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ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ:NSPD/69課キャンペイグン第八話「メリー・クリスマス・ネオサイタマ」#2

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前奏曲:#1
護衛編:#1 #2
暗殺編:#1 #2 #3
この記事は2021年11月13日〜12月26日に、筆者NMの元Discord上で開催されたニンジャスレイヤーTRPGのセッションを、少々の加筆修正を加えて公開したものです。

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これまでのあらすじ:ネオサイタマ市警重鎮の命を狙うソウカイ・シックスゲイツ、フロストバイトの暗殺を防ぐ69課。だがそのイクサ中、もうひとりシックスゲイツが現れる。彼の名はソニックブーム。特徴的なヤクザ・スラングを使いこなす、ヤモトにとっては仇敵といってもいい存在である。
ランドレアムは彼のソニックカラテによって、生命の危機に瀕していた。

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 悪魔の囁きがランドレアムの脳内をかすめてゆく。

 ランドレアム: 「(……この……声は……)」

 ランドレアムの懐には、ないはずのものがあった。

ランドレアム: 「(……なんで、こんなところに)」疑問に思った。だがそれはオレにとってはチャンスなのかもしれない。このあるはずのないものを使えば、オレはきっと悪魔との契約を果たす。
ランドレアム: ……だが、どうだって良い。この状況を打破するために……そして、オレがこの世でジゴクとブッダの世界から引かれる鎖を以て踏みとどまれるというのならば。これを使い、オレはジゴクの戦士となろう。
ランドレアム: 「(そういえば、オレの体の傷とか……まだ皆に話してなかったな)」
ランドレアム: ということで使いますかー!ダークチップ!!
NM: やっちまえ!
サスツルギ: つーかーえ!つーかーえ!

(ツカイナサイ) (ツカイナサイ) (ツ カ イ ナ サ イ)
闇からの囁きは次第に大きくなり、彼に決断を促した。

ランドレアム: 「(ああ、使ってやるさ!!)」

 【電】ダークソウルユニゾン 天に浮かぶ黄金立方体を掴もうとする黒き龍が描かれたチップ。 所持していれば自動的に作動する。ソウル位階を一段階増加させる。 初めて所持した際、「ニンジャソウルの闇」を2個獲得する。(ダイスで選択する) また、「覚醒したアーチ級ニンジャソウルの力」ルールに従い、「★★★ジツ」や「ニンジャソウルの闇」の獲得を行うこと。

ランドレアム: 既に爆発四散寸前のランドレアムは懐にあるないはずのものを取り出す。そして自らの生体LAN端子に……それを挿した。

黒き電流が、ランドレアムのニューロンを疾る。
黄金立方体が視える。空中にはホログラフ投影めいて彼の過去が映し出され、そして消えていく。あるいはダークチップの闇の風景が、自らのニンジャソウルが視た風景が、流れては消えていき、それらは徐々に加速する。

やがてランドレアムは情報の濁流に吞まれそうになり……そこにはサップーケイの空間が広がった。
 何も無い、白い部屋。

 『『『アレ、タケシじゃん。元気してたか?』』』
そこに、01ノイズ塗れの人影が現れ、そう言った。あらゆる声が混ざったその声を、タケシは……ランドレアムは懐かしく思った。

「ああ、まあな。元気してたよ」
 『『『そうなのか?最近元気なさそうだったからな』』』
 「ああ……やっぱ誤魔化せねえな」 「死のうかとか、考えてたところだよ」
01ノイズはぐるぐると震えた。
『『『バカタケシが。絶対に死んでやるもんかって言ってたくせによ』』』
 「……そうだな」
 『『『何があっても、絶対に生きなきゃダメだぞ』』』
 『『『夢が叶うまで生きなきゃダメだ』』』
 「……ああ、そうだな」タケシの顔は次第に明るくなった。
『『『じゃあ約束のグー、な』』』 01がそう言うと拳を突き出し、タケシも拳を突き出した。コツン。

 「人は痛みを伴うと忘れないんだ」奴隷調教ヤクザが言った。「人は夢があると生きる希望が湧いてくるんだよ」 レッサーヤクザが言った。
 「ゴールまで絶対走り切らねえとダメだぜ」 ストリート・チルドレンが言った。
「ああ、そうだな。そうだよな」 タケシは、ランドレアムは頷いた。
「最後のゴールまでオレは走り切るぜ。オレは”ランドレアム”だからな!」

01011101011101……

ランドレアム: 空中でランドレアムが痙攣し、光に包まれ……そのまま着地した。
ソニックブーム: ソニックブームは目をむいた。爆発四散させるほどのソニックカラテを叩き込んだはず。なのに…!
サスツルギ: 「ランドレアム……=サン……?」爆発四散するほどのダメージだったのでは?身体はダイジョブなのですか?その禍々しいアトモスフィアは一体?……数々の疑問がニューロンを浮かび、そしてそのどれもが言葉になることはなかった。
サスツルギ: 闇2つは今決めるのん?
ランドレアム: 「……」ランドレアムは立ち上がる。
NM: とりあえず戦闘終了後に決めていただければ
ランドレアム: OK!

