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本当のプラス思考とは?

最近、人生におけるあらゆる経験というのは無駄なことは一つもないと感じている。

僕のコンプレックスである「3年間浪人して人より遅く社会に出ている」という経験は、浪人したからこそ出会えた友人につながっているし、遅く社会に出たからこそ出会えた尊敬する先輩につながっている。そのタイミングじゃないと経験できなかった仕事もあった。

そう、自分の中で人生最悪の経験と感じていた3年間の浪人という経験すら、振り返ると自分の肥しにつながっているのだ。

本当はもっと前からそうやって考えることに気づいていたはずなのに、人と比べたり小さな自分のプライドが邪魔をして、無駄な経験なんてない、とは心から思えなかった。
周りの人を見ると、挫折もなく順調に生きているように見えてしまい、自分もそんな風に生きてこれたら、なんてことを思っていたが、実際はみんなそれぞれ何かを抱えているのだろう。

そんな中、最近ある小説を読む機会があった。
喜多川泰さんの「運転者」という本だ。

あらすじはちょっと不思議な内容なのだが、その中の一節でとても印象深いものがあった。

本当のプラス思考というのは、自分の人生でどんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要だから起こった大切な経験だと思えることでしょう

喜多川泰「運転者」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年)

今までプラス思考とは、「少し先のことを心配するのではなく、根拠もなくうまくいくと自分で思い込むこと」だと思っていたのだが、実際は「自分に起こったことに対してプラスに考える」ということらしい。

これは腑に落ちる言葉だった。
僕の思考はどちらかと言うとネガティブなほうなので少し先の未来に対して無駄な心配をして憂鬱になることが多い。
でも、ポジティブな思考、つまりプラス思考で考えると自分が経験したことや体験したことが、これからの自分を作るために必要なものなんだと考えられる。
そうすると、今までのように少し未来に起こることを無駄に心配しなくなるような気がした。

僕にとっては勇気をもらえる言葉で、少し心が軽くなったようだ。

あらすじ自体、心あたたまる話なので興味がある方はぜひどうぞ。


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