マニュアルって、本当に悪なの?~製造業男子のひとりごと~
みなさんこんばんは、くろだです。
今日は暖かったですね。まだ2月なんですが。
まだ2月なんですが。(大事な事なので以下略)
春節も明けて、年末決算だった企業の決算発表も間近に迫っています。
新型コロナウイルスの影響で年度末決算の企業は決算発表が延期になる可能性も出てきていますが、新年度に向けた動きは各企業さん出てきているのではないかと思います。
うちの会社は幸いにして大きな影響は受けていないですが、、、いや、受けてます、嘘つきました。中国が半導体業界をけん引しだしてから自社製品は販売していませんが、業界としては大きな影響を受けています。
なにはともあれ、早く鎮静化してくれることを祈っていますし、罹患した方々が少しでも早く回復する事を祈っています。
「マニュアル化」の意味
さて、先日、社内でこんなやり取りがありました。(という設定)
僕 「うちって、社内の教育プログラムとかちゃんとしたやつ無いじゃないですか。というか基盤になる社内マニュアルすらないですよね。あったらもっと仕事がスムーズになると思うんですよ」
社員 「マニュアルも良いんだけど、マニュアル人間になっちゃうといけないと思うんだよね」
僕 「でも、新人教育とか見ていても個人の努力に依存しているじゃないですか、それでモチベーション落として辞める子だっているし、この先それじゃ人材の無駄遣いが続きますよ」
社員 「分かる、分かるんだけどね。マニュアル作るのは良いんだけど、それしかやらなくなるじゃない?」
僕 「・・・・・・・・。」
さて、皆さまはこのやり取りを見てどう思ったでしょうか。
正直、僕は少しイラッとしていたと思います。(という設定)
これはあくまで設定ですが、自分の新人時代でも似たような事がありました。
うちの会社は新人時代は営業の先輩の業務を手伝いながら、色々な事を覚えていく、という形を取っています。先輩の仕事の仕方を見ながら、それぞれ固有の考え方や指示の仕方、工場とのコミュニケーションの取り方などを見て、良い所は取り入れて、悪い所は反面教師にする、という具合です。
どちらかと言うと「THE 下積み」といった趣ですね。
やっていて驚いたのが、各人が本当にバラバラなやり方をするのです。
客先への納期回答と工場への納期指示のマージンの取り方から価格設定の粗利配分、客先との工程のすり合わせなど、そのやり方は各人それぞれに委任されている状態だったのです。
共通するノウハウがあるのかなー?と様子を伺っていたのですが、それを見出す事も難しかった。
本当に共通するものを見出そうとすると工場の能力という根本の部分にぶち当たる、という始末でした。
さて、こんなカオスな状況でどうやってマネジメントをしましょう。
困りますよね。会社としても原価率とか棚卸額とか気にする数字は沢山ある訳です。営業活動の結果として売り上げがあり、その成績表として決算で数字が突きつけられるわけです。
そんな思い思いの営業活動でちゃんと管理出来るはずがありません。
そんな状況を少しでも整えたりしたいと考えた時に、マニュアルは非常に便利です。業界では「標準化」という言葉で語られる事も多いですね。
標準化、大事です。自社の社員としてのベースラインを設定できますから。
でも。
でもですよ。
マニュアルって、そんな扱いだけで良いもんでしょうか。
というわけで、もう少し掘り下げてみたいなと思います。
マニュアルはプロセスを短縮するツールである
マニュアルには先にも書いた通り、従業員のスキルのベースラインを設定できる、というメリットがあります。
が、それ以上にメリットとして認識しておきたい事があります。
それが「プロセスを短縮できる」という事です。
例えば、マニュアルとして案件ごとの進捗フローチャートを作るとしましょう。どのラインまで追いかけて良いのか、どれくらいの頻度でフォローを入れるべきかと、そしてその判断基準を設定したとしましょう。
それまでは「お客さんからの情報が無いと判断できない」という受け身だった状態から「このレイヤーの情報をまず取りたいから動きを考える」という主体的な思考に誘導できるルートが出来ます。
そして、受け身よりは主体的に動ける方が案件に対する成否判断とその結果(またはある程度のレベルの推測)を基にしたアプローチの調整までのサイクルが短縮できることになります。
情報取得にかかる時間を短縮するというのは情報が命綱の営業としては非常に大事な事です。
そのサイクルを早回しする事が出来る事によって、判断基準の精度の向上が期待できますし、案件受注の成否判断にかかる時間を短縮する事によって受注に繋がらない案件に無駄な時間をかける事も無くなります。
一般に「マニュアル」と聞くと作業指示がズラッと並んでいるテキストを想像する人が多いかと思いますが、少しレイヤーをずらして考えるだけで、とても柔軟なものとして活用できる、という事が分かると思います。
そして、この「早回し」を可能にするという点が別のメリットをもたらしてもたらしてくれるのですが、それはまた別の記事で書こうと思います。
※この記事中で例示したものは「そういう設定」です。実在の組織・人物には関係ありません。(という設定)
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