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チェルノブイリ日記 47 ~ ポリーシャホテルの客室を覗く


ポリーシャホテルの客室を覗く

 前回のあらすじ。
 ポリーシャホテル(готель Полісся)の屋上から建物の中へ戻りました。

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※ 過去の日記はこちらから。

 ポリーシャホテル(готель Полісся)とウクライナ語を併記していますのは検索でヒットするようになって外国の方が読んでくれたら良いなぁという淡い期待からです。

 ポリーシャホテルの散策を続けます。
 手前の骨組みはなんとなく灰皿のスタンドに思えますね。椅子も置いてありますし、ここは喫煙所……現代と違って喫煙に寛容な時代だったのでしょうけどさすがにエレベーターホールが喫煙所ということはないか? というか喫煙所という概念があったのかな?

 廊下はいたってシンプルですね。
 しかし薄い扉だなぁ。質素倹約を体現しているような。

 覗かせてもらいますよ。610号室です。
 緑の絨毯がフカフカで……絨毯? マンションでも見掛けました上層階はコケが生える法則ですね。

 610号室の中……ではなく別のお部屋です。イケメンとガイドの後ろを歩いていますので、1部屋ずつじっくり覗いたわけではないのですよ。
 さてこのお部屋……特に広くもなく、ベッドと机が置いてあるだけのシンプルな部屋だったのでしょうね。
 窓の向こうにエネルゲティック文化会館や広場が見えて眺めは良さそうですね。奥まで進む気にはなりませんが……。

 ところで窓際に

 植木鉢が並んでいるのがちょっと不思議ですね。
 あります? ホテルの部屋に植木鉢。高級ホテルの広い部屋なら大きな観葉植物が置いてあるのかも知れませんが、この部屋に?

 いくつかの部屋を覗いてみましたが、寝室とバスルームがあるだけのシンプルな造りでした。

 バスルー……ム? シャワーだけだったのかな?
 ゴミ箱、ちょっと大き過ぎません?

 この部屋は比較的綺麗? 床の敷物が残っていますね。残ってはいますが、飾り気も高級感もない薄そうな敷物だなぁ……。社会主義国家を実感します。

 ところで窓の向こうは地上ではなさそうですね。

 このへんかなぁ?
 しかしこれ普通に屋根の上を歩いて他の部屋に侵入出来そうですよね。

 この部屋は……ん?

 洗面台ですよねぇ? しかし蛇口はどこだ?
 ホテルの高級な部屋ですと洗面台が複数設けられていることもありますが、そんな高級な部屋には思えませんよね。
 寝室に洗面台があるとも思えませんし、何の部屋だったのだろう……。

ポリーシャホテルのお客さん

 しかしさすがにどの部屋も代り映えしませんし、ちょっと違う雰囲気の部屋はあっても謎ですし……部屋の散策はそろそろ良いかな。
 まぁこの部屋で最後にしましょう、と覗いてみましたら

 ぎゃーす!

 あ、お客さんがいらしたんですね、失礼しました。
 いやいや屋上に生えていた木はまぁそういうこともあるかなと思えましたけど、こんな日当たりも良くなさそうな部屋の中でもここまで育つもんなの? 自然の力は恐ろしいね……。
 これってもちろん床の中に根を張っていっているのですよね。そりゃいずれこの建物も崩壊するわなぁ……。自らが育ったせいで建物が崩壊し自らも終えるというのはなかなか哀しいものがありますね。せめて地面の上に生えたなら。

何のフロア?

 何階だったのかは分かりませんが、客室とは少し違う雰囲気です。
「2」と書かれた窓は何だったのか。内部を撮影したような写真がありませんので、特に何もない部屋だったのでしょう。

 広い空間はあるものの、ここが何だったのか想像出来るほどの情報もなく……写真をあまり撮っていないことからして、謎のガラクタしか残されていない謎の空間だったのでしょう。

 しかし部屋の隅を見ますと例によって例にもよってお酒の瓶や缶が……どこにでもありますね。
 英語版のWikipediaによりますとポリーシャホテルは原発事故の後も原子力発電所の技術者が宿泊したり会議が行われたりしていたようです。そのときの人たちが飲んで捨てて行ったのかな?
 ちなみに手前の缶はオボロン(Obolon)というウクライナのビールです。

 こちらにはビールと……ぐい呑み!? ラッパ飲みではないのですね。奥のボトルはチェイサーでしょうか。
 いやここでそんな本格的に飲むの?

 こちらにはレッドブルの缶が転がっていました。レッドブルの誕生は1987ですが、さすがにこれは近年の訪問者が捨てて行ったものでしょう。

 缶の底が写っていましたので拡大します。2012年4月28日製造。
 しかしこれ何気なく捨てられていますが、ポリーシャホテルの近辺に売店や自販機などもちろんありませんし、訪問者が宿泊する現役のホテルや原子力発電所で買えるのかなぁ……ちょっと分かりませんが、立ち入り禁止区域の外から持ち込んだのでしたら結構なエネルギーですよね。わざわざ持って来るの? レッドブルが好きなら持って来るのか?
 しかしどのみち廃墟とはいえゴミを捨てて行くなんてちょっと考えられませんけどね。

 乱暴に破られたノートが置かれていました。

 何のノートなのでしょう?
 列の数字は日付かなぁ。行は……人の名前? 従業員のシフト表にしては中身がスカスカですよね。部屋の名前……旅館ではないですし名前は付けないか。うーん?

次回予告

 ポリーシャホテル編はもう1回だけ続きます。

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