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ヨシムラの話 その5

なぜ、ヨシムラはスズキを選んだのか?

細かくは諸説ありますが、これで間違いがないと思います。POP吉村氏が進駐軍の間で、名チューナーとして有名になっていったのは、以前書いた通りです。それで、当時は構造が単純な2ストロークしか作れなかったメーカーがたくさんありました。1960年代までは敗戦後の復興と共に、足としてのバイクが必要となり、多数のメーカーが出来ました。

今でも形が可愛く人気のあるラビットは、富士重工製。母体は一式戦 隼や隼や四式戦 疾風等を製造した、中島飛行機です。敗戦で不要になった航空機のタイヤを流用しています。
ヤマハはもともとは航空機のプロペラのメーカーでした。ロゴマークの音叉を120°ずつに配置したのは、プロペラをイメージしたものと思われます。
余談ですが、ベンツもBMWもプロペラをイメージしたロゴマークです。

それで、1960年代頃になると、乱立したバイクメーカーが、競争で共倒れするのを防ぐために、政府が合併を進めます。三式戦 飛燕や五式戦、伊号潜水艦等も製造していた、カワサキも軍需産業が母体です。カワサキは、トーハツやメグロを吸収合併しました。
ホンダ・スズキは戦後の会社ですが、スズキは2ストロークエンジンしかなく、4ストロークしか頭になかったPOP吉村が、すでにマン島TTレースで実績があったホンダを選んだのは当然の流れでした。

本題ですが、一番納得がいく流れを雑誌等の記事と独自ルートを思い出しながら書きます。
POP吉村は当時発売されていた、ホンダのCB72/CB77の可能性に気付き、チューニングを始めました。レースで走ると、ホンダワークスより速い。
それで、本田宗一郎氏がPOPに頼み込んでエンジンのベンチテストをしたという逸話があります。
レースで実績があったヨシムラが大排気量オートバイで目を付けたのが、発売されたばかりのCB750Fourです。米国のレースで速さを証明しました。

ちょうどその頃に、ホンダで本格的なワークス体制を作る事になり、RSC(Honda Racing Service Center)の発足の話が出ます。そうなるとレースですから、当然、勝たなくてはいけない、メーカーの売り上げに直結するからです。敵対するのは間違いなくヨシムラ。それで、レース部品の供給を止めた、それでホンダを離れざるを得なくなった…というのです。

北米は移動距離が長く、どんどんオートバイの大型化が進んでいました。
長距離を長い時間乗るのには、どのメーカーも「大排気量の4ストロークですよね」という時代になって行きました。
それを見越してヤマハはバーチカルツインのXS-1(650cc)、カワサキはニューヨークステーキことZ1(900cc)の開発を進めていました。Z1のプロトタイプは、フレームナンバーにV1から始まる刻印がありました。
随分前に、別冊モーターサイクリストで取材していましたが、実はもっと前からそれがあるのは知っていたし、そのV1刻印のZ1は英国人の友人が所有していたものです。
彼が購入した時には、マフラーだけ社外の集合マフラーに代えてあった。
その写真も探せば出てきます。そして、その別冊モーターサイクリストを彼にプレゼントしました。
別冊モーターサイクリストの阪本 元編集長とは、同じTL125オーナーというのもあって親交があったのですが、私の親が大変な時でオートバイどころではない時期に廃刊になってしまいました。
阪本 元編集長のお知り合いの方が当ブログを読んで下さっていたら、連絡が欲しいとお伝え頂きたい。彼なら間違いなくマジ軽ナットを面白がってくれるでしょう。

1998年にノルウェーの姉妹クラブを訪問した際に頂いた、Z1 BOOK。間違いなく日本人で初めて手にしたのは私。その数年後、あるショップが輸入して販売したかも知れない。日本の湿気のせいか、残念ながらページの一部が張り付いてしまった。

カワサキのZ1の集大成の一冊 Z1ブック ドイツ製

CB750でレース部品が手に入らなくなってしまい、目を付けたのがDOHC 4気筒という潜在能力が高いエンジンのZ1/Z2です。「ヨシムラの話 その3」書いた通り、開発段階から、1,100ccまでの排気量が拡大出来るエンジン(Z2はZ1のクランクに交換が必要)です。

それで、レース車両も開発するのに関わったのが、「ヨシムラの話 その4」で一部のビデオ化したフィルムを公開した、吉村不二雄氏とヨシムラチューンのZ1レーサーです。

Z1レーサーに乗るイヴォン・デュハメルと不二雄さん

https://www.youtube.com/watch?v=0INK3CLvEx0

ところが、カワサキはフレームが上手く作れなかった。1977年頃のオートバイ誌で取材したモリワキチューンのZ2でも、フレームをパイプで補強しています。
「ヨシムラの話 その3」で書いた、日本でマッドマックスをやっていた、U氏も「サーキット走行をすると、フレームが追い付かない」と言っていました。
そして、スズキが4ストロークの技術者をカワサキから、ヘッドハンティングして開発したGS750。Z1/Z2のノウハウがあり(当たり前)、スズキはフレームの基本構造が良かった。
それで、エンジンとフレーム、そして、レース部品の供給という、三本の矢が揃っているスズキに乗り換えた、というのが、雑誌の記事に、私なりの解釈も加えた、納得のいく乗り換えた理由です。
当時を知るヨシムラの関係者に問いました。「ヨシムラは何でZからGSに替えたの?エンジンが良かったから?」答えは「それはもう、(Z1/Z2)と比較にならない…」だそうです。
カワサキフリークからは怒られてしまいそうですが、後から作ったものは進化しているという事でしょう。
ヨシムラの話はまだ続きます。

トライスターズテックのホームページはこちら
https://tristars-tec.jimdosite.com/

4輪絵レースやHondaエコマイレッジチャレンジではマジ軽ナットが採用されていますが、2輪レースではまだこれからです。
社長が陽平君となり、来シーズンからは採用されるのか?タイヤの性能が変わるので、それに合ったライダーを選ぶことになりますが。
お知らせ
毎月出店しているエクスチェンジマートに出店の申し込みをしました。
開催場所は神奈川県厚木市 相模川 あゆみ橋付近の河川敷です。
東名厚木インターチェンジ下車10分 
今月は8月18日(日)早朝5時から開催の予定です。
天候による延期の可能性がありますので、開催場所も含めてホームページでチェックをお願いします。

今回は除電の効果を知ってもらう為に、除電スプレーを持って行く予定です。ネット販売はしていませんが、除電チューニングの際に場所によって使っています。
携帯電話の画面(ガラスフィルム)に使うと、静電気による誤作動が減り、画面にホコリが付きにくくなります。ヘルメットに塗ると、風の抵抗が減るので風切り音が減少します。ボトルの残り分だけのサービスなので、なくなり次第終了となりますので、お早めに。


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