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【横浜FCvs浦和】J1第7節 感想【あなたが私にくれたもの】

あなたが私にくれたもの、たまに来てくれるいい知らせ
あなたが私にくれたもの、後輩に継がれる広い視野
あなたが私にくれたもの、これからのための強い顔

連戦もひと段落、もう目の前に迫っている第8節を前にして皆様はどうお過ごしでしょうか。
少し遅くなりましたが、先週日曜日に行われた横浜FC戦について感想を書いていこうかな、と思います。
冒頭みたいに進めばいいなー、という希望も仄かに・・・

浦和としてはこれまで出番の少なかった鈴木大輔と槙野智章が先発に名を連ねたのと同時に、柏木が右サイドハーフでの起用とこれまでになかった起用をしたことで興味深い一戦となりました。

試合展開は非常に見ごたえのあるもので、それもお互いが目指しているところを表現しようとした事が大きいと思います。
今シーズンの浦和は相手のいい所を消しにかかってくるチーム相手には弱さを見せる傾向がありますが、横浜FM戦や今節の様にぶつかり合ってくるチームに対しては良いパフォーマンスを見せてくれるように思います。

詳細なレビューに関しては他の方に譲るとして、今節においては以下の3点について書いていこうと思います。
ご照覧いただき、ご指摘など色々頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。

今節でベテランが果たした役割

今節はベテランの奮闘が非常に印象に残る試合でした。
興梠選手は相変わらず非常に広い範囲で中盤のサポートやプレッシングへの参加で貢献しており、中盤の青木選手と共に柏木選手が空けがちなスペースをカバー、先制点の起点となるなど獅子奮迅の活躍だったんじゃないかと思います。後半途中で背中を痛めたと思われる交代がありましたが、状態が非常に気になります。
今シーズンは、同じようなタスクを担える選手として杉本・武藤の両名がすぐに思いつくなど層の厚さを感じますが、タスクの精度という部分で考えてみると欠場となった場合のダメージは小さくありません。

柏木選手については事項に書きますが、今節は鈴木・槙野の二人の奮闘も非常に大きなトピックでした。
もともと能力の高い二人ですから今節の活躍は当然と言えますが、今シーズンの浦和の重心と、トーマス・デンという選手の存在が二人の出番を制限してしまっているというのも仕方のない事だと思っています。
鈴木選手はカバーリングというよりは迎撃守備に強みを持っている選手ですし、槙野選手についても比較的重心の高いポジションを取る傾向がある事から起用されるとしたら左サイドバックとしてだと思っていましたし、そのポジションには汰木との関係性も含めて走力を活かせる山中を起用する事が多い為出番が少なかったと言えるのではないかと思っています。

ただ、今節については先発に関根を配置した事から左サイドの威力を最大化するという事ではなく、柏木を起点とした攻撃に比重を割いていた事からも左サイドにおいても槙野が山中が駆け上がった後の予防的カバーリングとしての仕事を果たす一方、浦和の右サイドが主戦場となった事から本来のセンターバックとしての仕事に集中する事が出来た事も大きかったのではないでしょうか。

柏木を起用した事によるトレードオフ

今節においては、柏木を右サイドハーフとしてスタメン起用した訳ですが、それまで右サイドで起用されていた関根や長澤、マルティノスやファブリシオといった面々とは全く違った特徴を発揮し、主に攻撃面で大きな貢献を果たしていました。

ただ、右サイドでは、アウトサイドは橋岡が主戦場として松尾とのマッチアップや機を見ての駆け上がりなど攻守に奔走していましたが、柏木はハーフスペースで仕事をする事をタスクとしていました。
長年、浦和を追っている人ならお馴染みだとは思いますが、単位時間あたりの行動半径が狭い柏木を配置する事によるデメリットというものも存在します。

23分に橋岡のクロスをGKにキャッチされてからのピンチまでの一連や40分に関根と左右を入れ替えた後にマギーニョへの展開をカットしきれなかったシーンなどはその象徴的なものですが、ネガティブトランジション時に比較的広めのスペースを相手に与えた状態で柏木が対応しなければならない状況に置かれた時には高い確率で深くまで侵入されてしまいます。
今節では青木や鈴木大輔がディフェンス時にカバーする事によってどうにか均衡を保とうと奔走していましたが、柏木を起用する時のディフェンス時、特にネガティブトランジション時の設計というのはリスク管理の面から見ると非常に気を遣う所なんじゃないかな、と思います。

とはいえ、柏木を起用する事によるメリットが大きいと見たからこその起用でもあった訳で、それが今節の先制点にも表れています。
一美の惜しいトラップから浦和にボールが渡り、(おそらく)西川の配球を受けた興梠が柏木に渡して、関根に展開できたシーンなどは柏木がハーフスペースやセンターレーンでボールをクリーンな状態で受ける事が出来た事によるメリットを大いに享受できたシーンと言えるのではないでしょうか。

また、柏木はトランジション時にボールの受けどころとしても機能していて、個人能力での打開は望めないものの、チームのビルドアップに置いては非常に機能的な働きをしていました。
これは横浜FCがある程度スペースを用意してくれるブロックを組んでいた事もありますが、その配給先についてはその先の展開にクリーンさが担保される様な関わり方をしていて非常に良かったと思います。

前節のレビュー辺りから山中のセンターレーンへの侵入について触れていますが、柏木の展開力であったり、受け渡し方であったりの部分を彼が身に付けたとしたら山中が右サイドハーフとして起用される事も大いにあるのではないかな、と思える機能でありました。

試合終盤に見せたオプションの香り

そして、試合終盤に大槻監督が「5枚!5枚!」(意訳)として大いにぶちまけていた配置についてですが、試合展開を考えると逃げ切る事を考えていた可能性は排除できない(横浜FCにポケット攻略は絶対させたくなかったはず)ながらも、とうとうウィングバックを配置する5-3-2、もしくは3-4-1-2への舵を切るのか!?とドキドキしました。

今節の動きとして、青木がビルドアップ時にバックラインに参加して「3」を形成する事もあり、その際には両サイドバックが開いて幅を取るなど、かつてのミシャ時代への回帰に向かうのでは?という予感も感じさせつつ、柴戸にインサイドハーフ的な仕事も経験させようという采配なのではと少し先走った感情を抑えきれない所でもあります。

実際に、今節ではしっかりと配置を取った時にディフェンスラインには左から槙野、鈴木、橋岡の並びでウィングバックに山中、武藤という並びだったので本来の配置ではない状態も含めて試行錯誤の段階なのだろうとは思いますが、これから先のマイナーチェンジ、そして相手の配置に対してどの様に優位を取れるかのテストとしては非常に良かったのではないかと思います。

もちろん、2点目の柴戸のアシストに関してはフレッシュな柴戸だったからこそあそこまで走れた、という部分はあるにせよ、タイミングよく前への圧力をかけることが出来たら強度を出せるという部分で攻め手の候補として有用なものでったのでは、と思います。

ただ、トーマス・デンを起用した際にこのオプションが使えるかどうか、という部分で考えると非常に難しいのではないか、という気もするので相手により、そして試合展開に寄るのではないかな、という所で噛み合わせが非常に重要だなと思いながらロマンを胸に今度の清水エスパルス戦を待ち望むのであります。

最後に

というわけで、横浜FC戦について語ってみましたが、足りない部分はきっとたくさんあります。
ので、たくさん教えて欲しさあります。
ここら辺、もっと掘り下げてよ!
であったり、ちげーよ、見るべき優先順位はここでしょ!とか。
ご指摘いただいて勉強したくありますので、どうぞよろしくお願い致します。

ではでは、また近々。

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