チェルノブイリ日記 15 ~ 巨大な物が怖いという
どうしてここへ
前回の重機の展示場? から自動車で走ること10分強。目の前に溜め池が現れました……人工的なものですよね、恐らく。街の近くでしたらボートレース場かなぁとも思うのですが、いやボートレース場というものが当時のソ連に存在したのか分かりませんが、街というよりは原発の近くですので、原発に関連する何かだったのでしょうね。そして必ずしもこれが完成形というわけではないのでしょうね。
ガイドの後ろを歩いていますと足元に違和感がありました。これは……葉っぱではなくキノコですよね。
ピントが合っておらず申し訳ないのですが、キノコ! チェルノブイリ産のキノコです。キノコについて詳しくはありませんので、毒キノコなのではとドキドキしてしまいますがさらにチェルノブイリ産。食べたらどんな味なんやろね。毒はあるけど美味しかったりするんですかね。
※ この記事はトリップウォーカーに掲載していた「チェルノブイリ日記」を書き直したものです。有料の設定にしていますが、全て無料で読めます。読み終わって面白かったと思われましたら投げ銭として購入の手続きを行って下されば幸いです。
少し歩いて辿り着きましたここは……。
不法投棄場?
何やら色々落ちて、いや投棄されています。それぞれ目的を持って作られた意味のある物なのでしょうけどね。どうしてここに? 資材置き場? まさかね。
巨大な物が怖いという
大きな溜め池……いや湖が見えて来ました。これも人工的な湖なんですかねぇ。
何やら足場のようなものが設けられていますが、何なのでしょう。釣り人の足場ではないですよね。
向こうの左手に見えますのは昨日散策しました原発の5号炉ですかねぇ? 地図も持たずに散策していますのでここがどこやら、何が何やら全く分からないのですよ。
2013年のスマホでもGPSで現在地を知ることくらい出来たと思いますが不慣れなものでそういう発想が出て来ませんでしてね。出発の3ヵ月前にガラケーからスマホに機種変更したところでしてね。Twitterで「チェルノブイリなう」と言うためなんですけど。
広い湖だなぁ。水面に写る景色が美しいですね。
……ん?
何か巨大な物がある!
でか!
分かりにくいですが写真の左下にイケメンがいます。え、あの巨大な物に向かうの?
もちろん向かいます!
日常生活では見ることのない巨大な何かのわきをすり抜け……
踏み抜いてしまいそうな渡り廊下を歩き……いや、ここ歩かなあかんの? 普通に地面を歩いて辿り着ける道もありますよね?
どこにでもコンテナは置いてある
あれ、さっき見た巨大な何かと違わない? 待ちくたびれて背丈が低くなっちゃいました?
んなわけないか。向こうにありますね。
あれー? さっきあの巨大な物のすぐそばにいたと思ったのですが、いつの間に離れたんだろう?
まぁとにかく辿り着いたからには見回しましょう。
歩いて来た道はこれか……。ここは未完成のまま放棄された場所で、この道はここが完成すれば撤去されるはずだったんでしょうけど、ちょっと簡素過ぎません? よく見ますとこちらの地面と向こうが2メートルくらいの段差になっていますので階段は必要だったとしても、こっち側の屋根付きの道って要るん? この道も未完成だったということ?
原発5号炉の屋上でも見掛けましたがコンテナはお約束なのでしょうかね。
隅っこか真ん中に置いたら良いのにと思うのは日本人的な発想なんですかね。物置きだったのか作業員の休憩所だったのか分かりませんが、何故ここに……。適当に置いた? 何かしら理由があったのかも知れませんけど。
廃コンテナ萌えというジャンルも世界中を探せば見付かるんですかね。属している方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。
開いてるやん! 見たろ!
中に踏み入る度胸がありませんので外から覗くだけですが、ここは……散乱している物は元々このコンテナの中にあったんですかね。謎です。
ステージのような場所
ところでここは何なのと言いますと冷却塔という施設……になるはずだったようですよ。冷却塔とは何ぞやということは全く説明出来ませんので検索してみて下さい。
「冷却塔」で画像検索してみますと完成形は鼓を立てたような感じになるみたいでして、兵庫県神戸市のポートタワーをずんぐりむっくりにしたような形と言いましたらイメージしやすいでしょうかね。まぁまだまだ背の高い建造物になるはずだったようです。
櫓みたいな物が建っています。これも何になるはずだったのか……よく見ましたらハシゴが上と下でくっついてませんね。どういうこと!?
壁をよく見ますとくり抜かれた部分がありました。扉が取り付けられる予定だったんでしょうかね。
しかし……
これどうやって撮ればええの! でか過ぎるわ!
こういうとき広角レンズがあればもっと違った写真が撮れたのでしょうね。
どうして!
どうすれば!
下手な写真を撮り続ける私に目もくれず自分の撮影に夢中のガイド。いやだからそれ公私混同やんな……ええけどええけど、たまにはかまってよ! 言葉通じへんけど!
しかし360度、囲むように壁があるこの場所。世が世ならプロジェクションマッピングで色々と映し出すステージに出来そうですよね。人を集めてインターネットで配信も行って、収益はチェルノブイリの立ち入り禁止区域で使わせて頂きます。
どこを向いても美しい映像。どこを見れば良いのか、360度見逃せません。華麗なる音楽。ピーピー……観客の指笛が響きます。
ピーピー……。
ガイガーカウンターという言葉もすっかり聞かなくなってしまいましたがガイドはこのようによく調べていました。調べはするものの、ここは危ないから早く離れようみたいな話にはなりませんでしたけど……。ええんか?
チェルノブイリを訪れて9年経ちましたが今のところ元気です。
さぁもっと大きな建造物へ向かいましょう。
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