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[さ]の花

さくら
 そめいよしの(染井吉野)
  erasus × yedoensis

バラ科/サクラ属/落葉高木/樹高~15m/開花3 ~ 4 月
「染井吉野」は、江戸時代末に人がつくった栽培品種と考えられている。生まれた場所は分かっていないが、「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を受粉し作られた単一の樹を始源とする栽培品種のクローンであることが、遺伝子研究の結果はわかったようだ。今、日本全国に植えられている「染井吉野」は、その「染井吉野」を挿し木や接ぎ木でふやした単一の樹のクローンと考えられ、学名をCerasus ×yedoensis ‘Somei-yoshino’と表記される。
それに対して、
「ソメイヨシノ」は、エドヒガン×オオシマザクラを受粉させ作られた種間雑種。学名をCerasus ×yedoensisと表記し、「ソメイヨシノ」は、エドヒガン×オオシマザクラの種間雑種のサクラすべてを表す和名。色、形、大きさなど、それぞれ個性を持った樹で、「染井吉野」と別ものであるという考えが主流? であるようだ?したがって、写真が、「染井吉野」か「ソメイヨシノ」かは特定できない。

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 かわずざくら(河津桜)  
 Cerasus lannesiana Carrière,
   1872 ‘Kawazu-zakura’

バラ科/サクラ属/落葉高木/樹高5~10m /開花3 ~ 5月
さくらは鑑賞用に栽培される種は日本原産のものが多く、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンザクラなど数種を基本として、それらの雑種、交配種を含め300 種以上の園芸種がある。写真は、桜の中でも早咲きの種、河津桜と思われる。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種と推定されている。

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 おおしまざくら(大島桜)
   Cerasus speciosa

バラ科/サクラ属/落葉高木/樹高8~10m/開花3~4月
伊豆諸島特産の桜なのでこの名が付いた。本種とエドヒガンの雑種がソメイヨシノである。 塩漬けにした葉は桜餅を包む葉として用いられる。樹皮を磨くと美しい光沢が出るので、筒などの細工物に利用されている。

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 やえざくら(八重桜)
   runus lannesiana

バラ科/サクラ属/落葉高木/樹高8~10 m/開花4~5月
八重桜は一つの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称。開花時期は、ソメイヨシノが散りはじめる頃。ソメイヨシノ、ヒガンザクラは花が咲いた後から葉が出てくるが、八重桜は葉をつけた状態で花が咲き始める。開花から散り始めまでの期間が比較的長い。
誕生花&花言葉:4月24日、豊かな教養。

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 にわざくら(庭桜)
   Prunus glandulosa cv. Alboplena

バラ科/サクラ属/落葉高木/樹高1~1.5m/開花3~4月
原産地は中国。日本へは古い時代に渡来。庭梅に似ているが一重咲きの庭梅(ニワウメ)の近縁種だが庭桜は八重である。花の色は白またはピンク。

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 じゅうがつざくら(十月桜)Prunus ×  subhirtellacv. Autumnalis

バラ科/サクラ属/落葉高木8〜15m/開花10〜1月、3〜4月
秋から初冬(10月頃)と春(4月上旬)に花を咲かせる。白、または薄紅色の小さな八重の花をつける。花は十数枚で、花弁の縁が薄く紅色になる。萼筒がつぼ型をしている。春は開花期に新芽も出始める。フユザクラは冬に咲き、一重で花びらは5枚。十月桜は八重で花びらは5〜18枚。
誕生花&花言葉:1月12日、冷静。

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じゅうがつざくら03

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 アーコレード
 Cerasus ‘Accolade

バラ科/サクラ属/落葉高木8〜15m/開花期:3月~4月、9月〜10月
ベニヤマザクラ(紅山桜)とコヒガンザクラ(小彼岸桜)の交配種。イギリスで作くられた品種。日本では、秋と春の2季咲く。花は淡紅色の大輪で半八重咲き。春先には特に濃く美しい花を咲かせる。
花言葉:淡泊。

