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1986 鈴鹿8時間耐久レース観戦 その4

RVF強し

当時、私がワークスとして応援したのはカワサキ。でも首位からは脱落。
レースの途中でプライベーターの松本憲明氏がヘアピンで転倒。コースの半周近くをあの炎天下の中、ピットまで押して来た!転倒したのは残念だったけど、その根性に皆感動したのです。今でも語り継がれる伝説ですが、松本氏は数年前に亡くなられたようです。合掌。
昼間の数時間は余りに暑くて、サーキットホテルに移動。そこには泊っている訳ではないけれど、いろいろな所に行ったから、「8耐中でもここなら休める」ポイントは知っていた訳。ロビーのソファーで仮眠しました。元気になって再び観客席に戻り、観戦再会!
予選上位も次々とリタイアが出ます。
夕方になると鈴鹿名物の"LGHT ON"のサイン。この時間帯になると何とも言えない独特の雰囲気に変わります。暑さが収まってちょっとホッとする、サーキットの色が黄昏色に変わるのです。これは行った事がある人にしか分からないでしょう。
ライトを点灯したマシンが徐々に暗闇に変わる中、走り続けます。ライダーは限界走行を続け、転倒やリタイヤが増えるのもこの時間帯です。
友人の一人はヤマハ党。応援するのはTECH21とマルボロヤマハ。ところが、TECH21が来ない。なんとあと30分位という所でリタイヤとなりました。
完全に闇となると、放送だけが頼りとなります。8時間のレースが終わると皆さん感動しています。何か、サーキットが一体となっているかのようでした。
結果はHRC RVF ガードナー/サロン組の優勝。この後しばらくはRVF一強時代が続きます。ウィニングラン後は各ライダー入り乱れ、ヘッドライトだけで誰が誰かは分かりませんが、ピットに戻ると一部の観客がコースになだれ込みます。
現在はもっと警備が厳しいのでしょうけれど、私たちはコースに入る事はしませんでした。
この時にはメインスタンドにいたと思います。それで何をしていたかというと、たくさんのゴミを拾って袋に詰めていました。「ダメだよ、ゴミをその辺に捨てちゃぁ~」と言いながら。そうしたら、本職の清掃の方に褒められました。
そのうち、鈴鹿名物の花火が打ちあがり、表彰式も終了。

8鯛名物 レース終了後の打ち上げ花火(イメージ)

別ルートのバスツアー観戦に来た同僚は「花火は帰りのバスの中で観た」と言っていました。一般道まで一本道で渋滞しますから早く出発したんですね。
予定ではその夜に鈴鹿を発つ筈でした。ところが延々と帰路に就くオートバイの列、列、列。「これじゃあ、駐車場から出られない…。仕方ないから泊って行こう」とサーキットホテルの芝生エリアに戻り、テントを張って一泊。ここもグレーゾーンだけれど、”8耐だからうるさくは言わないだろう”ってことで、おとがめはありませんでした。
現在は知りませんよ。建て替えられたようだし、時代も違うので。
会社は8耐込みの3連休だから時間には余裕がありました。翌日の朝に鈴鹿を発ちました。
帰りの高速道路で明らかに鈴鹿帰りのオートバイの集団をいくつも見かけました。「みんな、あの感動を胸に無事帰って欲しい」そう切に思いました。途中、高速道路を走るZ2を見かけ、「ゼットツー、頑張って走ってるね~」今では逆輸入されたZ1が多いからしょっちゅう見るけれど、当時はまだ逆輸入は始まったばかりでしたね。
同僚の一人はバスツアーで観戦に行きました。レース後の花火はバスの中で見ていたそうです。でもやっぱり、近くで見た方がいい!
38年前を思い出して書きましたが、いやぁ~懐かしい。忘れていた事も思い出しました。
休み明けの日勤では昼食は特食。特食とはレースで優勝すると、普段より随分良い食事の提供があります。それについてはまた後で。
私は2勤なので、食べられませんでした。
あれから鈴鹿へは行っていません。結婚すると自分の好きな事ばかりは出来ない訳で…。
でも、「オートバイなんてお金のかかる物、とっとと売って!」と言わない嫁だったのは救いです。私はリターンライダーではありません。苦しい時もどうにか維持して来ました。
今回ブログを書いて、鈴鹿8耐を何年もフルで観た事がないのに気づきました。世界の状況が”変えられて”スズキはオートバイレースから撤退,、残念です。
レースに勝つのに不可欠なのは技術と経験の蓄積です。いくら資金があってもパッと出て来て勝てる訳ではありません。
全てのバランスと耐久性、良いライダーと運、全てが揃ってやっと勝てるのです。そのレースパーツ製作の経験からフィードバックされたアイデアで生まれたのがマジ軽ナットです。
エンジンだろうが、ハイブリッドだろうが、電動だろうがタイヤはある訳です。タイヤが路面に接地・離れる事でも静電気は発生します(トヨタの特許より)。車体からも静電気が流れて来ます。路面に十分に放電しなければ、帯電量がどんどん増えていき、1,000V以上になる(トヨタの特許より)のです。帯電でオイルやグリスの粘度が高くなり、部品が動くのに無駄な力を使わないといけない。マジ軽ナットシリーズで除電するとその逆になり、少ない力でスムーズに動く。
まさか、トヨタが私達と同じ事をやっているとは想像もしませんでした。

この特許は世界初なので、説明しても「なるほど、そうですね」と理解できる人はほぼいません。誰も考えた事がないから取れた特許とも言えますね。正確に言えば、トヨタはその重要性に着目して研究していた。ただ、除電を達成する手段がアルミ箔かボルト/ナットの違いだった。その後、シューズメーカーのアキレスと開発した除電するゴムをドライバーシートの一部に設けてそこで除電する事を考えました。このシートは新型クラウンにオプション設定となっています。

車体外板を除電するのをやったのは、遅くとも2013年。空気がスムーズにながれるので、風切り音が低減します。ヘルメットでも風切り音が減るので音が良く聞こえるようになります。
鈴鹿8時間耐久ロードレースの放送は、ネットで調べるとBS松竹東急で放送するようです。ここ数年はエアコン効かして冷たいビール無制限で全てを忘れて観戦していたのですが、21日は毎月出店しているエクスチェンジマートの開催予定日。とはいっても、開催は午前5時から、出店したとしても今回は9時頃には閉店する見込み、ならば観戦出来るでしょう。
マジ軽ナットをとても気に入っている、工業高校のN先生がなんと神奈川県からオートバイで8耐に行くそうです。タイヤにはもちろんマジ軽ナット、シフトペダルから機械的に繋がるミッションマジ軽ボルトも装着。シフトチェンジがスムーズになれば、走っていて楽です。

ミッションの除電で小気味良いシフトチェンジ

鈴鹿サーキット50周年記念で開催された、クローズドパーティーについては後で書きます。マスメディアの取材も無かったはず。そこにマジ軽ナットの特許を持つ友人は招待されたのです。2輪レース界では知らない人はいないから、当たり前ですが。
・タイトル写真は鈴鹿サーキットホームページから引用

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