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チェルノブイリ日記 33 ~ 荒野に色々な物が落ちている

さまよっているのか、いないのか

 前回のあらすじ。
 病院の散策が終わりました。

 廃墟臭い、カビ臭い病院を出て外の空気を吸い込みます。あぁ、空気が美味い……。
 いやまぁここもチェルノブイリの立ち入り禁止区域ですので決して良い空気ではないのでしょうけど、それでも病院の中に比べると全く違います。

 さて、次はどこへ行くのでしょう?

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※ 過去の日記はこちらから。

 ガイド同伴のツアーとはいえ行程表もなく、いや、あったような気はしますが初日の時点で既に守られておらず、もうええわとなっていたのだったかな?
「これからどこへ行くのさ?」とガイドに聞く英語力もコミュニケーション力もなく、ただ黙ってガイドの後ろを歩きます。

 というわけで、次の目的地までの道中で見掛けた気になる何かをご紹介します。ご紹介しますと言いましても写真をお見せするだけです。それが何なのかは私も分かりません。

 まずこちら。
 荒野に何やら2つ転がっています。2つで1つみたいなものなのでしょうか。
 これが何なのかは分かりません。

謎の建物と小屋

 フェンスで守られているような守られていないような、向こうに見える建物は何でしょう?

 目的地はここではないようですので通り過ぎますけどね。
 車庫? 物置き? 民家には見えませんよね。

 そんな謎の建物のフェンスにもたれかかっていたのは……漫画のような壊れた自転車でした。壊れた自転車というより破壊された自転車ですね。
 どこかへ行ってしまったサドルや後輪、歪んだ前輪……いや、こんな歪みます? どうやるの? 何度も投げつけたのかな。

 続いて見えて来ましたのは小屋……ですよねぇ? 何か違和感がありますね。え、これってもしかして倒れてます? 写真の左側の板の部分が床で、右側が屋根でしょうか。正面は窓枠?
 地面に置いただけの小屋だったのでしょうけど……小屋って倒れるの? いやまぁ置いただけなら倒れなくはないのでしょうけど、倒れるの?

 回り込んでみます。
 ……?

 ぎゃーす!
 逆さまになった熊がこちらを見ています……。その左には

 黄色いアヒル!
 子供向けの小屋だったんですかねぇ。病院で働く人のための託児所? にしては小さいか。しかもそれなら病院の建物の中に設けますよね。
 手前が床という想像が正しければ熊とアヒルの絵は天井に描かれているということですよね。天井にこんなでかい絵を描くんか……。
 しかしこの小屋、何故周りに何もなさそうな荒野にあるのか……え、もしかして何度も回転させながらここまで運んで来たとか? 誰が何のために。

謎のオブジェ

 考えても分かりません。進みます。
 しかしマジ荒野じゃない? 本当に目的地があってその場所が分かったうえで進んでいるんですよね?

 謎のオブジェが現れました。

 これは自転車? 軽量のバイク?

 磔にされた二輪車……。いやほんとなんなん、これを作るエネルギーはどこから来たん。

 元々このあたりにいた人が出て行くときに作ったのか、後から来たアーティスト気取りの人間が作ったのか……。

 私のような者をガイドする人が道に迷わないための目印として作ったのでしょうか。それにしてもこのセンスはどこからと思ってしまいます。

怖い怖いゴミ袋

 進みます。
 ゴミ袋……? 日本では見掛けることが少なくなった黒いゴミ袋のようなものが並んでいます。えーと、大きいですね。
 ヤバい物が入っているイメージしか出来ませんが、いや具体的に何と言われても困るのですが、これもこの謎の何かをここに置いた人がいるわけで、恐らくは車で持って来たのでしょうけど、いやしかし無法地帯のごとくあれこれ放置されているのに何故にあえて袋に入れたの?
 私がチェルノブイリを訪れてから10年弱、袋の中身を見た猛者はこの世にいるのでしょうか……。

 例によって謎の何か。

 靴が片方落ちていたり。
 日本の街中でもたまに見掛けますが、あれ何がどうしてそうなったんでしょうね。

 電柱の左に丸い屋根のようなものが見えます。事故を起こした原発を覆い隠すカバーです。

道なき道を歩く

 黙々と歩いていますが何かしら落ちていますので飽きることはありません。
 飲み食いは普段よりしていませんし道も悪いのですが、いや道と呼んで良いのかも分かりませんが、不思議と疲れは感じません。

 道と呼んで良いのか……えーと、ほんとに目的地へ向かってるんですよね? この行き方しかないんですよね?

 もはやチェルノブイリ名物と言って良い、謎に放置された自動車。
 いつぞやは四方から何枚も撮影していましたが今回はこの1枚ですので自動車にも慣れてしまってさっさと通り過ぎたのだと思います。

 向こうに川が見えて来ました。

 しかし……

 なんというか、彩りが乏しい世界だなぁ……。天候や私の写真の腕が悪いというだけの話ではないと思うのです。

 そんな彩りが乏しい世界で目立つキノコ。毒々しい雰囲気だなぁ……。

 異彩を放つとはこういうことね。

 マイタケとシメジの区別も付かないくらいキノコには詳しくありませんのでね、このキノコが何という名前なのか、食べられるのか、いやそもそも本当にキノコなのかも分かりません。

道しる……べ?

 足元に矢印が横たわっていました。
 えーと、矢印の指す方へ行けば何かあるということですか。

 ……こっち?
 いやそもそもこの矢印は元々倒れていたの? 本当にこっちを指していたの?

 立ってる矢印もあるやん! 元々は立ってたんちゃうん!
 いやまぁ立っていたところでじゃあどっちに行けばええねんとしか思えないのですが……。

次回予告

 遥か向こうに巨大な何かが待っている……え、あそこまで歩くの?

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