ランドレアム: 体力回復+10
この戦闘中に限り、自分が行うすべての攻撃の回避難易度+1

ランドレアム: !?
サスツルギ: ぅゎ マジでニチアサめいた超強化で草
ランドレアム: ニチアサめいた超強化は草
ランドレアム: 「……サスツルギ=サン。スンマセン」
サスツルギ: 「何を……?」呆然と、だがどこかでランドレアムが普段と"変わりなく"会話していることに安堵しかける
ランドレアム: そう言ったランドレアムのうなじの生体LAN端子には、ダークチップが挿さっていた。
ヤモト: ヤモトもその部分に視線を向ける。
サスツルギ: 「まさか……」目を細めたサスツルギの視界に入る黒いチップ。「まさか……!」
サスツルギ: 「ランドレアム=サン!貴方はご自分が何をやったのか、わかっているのですか……!」衝撃がサスツルギを襲う。今まで見てきたダークチップとその使用者たち、そしてその末路……
ヤモト: 「ら、ランドレ…あ…ム…サン!?」
ランドレアム: 「分かってるッス……でも」 「夢を叶えるまで、オレは死ねねえッスから」
ソニックブーム: 「やっちまったなァ、ランドレアム=サン…!」ソニックブームは合点がいった。「アレ」を目の前で使うとは。
サスツルギ: 「……。この状況です。今は不問とします。しかし、後で話はしっかりさせていただきますよ。」
ランドレアム: 「分かったッス。今は……」ソニックブームを見やる。「コイツをぶっ倒す」
サスツルギ: 「ええ、まずはこの状況の打破です。彼もまた何か知っているようですから、逮捕しましょう。くれぐれも殺さないように。」念を押すように言い含める。
ソニックブーム: 「…ケンナ」 「…ザッケンナコラー!」

ターン 5

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 サスツルギの手番

 
サスツルギ: 「あと私たちの最優先目標はホタカ=サンです。そちらもお忘れなきよう。」あのダークチップのことだ。何もないように見えて、内面がどのように変質しているかなど、皆目見当もつかない。連続側転
ランドレアム: 「ええ、勿論ッスよ」ランドレアムは構える。 

サスツルギ:9d6>=5 = (1,4,4,5,2,3,2,1,1 :成功数:1) = 1

サスツルギ: だからあっぶねーよ!通常二連
NM: 転ばなくてよかった 格好がつかないところだ!
サスツルギ: お忘れなきように(すってん)とはならなかった 
ランドレアム:

サスツルギ:9d6>=5[=6]+9d6>=5[=6] = (4,1,2,3,4,2,4,6,5 :成功数:2 , サツバツ![=6]:1) + (1,4,2,1,3,5,2,1,6 :成功数:2 , サツバツ![=6]:1) = 6

サスツルギ: (2ダメ+回避D1ダメ)×2
ランドレアム: 二発! 

ソニックブーム:2d6>=4+2d6>=4 = (2,2 :成功数:0) + (5,5 :成功数:2) = 2

サスツルギ: ラッキー
NM: 命中!
サスツルギ: 「スゥー……ハァー……」深呼吸と共にセイシンテキを取り戻したサスツルギは跳び上がると、未だランドレアムへ意識を向けるソニックブームの死角からコリのヤリを振るう!「イヤーッ!イヤーッ!」
ソニックブーム: 「グワーッ!」ソニックブームの錦糸の装束が穿たれ、傷口が紅蓮色に凍結する。
サスツルギ: 「余所見は厳禁です。この代償は高くつきますよ。」その怒りは静かに、そして冷たく燃える。
ソニックブーム:「…ンナッコラー!」

ランドレアムの手番

ランドレアム: OK!
サスツルギ: やっちゃえー!
ランドレアム: ソニックブーム=サンにその場で集中五連射! 

ランドレアム:4d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6] = (2,3,4,5 :成功数:3 , サツバツ![=6]:0) + (4,5,5 :成功数:3 , サツバツ![=6]:0) + (1,2,1 :成功数:0 , サツバツ![=6]:0) + (2,4,5 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) + (2,6,5 :成功数:2 , サツバツ![=6]:1) = 11

サスツルギ: 出目ェ!
ランドレアム: 出目ェ!1x4HARD!
ランドレアム: 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」 ランドレアムはデッカーガンを用いた暗黒近接カラテを仕掛けに行く!

