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【仲間を見つけた】面白法人カヤックが戦術的ピリオダイゼーションを活用しようとしているらしい【興味津々】

みなさまこんにちは、くろだと言います。
レッズの試合の感想が滞っている状態ですが、面白そうな話を聞いたのと、ちょっと触発されたので、思うがままに書いてみようかと思います。

去る9月16日に、面白法人カヤックのwebイベントで戦術的ピリオダイゼーションを人事に活用できないかというテーマで語られていた内容を拝聴しました。

かくいう僕も、戦術的ピリオダイゼーションの考え方に触れてから自社にも活用できるのではないかとここ2年くらい悶々と考えているクチなので、共感できる部分も多く、非常に学びの多いイベントであった事は声を大にして言っていきたいと思います。

(こちらは僕がフットボリスタ・ラボでインタビューを受けた時の記事です)

戦術的ピリオダイゼーションを導入しようとする際の問題

このイベントでは前半で戦術的ピリオダイゼーションについて仕掛け人でもある面白法人カヤックの人事を担当されている三好さんの説明をパネラーの方々が頭に「?」を浮かべながら聞き込んでいる様子が見られました。
それもそのはず、4局面の話であったりゲームモデルを起点としたプレー原則の話をそのまま実際の企業活動に取り入れようとしても実際の事業活動のフレームと解像度が全く違うからです。

4局面(攻撃・ネガティブトランジション・守備・ポジティブトランジション)の話だけ見ても実際の企業活動のステップの細かさと比較するだけでもどの様に認識を寄せたら良いのかという部分で悩みに直面します。
実際に関わる人数を比較しても、サッカーではプレイヤー11人と監督やスタッフ含めてもそれほど大人数でサッカーに携わる訳ではない中で、実際の企業活動では数千から数万を統括する企業もある訳です。
実際に、我が社でも取り入れようと想定しているのですがこの部分は早々に認識を変える必要があると判断しています。

では、どうやって戦術的ピリオダイゼーションを企業活動に取り入れたら良いか。
その為には戦術的ピリオダイゼーションを採用する際のメリットに目を向けてみる必要があるのではないかと思いますが、ざっくりと書くと以下の通りなんじゃないかと思います。

【戦術的ピリオダイゼーションを企業が導入するメリット】
・ゲームモデルという統一された指針を共有する事によって意思決定を助ける(各人の意思決定がバラバラにならない)
・「サッカーはサッカーをする事でしか上手くならない」という思想をベースとした効率的な育成
・ゲームモデルという大方針に対してツリー下流のプレー原則を適宜調整する事によってリソース由来の限界との乖離を防ぐことが出来る

イベント中で三好さんが語っていた内容からは上記のメリットに目を向けて魅力を感じている事、業務の切り分けについてもそれぞれが相互作用しつつ、個別に切り分ける事は実際には難しい事を認識している事が良く分かりました。
ただ、その先は・・・?という部分に課題を持っているんじゃないかな、と。
今回は「人事・採用活動」という部分にフォーカスしていましたが、一つの業務サイクルに絞って適用しようという部分が難しくさせていたんじゃないかなと個人的には感じています。

というのも、人事・採用活動は企業活動の一側面であり、人事・採用活動の先に社員教育や事業活動に関わるフェーズが待っているからなのですが、人事・採用活動が持つべき指針の上位に来る大指針は会社としてのゲームモデルがあるべき、と言えるからです。
ここで大事になってくるのが山口遼くんが書いた「戦術脳を鍛える最先端トレーニングの教科書」で触れられていた「システム・サブシステム」の考え方なのですが、面白法人カヤックという大きなシステムの中の「人事」というサブシステムとしての位置づけのもと、他のサブシステムとの相互作用を考えた上での採用活動、および教育訓練、事業活動まで包括した上での導入を想定する事がシステム上の歪みやバグを回避するための一つの考え方になるんじゃないかと。

