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【浦和vs徳島】スイッチャー不在と消えたキーマン【J1リーグ 第9節 感想】

サッカーと赤菱を愛する皆様、こんにちは。
前節では鹿島戦で見せた4-1-4-1の挙動の中で西のポジションに関して早速制限をかけられる形となり、お互いに窮屈な試合展開の中でも人数のアンバランスを逆手に取ってストロングポイントで勝負をやりきった浦和に軍配が上がりました。

今節では昨シーズンまでリカルド・ロドリゲス監督が指揮を執っていた徳島ヴォルティスとの一戦ということもあり、一部では「リカルド・ダービー」とも言われていましたが、ビルドアップに始まり理性的な試合運びという面で徳島ヴォルティスに一日の長がある様な試合だったと思います。
連戦による疲労の影響か岩尾がスターティングメンバーから外れていましtがが、試合開始から岩尾が出場していたら違う試合展開になっていた可能性もあるな、と思いながら今節を振り返ってみようと思います。


スタメン

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【浦和】
前半11分 武田(英)⇆杉本
後半40分 武藤⇆柴戸
後半50分 関根⇆宇賀神

【徳島】
後半0分  垣田⇆河田 鈴木(大)⇆岩尾
後半18分 藤原⇆杉森
後半27分 鈴木(徳)⇆小西
後半36分 渡井⇆浜下

試合雑感

試合序盤、浦和は前節と同じく4-1-4-1的布陣で、守備時は武田(英)が上がり4-4-2的な配置で試合に臨みました。
早々に武田(英)が負傷してしまいますが、その前の挙動を見てみると相手のビルドアップに対してサイドへの誘導、ボールサイドのフォワードがバックパスのラインを切りつつもう一人のフォワードが奥へのパスコースを消すような形、追い込みながら刈り取りたいという意識でいた様に思います。
武田(英)が負傷し、杉本が入るまでの小泉の動きからしても基本的にミドルサードでの追い込みから相手の選択肢を削りつつアタッキングサードへ侵入された時にもディフェンスラインが整っている事で安定性を確保する仕組みを基礎として相手の決定機に対するリスクを管理するという志向は伺えました。武田(英)が負傷交代した事によって武藤が武田(英)のポジションに入りましたが、その事によってプレスのスイッチャーやポジションの基準が曖昧になり、決定的に崩されたわけではないものの守備の不安定性が増してしまった事で徐々に4-1-4-1的な布陣の要諦が揺らいでしまったのだろうな、と思います。

ビルドアップに関しては序盤は2-1+西+小泉という形でしたが、序盤で西がボールを持った時にアタックに行くのではなくパスコースを消しながら陣形を維持する徳島の動きを見てからは西も積極的にポジションを上げる姿勢を見せる事が増えました。
必然的に、2トップ脇でスペースを享受するのは岩波という事になりますが、その状態で岩波にボールが渡ると徳島の2トップは槙野と中盤へのパスコースをケアしている状態、西はハーフラインで幅を取るものの徳島のサイドハーフをピン止めしているような状態になります。
そこで西が下がってもサイドハーフが付いて来るだけですし、ピン止めしているのか逆に西がピン止めされているのか分からない状態。そうなると徳島のトップがプレスに行きやすくなる、という事で岩波へのプレスのスイッチが自動的に入ってしまうのだろうな、と。
32分辺りでは武田(英)のポジションに入った武藤が下がる事でボールの逃げ道として機能しようと試みますが徳島の追撃にボールを保持する事が出来ずに、窮屈な状態が続きます。これは武田(英)が負傷交代しなかったとしても同様の問題が残っていたでしょうし悩ましい所だったのかな、と。
前半も終盤に移った時には小泉なども同様に岩波からのコースを創出しようと動きますが43分の伊藤(敦)が下がり2トップがアタックの基準を見失った場面になってやっと岩波に有効なスペースと時間が与えられるような感じでした。前半終了間際には小泉が下がる事で2トップ脇からの配球役を担っていましたが、これではこれまでの「小泉が下がる事での前線の強度不足」に対する課題が再燃するであろうと。
そんなわけで、この2トップの脇を誰が使うのか、というのはおそらく今後も課題になってくるのだろうな、と思ったりもしています。

後半に入ると、浦和のプレスの基準が整理された印象があります。
杉本と武藤、小泉が連動して追い立てるシーンを皮切りに先制パンチを狙おうという雰囲気でした。中盤で引っ掛けてから明本がポジトラに備えて前に行こうという意識を見せていましたし、より攻めに対する姿勢を明確にしたと言えるのかな、と。
ただ、ビルドアップ阻害において相手のトップの動きを見ながらポジションを修正する岩尾が非常に厄介で即座に修正されてしまったのは流石だなぁ、と。

今節を見てみると、浦和の先制点に繋がるまでの一連で徳島を相手にした時にはいかにアンストラクチャーな状態を作るか、という部分が勝敗を左右した様な所があって。浦和はバックラインからのビルドアップ時に中盤の選手(特にサイドハーフ)がビルドアップの出口としてどのように機能するのかどうかという話以前にゲートを越えるためのポジショニングが取れなかったシーンが多かったのが一因でもありますが、徳島のそれとは完成度が違った部分の大きな比重を占めていたのかな、と。
結果的にそれが出来るのが小泉であったりここ数節の柴戸であったり、という話だったのかな、と思うので柴戸の負傷交代は非常に厳しいなぁ、と。
ただ、伊藤(敦)にもその仕事が出来るポテンシャルは十分にあるはずですし今後に期待、という所で。

最後に

強い気持ち。
次はセレッソ戦、頑張ります。

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