アーコレード02

アーコレード03

アーコレード01


ざくろ(榴)
 Punica granatum(榴) Punica granatum

ザクロ科/ザクロ属/落葉小高木/樹高5~6m/開花6~7月/結実10~11月
ザクロには色々な品種があり一般的な赤身ザクロのほか、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがある。中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている。日本に輸入され店頭にしばしば並ぶのはイラン産、カリフォルニア州産が多く、輸入品は日本産の果実より大きい。
誕生花&花言葉:6月26日、優美、洗練された美しさ。

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サフラン
 Crocus sativus

アヤメ科/クロッカス属/多年草/草丈:15㎝前後/花:10〜11月
小アジアから地中海沿岸。日本へは江戸時代に薬として伝わった。
大きな球根から細い葉が多数出て薄紫色の花を咲かせる。土に植えなくても花が咲くので、水苔栽培などもされる。花の赤いめしべは乾燥させ、料理の色付けや風味付けのための香辛料として使用される。
誕生花&花言葉:10月26日、愛への誘い。

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さるすべり(百日紅)
Lagerstroemia indica

ミソハギ科/サルスベリ属/落葉低木~小高木/樹高2~10m/開花7~9月
中国原産。約100日間ピンクの花を咲かせることが名の由来。滑らかな木肌が露出していて、木登りの上手なサルが滑り落ちるほど、との喩えから「猿滑」とも書く。花はしわしわのピンクの濃淡や白がある。満開になるのは蝉の声が騒がしいころ。
誕生花&花言葉:8月4日、雄弁 潔白。

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サルビア・ガラニティカ
Salvia guaranitica

シソ科/アキギリ属/多年草/草丈120~150cm/開花6~11月
南米原産。耐寒性、耐暑性ともに強い植物。地下茎で繁殖する。日本では、本来サルビア・プラテンシスを指す「メドーセージ」の名で流通しているが、これは日本にサルビア・ガラニチカを輸入し始めた頃に流通業者が間違って名づけたためと言われている。ガラニチカの名前は、原産地の一つであるパラグアイの先住民族のグアラニ族に由来する。
花言葉&誕生花:7月30日、尊敬。

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さんしゅゆ(山茱萸 )
Cornus officinalis

ミズキ科/ミズキ属/落葉小高木/樹高5~15m/開花3~4月
中国と朝鮮半島が原産地。日本には江戸中期に渡来した。葉の出る前に黄色の小さな花をたくさんつける。秋にはグミのような実がなる。乾燥させた果肉を生薬とし八味地黄丸などに利用される。別名、春黄金花(はるこがねばな)木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝く。早春を代表する花木の一つ。誕生花&花言葉:2月14日、成熟した精神。

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さんしょう(山椒)
Zanthoxylum piperitum

ミカン科/サンショウ属/落葉低木/草丈1~5m/開花3〜4月/結実8~10月
枝にはトゲがあり、葉はもむと芳香が出る。春の若葉は、料理で「木の芽」と呼ばれる。熟した実や雄花も食用になり、太い幹はすりこぎとして使われる。「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざは、山椒の実は小さくてもすごく辛いのを、体が小柄でも頭の働きが鋭い人にたとえたもの。トゲがない「あさくらざんしょう」は庭木向きの園芸品種。
誕生花&花言葉:10月22日、魅惑。

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さんしょうばら(山椒薔薇)
 Rosa hirtula

バラ科/バラ属/落葉小高木/樹高1~ 6m/開花5 ~6月
日本固有種。神奈川県、山梨県・静岡県にまたがる富士箱根地区に分布する特有の木。箱根町、山梨県南都留郡山中湖村の花になっている。枝には扁平な棘が有り、葉は山椒に似ている。花が薔薇に似ているのでこの名がついた。夏に大きな硬い棘だらけの実がなる。この実は果実酒に利用される。

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