引き分けとなりましたが、開幕節と比較してこの試合で何が起きたのか考えていきたいと思います。

スタメン


浦和のスタメンは前節同様。ベンチメンバーに多少の違いがありましたが前節では途中出場で攻めの光明となった前田直輝は発熱により欠場、ソルバッケンはコンディションが整わず、という状況だったようです。IHの交代要員として前節と同様なら岩尾と中島翔哉が控える、という形。

ざっくりとした試合展開

浦和ボールから始まったこの試合は東京Vのビルドアップ阻害から。2トップの一角がCBの間に入りもう片方がグスタフソンを見る事で左右を分断したい趣。SBへ追い込むことで狩場としたい感じ。
浦和のビルドアップは東京Vのビルドアップ阻害に対して西川を使える状況だったこともありSBへの配球ではなくCBのキャリーから4-4-2のブロックの隙間に顔を覗かせるIHへの配球やグスタフソンを経由して左サイドの渡邊凌磨、小泉、松尾の3人でサイド深くまで侵入するなど東京Vの配置や仕組み由来ではあるものの広島戦より窮屈さを感じない展開が続きました。
浦和の守備時の基本的な配置はIHの片方が上がる事で4-4-2風味のブロックを形成する形も、ビルドアップ阻害自体に強度と連動は無く、前2枚が浮きがちとなってしまう事で構造自体に強度は感じられませんでした。
後半に入ると小泉と関根のポジションを入れ替え。49:20頃に小泉とグスタフソンの関係から酒井宏樹が深くまで侵入できた場面をはじめ、左右ともにスムーズさが出るように。
61分に関根、小泉、サンタナに代えて岩尾、大畑、興梠を投入。渡邊凌磨を右WGに移動させます。渡邊凌磨は小泉が果たしていた仕事をこなしつつ酒井宏樹のポジションを上げる助けに。
73分には松尾に代えて中島翔哉。基本位置は左WGですが、インサイドへの侵入する傾向を持つ中島と入れ替わるように左大外に他の選手が侵入していく形。ポジションを動きながら大外を駆け上がる大畑への配球は何度も見られました。
81分にはグスタフソンに代えて高橋を投入。本格的に4-4-2へ。
何度も前線への配球を見せた中島からのプレーと大畑の活動量からチャンスを作り続けてPK奪取。スコアを1-1として試合終了の笛を聞くことに。

思った事

前節でも軽く触れましたが、4-1-2-3(4-3-3)の基本配置ではWGとSBが幅を大きくとる形でビルドアップをスタート、SBはCBのライン(or相手ファーストプレスライン)とほぼ同じ高さを維持し、IHは下がりすぎず相手DFラインの裏へのランを求められています。その上でWGへ早めの段階での配球を目指す格好。
2試合を経て見て取れたのは広島戦のようにハイプレスを敢行してくる相手には自由にできるスペースを作り出せない場合はボールの逃げ道を用意することが難しく強いストレスを感じる事に。逆にラインを高く設定せずにリアクションの強度で守る東京Vのような4-4-2ブロックに対してはスペースを与えられている一方で中央へのパスルート設定に苦慮する形。
ディフェンス時にはCFか片方のIHがプレスのスイッチ役を担いながらビルドアップ阻害を目指しますがファーストプレスでワンサイドカットを志向するものの2の矢、3の矢の連動と追い込みが不足することで配置上出来上がるスペースに対してのアクションが遅れ続けているように思います。ある程度配置を取れている場合はIHの後ろのアンカー脇とも呼ばれるスペースに対してはCBが迎撃姿勢を取ることでケアしていますが、CBはSB裏への配球へもケアする動きを取っているため裏への配球を狙われ続けた結果としてWGのプレスバックをどうこう以前にSB周辺のケアのためにIHやWGが初期位置を下げざるを得ない状況を多く見ることになりました。
この辺の初期配置と狙いが減少として表れてきていない、という状況が現在地ではありますが、自分たちの状況ややり方にフォーカスして消化する方向にベクトルが向いているような感じはコメントからも読み取れます。
相手の挙動に対してどのように調整していくのか、という部分は広島戦と東京V戦での変化から模索し続けるのだろうな、という印象はありますがグスタフソンにはチーム全体と繋がっている雰囲気を強く持つ一方でビルドアップ時にキモとなる両SBとIHについては半径5mでの駆け引きでの難しさからスタックポイントとなっている印象も受けます。結果としてサンタナがどのように振舞うべきか、能力を活かせる状況をいかに作ってあげられるかという部分でしわ寄せがきているのだろうと思います。
広島戦も東京V戦もスタート時の配置ややり方に大きな手を加えなかったのはチームとしての安定性を意図したものだと思いますが、結果的に安定性を多少犠牲にした結果として押し込んで期待するファイナルサードでの振る舞いを見る事が出来た事をどう捉えるべきか。
5節を終えるまでは結論を出さないようにしようかとは思っていますが、次の札幌戦に限らず5節までは強度を高く発揮する傾向のある、しかも3バックのチームが続きます。東京V戦で表現された現象を再現することは難しいだろう、という前提の下で見ていく必要がありそうだな、と思っています。

なにはともあれ、強い気持ちで。

まずは一勝を勝ち取るところから、一歩ずつ。

期待を膨らませる意識は持ち続けていきたいなと思います。

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