チェルノブイリ日記 13 ~ 入れる廃屋と入れない廃屋
廃屋に入ってみる
前回のあらすじ ~ 爽やかな朝の散歩で廃屋に入る男2人。
崩壊せず植物に呑まれもせず建っている廃屋に入りました。しかしさすがに四半世紀以上も放置されているだけあって左上を見ますとちょっと怪しげなことに……。
それはそうと天井の電灯のあたりが花形になっていたり壁紙が可愛いピンクだったりと現役当時はオシャレなお宅だったのだろうと想像します。
※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。
窓の方に箱が落ちているなぁと思いましたら……これはテレビですかね?
原発事故の後すぐに村を追い出され、それからさらに何ヶ月か経ってから一時帰宅が許されたと聞きますが、さすがにテレビは持って行けなかったのでしょうね。しかしだからと言ってこんなガワだけ残すように破壊しますかね? ブラウン管や部品だけ持って行ってお金に換えたのかなぁ。うーん。
崩壊していないというだけで人が住める状態ではありません。天井は腐り、壁紙も剥がれて来ています。
別の部屋だったかな? 動画やメモを残していれば間取りを思い出せるのですが……ごめんなさいね。
部屋の隅に背もたれや座面がどこかへ行ってしまった椅子が残されていました。このような座れない椅子はこれからあちこちで見掛けることになります。
なんやこれ……ベッド、ですかねぇ? ですよねぇ? ベッドの中身って初めて見ましたね。
しかし何故このような状態になっているのでしょう。一時帰宅の際に家財道具を色々と持って行かれたでしょうから人が住んでいたときの状態がそのまま残っているわけではないというのは分かりますが、残されたテレビや家具が中途半端に破壊されているのは何故。ベッドをこの状態にするのって結構なエネルギーが必要ですよね。道具も必要でしょうし。
日当たりの悪い部屋は朝でも真っ暗です。
窓際に転がる瓶。何でしょう……? 右側に置かれている物も……?
覗き窓付きの扉。廃屋で扉を閉めてはいけませんよ。開かなくなったらおしまいですからね。いや、そもそももう閉まらないか……?
窓から侵食する植物たち。
足元の枯れ葉が繰り返された季節を物語ります。
ここは……窯?
床に手紙が何通か落ちていました。一時帰宅ではじっくり選別する余裕もなかったのでしょうね。
このような廃屋、広く言えば廃墟の写真はインターネットに溢れています。退廃的でとても美しい写真が多々ありますよね。
しかしいざ自分で廃屋に入ってみますとカビの臭いというのか腐った空気の臭いというのか、鼻の悪い私でも呼吸をするのがただただ辛く、早く外へ出たいという気持ちが1秒毎に強くなりました。
崩れた家を見て回る
もうちょっと散歩を続けます。
どの家だったか忘れましたが、他にも入れそうな家はあったのですが「あの家は野犬が住んでいる」とガイドが言うので避けて歩きました。
ぎゃーす! 家……ですよねぇ? もしかして違ったかも知れません。
植物に呑まれる家とそうでない家の違いは何なのでしょうね。単純に場所の違い? たまたま植物がよく育つ場所だった?
傾いて……ますよねぇ。
地面がぬかるんで沈んで行ったように見えます。
細いながらも屋根より高い木たち。人が住んでいたときからこの状態とは考えにくいですので、四半世紀でこれだけ高くなったということですよね。
可愛い配色の家。住んでいた人が休日に塗ったのでしょうか。
何軒の家を見たのかもう分かりませんが、土地はたくさんあるわりに家は小ぢんまりしている印象を受けますね。先程入った家も家具が揃った状態だと狭そうに思います。何人で暮らしていたのでしょう。
おぉう……。家って柔らかいんでしたっけ……?
崩れて、枯れ葉が積もって。崩れて何年経つのでしょう。
写真の右手、窓が天を仰いでしまっています。天窓じゃないんだから……。
屋根が凹んでいることを考慮しても建物の背が低く見えますね。もしかして枯れ葉が何十cmも積もっているということ……?
崩れ方にも色々ありますね。屋根から崩れるのか、壁から崩れるのか、土台から崩れるのか。
崩壊した民家ばかり見続けていたらさすがに気が滅入って来ましたね。阪神・淡路大震災以来の経験です。こんなつもりで散歩を始めたわけではないのですけども。
平屋でない建物もありました。学校とか公民館とかかなぁ?
こちらは崩壊もせず植物に呑まれることもなく現役の建物に見えますが窓の開きっぷりからして廃屋なのかなぁ。
散歩と言いつつ40分近く歩き続けてしまいました。そろそろホテルへ戻ってひと眠り……ではなくて、イケメンと合流しなければいけません。チェルノブイリの2日目はこれからなのですよ。
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