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チェルノブイリ日記 41 ~ その廃屋は誰かの我が家だった


窓を塞いで去ろうじゃないか

 前回のあらすじ。
 朝から廃屋探訪をしています。

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※ 過去の日記はこちらから。

 今回も廃屋探訪が続きます。すみません。
 普通のチェルノブイリ紀行では長々と書かないのでしょうけども、撮った写真を載せないという決断が出来ない貧乏性なのですよ。

 元々が何の用途だったのか全く分からないゴミ捨て場と化してしまった部屋ですが……

 フラッシュを焚きましたので明るく見えましたが、実際は朝でもこんな感じです。
 というか窓が中途半端に塞がれているのは何なのでしょうね。原発事故が起きてすぐに避難をして、一時帰宅のときにまたすぐ帰って暮らせるようになるものと思い家を守るため雨戸のようなものを取り付けた……てなところでしょうか。あくまで想像ですけど。

 しかしそれなら全ての窓に付けますよね。先の部屋は外から見られてはいけない何かがあったのかも知れません。

 しかしこの部屋、屋外かなと思えるほどに植物のような何かが積もっています。窓は閉まっているように見えますが……どういうことなの。
 あたりを見回しますと……

 ぎゃーす!
 天井が……腐った天井が落ちて積もっていたの? あぁ、人の住まなくなった家は……哀しいものですね。

 さてこちらの部屋は、さぞ可愛らしい雰囲気だったのでしょうけども壁紙が見るも無残な姿……。

 マットレス……ですかねぇ。ですよねぇ。こちらもピンク色で可愛らしい雰囲気だったのでしょうけど、今となっては一晩眠ればカビやら何やらを吸い込んで病気になりそうと思います。ベッドそのものはどこへ行ったのかな。

 あれ、この部屋の窓は雨戸のような、雨戸というか板で塞いだという方が的確ですね、板で窓が塞がれてしまっています。片方だけ。
 先程から窓枠? が外して壁に立て掛けられているなぁとは思っていたのですが、全ての窓を塞ごうとしたけど時間が足りなかったということなのでしょうかね。

 しかしこの酒盛りの跡というのかゴミ捨て場というのか、このゴミはいつのゴミなのでしょう。いくらもう帰って来られないかも知れないと言っても自分の家をゴミだらけにして行くか? 原発事故から長い年月が経ってからのゴミとしても、じゃあ誰がどうしてという話ですよね。

 まぁ答えの出ないことを考えても仕方がありませんので次に進みましょう。

燃えたような家

 お、おぉう。これは……燃えて崩れたのかな?

 壁の格子はそういうデザインかなと思いましたがよく見ますと壁が崩れて中身が見えているのですね。そういえば先程の崩れた天井もこのような格子になっていましたね。

 どこから出火したのか、誰かが途中で消し止めたのか、チェルノブイリでは何かを見る度に疑問が生まれます。
 そういえば昨日は放置された消防車らしきものを見掛けましたね。

 斜め……。落ち葉に埋もれるのが先か、倒れるのが先か。今すぐ倒れるということはないのでしょうけど、さすがに入るのはやめておきましょう。

 右側の家というのか小屋というのか、屋根が明らかに低いですよね。屋根が低いというより地面が高くなって来たという方が正しいのでしょうか。落ち葉やら木の枝やらが積もりに積もって……。

 うーん、さすがにそういうわけでもないのかなぁ? しかしそれでは出入りしにくそうですよね。平均身長が低かった? いやいやそれにしたって。

 左の家というのか小屋というのか。こちらも燃えたような雰囲気……。

 視線を右に向けます。
 私たちが生きている間にこのあたりが立ち入り禁止区域でなくなる日は来ないのでしょう。

 いずれこの家も崩壊して地層となるのでしょう。何百年後か何千年後か何万年後か分かりませんが、未来の人たちに掘り起こされて当時の暮らしを知る手がかりとされる……のかな。
 いや何千年も昔の話ならまだしも、現代の生活の記録は何らかの形で未来へ残されるのでしょうね。ニュースの映像とか、誰かのブログとか。ジオシティーズは終了してしまいましたけど……。

 左に視線を向けますと、窓の向こうが、向こうが! ここまで来るとこの壁はよく倒れずにいますねと驚いてしまいます。

 建物の中。左と右、だったかな。分かりません。ごめんなさいね。

 また瓶や……。どうして、どこから。

さようなら、我が家よ

 廃屋探訪は続きます。
 カビ臭く、ゴミばかりが残る廃屋を見て回るのはなかなかに気が滅入るですよ。生活の跡が感じられればテンションも上がるのですけど。
 私が「ホテルに戻りましょう」と言えば終わるとは思うのですが、言い出せず何となくガイドの後ろを歩いていました。

 次に訪れた廃屋がこちら……右下に何かが書かれていますね。

 何と書かれているのでしょう?
 ガイドに訪ねましたら「Good bye, my home」と短く答えられました。
 興味本位でチェルノブイリを訪れたことを後悔した瞬間でした。

次回予告

 まだまだ廃屋へ向かうガイド。

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