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【開幕!】揺らぎを狙え!【2020年 J1リーグ 第一節 湘南ベルマーレvs浦和レッズ】

 チャーシュー麺は完全食です!(挨拶)
 とうとう開幕しました、今年のJ1リーグが!
 パッと予定が空いてしまったので、飛び込みでBMWスタジアムまで行きました。スタグルとビール、そして出張で来ていた福島ユナイテッドのブースで飲んだ日本酒で満足した後に踏み入れたピッチの光景は最高でした!
 芝の輝きを見て、ナイターの試合はこれが好きなんだよなぁ!って気持ちを思い出させてもらいましたね、、、最の高じゃ、最 of 高じゃ、最 and 高じゃ、、、

 さて、先日のルヴァンカップのレビューでは4-4-2以外の配置を取るチーム相手にどれだけの動きが出来るかという部分に注目したい、という事を書きましたが、この試合は今シーズンを占う試金石として非常に見応えのある試合でした。
 詳細なレビューは他の方々にお譲りするとして、ポイントとなりそうな部分をいくつか紹介させて頂ければと思います。

スタメン

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 浦和はルヴァンカップからの変更はFWの杉本健勇のみ。興梠慎三がスタメンとしてレオナルドとコンビを組みました。
 湘南はルヴァンカップから6人を入れ替えます。試合展開を見ると、対浦和用に調整してきたと思われるメンバーでしたが、特に攻守のつなぎ目として機能していた山田直輝に苦しめられることになります。

1失点目に見るトランジション時の守備の問題

 この試合は湘南、浦和ともに左サイドでの攻防を目指して設計をしている様に見えました。試合の立ち上がり、浦和の左サイド奥にボールを配給し下がらせたり、浦和のGKからのビルドアップ時に鈴木へのパスコースをふさぎながら右サイドへのロングボールを選択させたところから浦和が失点します。

1失点目


 ネガティブ・トランジション(守備への切り替え)時の陣形回復の順序として、浦和はこのシーンを見るとバックラインから順番に整えていく指向を持っている様です。この点は直接的には噛み合わせとは違う問題ではありますが、ネガティブ・トランジション時に撤退しながら陣形回復を図った際の予防的カバーリングが機能しなかった(または用意していなかった)事によって、後手に回る局面が連続してしまった事が原因なのではないかと思います。
 この点は、浦和のボールサイドに寄る挙動がもたらすリスクに対してしっかりと対策を取る必要があるのではないかと思います。

Q:配置の噛み合わせをどう解消するのか 
A:相手のディフェンスラインを背走させよう!

 浦和と湘南では基本配置を見た時に非常に噛み合わせが悪い組み合わせとなっていました。
 浦和はコンセプトの通り全体的にベクトルが前向きですが、3バックに対してプレスをかける時に2トップでのプレスでは数的不利な状態となります。加えて、湘南は山田、福田、斉藤の3枚が中盤に構えており、第1プレッシャーライン(一番前のプレス)を抜けた先に中継地点として有効なポジションを取っていました。

 湘南はこのDFとMF合わせて6枚を有効に使いながらボールサイドに寄った状態からのトランジションにおいても有利な展開を維持する事が出来ました。逆に、浦和からするとボールサイドに寄った状態でどうにかして即時奪回を目指したい所でしたが、うまくかわされて逆サイドへの展開を許す事になりました。
 そして、湘南の配置の優位性はビルドアップ時の噛み合わせ以外にも、前進した時でも大きく現れる事になります。要素を書き出すとすると、大まかに3つ。

・両WBの位置と中盤の位置の連動によってボールの逃がし場所を作る
・浦和の守備ブロックが整備されそうな時、サイド深くに配球
・押し込んだ際にはFWへのパスコースを切る配置

 湘南は攻撃時の位置がどの高さにあっても浦和の守備及びトランジションを阻害する様に振る舞い、浦和は湘南の配置と素早い守備に苦しめられて中々前進する事が出来ませんでした。そんな中でも、浦和は攻撃時にいくつかの工夫を見せています。

・汰木と山中の縦関係での前進
・ビルドアップ時、柏木が中盤の底に顔を出しての配球
・トランジション時、左サイドからの早めのクロス・・・など

 ディフェンスラインからのロングボールや縦パスで興梠やレオナルドがターゲットとなり、そこに2~3人が関わり細かいパスでペナルティエリア内への侵入を試みたりはするものの、中央の厚い守りに阻まれて中々シュートまでいきませんでした。
 ・・・が、早めのクロスが入りだした辺りから浦和の2次攻撃を見るようになり、攻撃の流れが変わってきた雰囲気を感じました。トランジション時にフリーに近い状態で山中や汰木がボールを受けることが出来るようになってから湘南のバックラインが背走した状態に対して配球が出来るようになり、そこから浦和の1点目が生まれました。
 リスタートからのインテンシティが上がり切らない瞬間を突いたものではありますが、山中から汰木へWB裏への配球により湘南のディフェンスラインは背走しながらクロス対応を行う事に。これに興梠がしっかり反応し、同点に追いつく事になります。

浦和の後半での修正

 大槻監督が試合後の会見で語っている通り、湘南のビルドアップに対してのプレスの仕方が前半途中から変わっています。それほど落ち着いた試合展開ではありませんでしたが、2トップのプレスのかけ方に変化がありました。後半開始直後の挙動が明確に見て取れる所だと思いますが、サイドへの追い込みを意識したコース取りを行うようになっていました。
  そこにSH、またはSBが縦に加速をしながらアタックをする事によりボールを追い込んだ先の自由度を削ってやろう、という事だったんだと推測しています。
 それも、攻守の切り替えの激しさの中で表現する機会が少なかったのですが。

最後に雑感

 総括的ではありますが、この試合において4-4-2以外の配置の相手との初めての試合としては、まずは勝利で追われた事は非常に良かったのではないかと思います。
 ・・・いざ書いてみると主導権を握って勝った、という実感が無かったので目についた課題を並べる結果になった事は良い事なのか、悪い事なのかは分かりませんが。
 今回の記事では、たられば理想論は全く入れない様に意識しました。
 もし、この記事を読んで頂いた方の中で「もしかして、こういう筋があったのでは?」と思っている方がいらっしゃれば、是非ともお話したいです。

 ・・・そして、新型コロナウイルスの影響でJリーグの各試合が延長する事が決まった、との報を受けて、いち早く収束に向かう事を祈るとともに、皆さまのご健勝を祈念して。

 ・・・そして、Jリーグの試合が無いという事は、もっと深掘りしても良い、という事だと勝手に解釈しましたので、いくつか「たられば理想論」を書ければ書いてみようかな、とも思っています。

 皆さま、その時はお暇つぶしにでも使っていただければ幸いです。

P.S オルンガとの遭遇は、ほんの少し未来になってしまいましたが、何故かオルンガをガン見する記事を書く事になったっぽいので、それも併せてお知らせします・・・なんでや!


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