実際に想定して見ると考えるべき情報の量が多すぎてそれぞれのサブシステム同士、さらにそのサブシステム内のサブサブシステム内での相互作用を想定、そのサブサブシステム自体も他のサブシステムとの相互作用があると想定すると脳みそがオーバーヒートしそうになりますが、少しずつでも固めていきながら進める事が重要なんだろうなと思っています。
それこそ脇真一郎さんの著書「プレー経験ゼロでもできる実践的ゲームモデルの作り方」でも紹介されていましたが適宜アップデートを行う、という方向性で作り込む事も可能です。
むしろ、大きなシステムの運用にはこの保守や改修という作業は切っても切り離せないものでありますし、そういう意味ではソフトウェアを開発する企業なら感覚的につかめる分、親和性は非常に高いのではないかと思っています。

また、ゲームモデルを起点としたプレー原則の設定についても悩みとなるであろう部分が実際の施策やそれぞれのスタッフのスキルや意思決定の解像度の整え方です。
サッカーにおいても、この部分で難しく感じる人が多い印象ですが(実際はどうなのか知らないので詳しい人教えてください)、スキルと技術という話以前に現象ベースで考える必要があるのだろうな、と自社への適用を考え続けるうちに思うようになりました。
策定においてはフェーズの区分けの仕方に依る所が大きいと思っていますが、運用上ではプレー原則のツリー下位に位置するそれぞれの人員のスキル構成を、どのように働きかけて向上・変化していくのかという部分を考えなければなりません。

戦術的ピリオダイゼイーションが語られる中でほぼセットとなって紹介される「サッカーはサッカーをする事でしか上手くならない」という言葉ですが、育成上この言葉が非常に重要となります。
サッカーをする上でボールを止める、蹴る、対面守備での身体の位置と向きはという事を常に言い続けるという事は困難かと思います。
環境における負荷条件、制約条件を設定する事によって「自然と」そうなる様に仕向けるという運用側の意識がない事には育成過程上のステップが煩雑になってしまうでしょう。

もちろん、企業活動においてもそうです。
それぞれのスキルセットやフェーズ、ステップ、作業単位に対して個別に詳細な指示を続ける事で部下のモチベーションを下げてしまった、なんて経験に身に覚えのある人も少なくないでしょう。
少なくとも、策定の段階ではスキルセットや資質については非常に高い解像度で捉える必要ありますが、運用される主体であるスタッフや社員に対してはその全てを認識させる必要はありません。
全てを認知した上で企業活動に臨むことが出来るだけの資質を持つ社員であれば良いですが、大体は認知負荷に対応出来ずにノッキングを起こしてしまうでしょう。
なので、実際に導入しながら運用していこうとした際には社員の新陳代謝のサイクルにもよりますが、この育成上のシステム化というのは非常に大事な部分であり、キモとなる部分なんだという認識で捉えています。
使い古された言葉ではありますが「人は石垣、人は城」なのです。

さいごに

だいぶ大雑把な感じで書き進めてみましたが、もっと詳細にお話したい方がいらっしゃれば、是非感想と一緒にDMなりコメントなり頂ければ嬉しいです。
僕自身、まだまだ自社に対して解像度高く作り込む事が出来ている訳ではないので足りない部分もありますし、教育課程においてより効率的な育成に対しての考え方ややり方など知らない事がたくさんあると実感しています。

これからも、より良い組織を作っていくために色々と教えて頂ければと思っていますし、考え方をアップデートしていかなければならないと考えています。
思うがまま書いた事によって、言いたかったことが漏れてしまっている様な気もしますので、改めて整理して何か書けたら良いかな、とも思っています。

今回、面白法人カヤックが戦術的ピリオダイゼーションを取り入れようとしている、と教えてくれたfootballista誌の編集長でもある浅野氏と、非常に興味深く、実際にとても面白いイベントを開いて頂いた面白法人カヤック方々への感謝の言葉で、この記事を締めさせていただければと思います。

本当に、ありがとうございました。
これからも面白い話をたくさん聞かせて頂ければ幸甚です。

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