ソニックブーム:2d6>=5+2d6>=5+2d6>=5+2d6>=5 = (6,1 :成功数:1) + (6,2 :成功数:1) + (5,4 :成功数:1) + (3,4 :成功数:0) = 3

サスツルギ: 出目ェ!!!
サスツルギ: あ、しまったこの位置ヤモヤモ庇えない!
ランドレアム: アッ!
サスツルギ: …動いてもらおう!
ランドレアム: そうだね!
サスツルギ: よかったヤモヤモの方が早くて
サスツルギ: めっちゃヒヤっとした
サスツルギ: もうやだよ死人見るの
ソニックブーム: 「イヤーッ!力を手に入れたからって、調子に乗りやがって、ガキめが!」銃弾を受けるが、一発にとどめる!ニンジャアドレナリンが痛覚を鈍化させる!
ランドレアム: 「チィッ!」

ヤモトの手番

ヤモト: 側転

ヤモト:5d6>=4 = (4,3,3,4,4 :成功数:3) = 3

サスツルギ: こわいこわいこわい
ヤモト: ミサイル

ヤモト:11d6>=4 = (5,3,1,2,5,4,5,4,6,3,4 :成功数:7) = 7 
ソニックブーム:2d6>=4+2d6>=4 = (3,3 :成功数:0) + (1,6 :成功数:1) = 1

サスツルギ: よしよし
ランドレアム: よし!
NM: 4ダメ!
サスツルギ: 安定したダメージソースだ
ヤモト: 「イヤーッ!」ランドレアムのこと、ダークチップのこと、ソニックブームのこと…だが、今はただ目の前のニンジャを倒すべし!オリガミ・ミサイルが飛ぶ…叩き込む!
ソニックブーム: 「グワーッ!」

ソニックブームの手番

ソニックブーム: 「ッケンナコラ…!」
サスツルギ: さぁどう来る
NM: 移動してジャブ連打を選択。→ランドレアム
ランドレアム: ぐえーっ!
サスツルギ: あー、その位置面倒だな。タクティカルに動きやがって 

ソニックブーム:3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (4,2,1 :成功数:1) + (1,6,4 :成功数:2) + (2,3,4 :成功数:1) + (5,4,3 :成功数:2) + (4,5,6 :成功数:3) + (1,5,5 :成功数:2) = 11

NM: 6発!
サスツルギ: ぐぬぬ
ランドレアム: 初版はやべえな!
サスツルギ: 手数isパワーみたいなことを平気でしてくる 

ランドレアム:2d6>=4+2d6>=4+2d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (4,6 :成功数:2) + (2,2 :成功数:0) + (6,4 :成功数:2) + (3,2,6 :成功数:1) + (1,2,6 :成功数:1) + (3,6,3 :成功数:1) = 7

ランドレアム: 一発のみ受ける!
サスツルギ: 1発ならまぁ…
NM: 1ヒットだ!まだ軽い!
サスツルギ: ……頼むから二度目の死は勘弁してくれよ
ランドレアム: 二度目の死はもうどうしようもないからな……
サスツルギ: ダ ー ク チ ッ プ 二 度 漬 け
ランドレアム: その頃にはもうランドくんじゃなくなってそう()
サスツルギ: そうだね(そうだね)
ランドレアム: とりあえず一発のみ受ける!
サスツルギ: ダークドレアム(ぼそっ)
ランドレアム: ダークドレアムは草
ランドレアム: 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!グワーッ……!」
ソニックブーム: 「ザッケンナコラー!」受け止められたか、決定打ではなし!

ターン 6

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 サスツルギ: そろそろアトモスフィアも上がるころかしら
NM: ではあげよう アトモスフィアHに

サスツルギの手番

 
サスツルギ: まぁ恩恵受ける人があんまりいないんですが
サスツルギ: 歩いて移動し通常二連  後半精神成功というかそろそろヒサツ出て

サスツルギ:17d6>=4[=6]+1d6>=4[=6] = (2,3,6,1,4,2,6,4,4,4,6,4,4,2,3,3,5 :成功数:10 , サツバツ![=6]:3) + (4 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) = 14

サスツルギ: やぁっと出た ゲイトオープナー宣言
NM: 決めてくれよぉ
サスツルギ: UH2避けてみろよぉ! 

ソニックブーム:4d6=6 = (3,1,6,4 :成功数:1) = 1

ランドレアム: よっしゃあ!
NM: ダメダー!
サスツルギ: よっし! 

追加ダメ:1d3 = (2) = 2

サスツルギ: 2ダメ+2ダメ+2ダメ+1ダメ(弾き飛ばし回避不可)+回避Dダメ2!
NM: なんたるパワー!
サスツルギ: サスツルギはヤリを構え、カラテを溜める。「イィィ……」そして爆発的な瞬発力で大地を踏みしめると猛然とソニックブームへ突撃し、その胴体へヤリを突き刺しつつもその勢いで壁へと叩きつけた!「ヤァァーッ!」 壁からは六花の霜が広がり、あたかも蝶の標本めいてソニックブームを縫い留める。
ソニックブーム: 「グワーッ!!ザッケンナコラー!」なんたるワザマエ…!ソニックブームは口で気勢を張るしかできない!

ランドレアムの手番

サスツルギ: 「ランドレアム=サン、今です!……私のことは気にせず、撃ってください!」一瞬の逡巡、だが、決意に満ちた口調でランドレアムへと声をかける
ランドレアム: 「ッ……了解ッスよ!」
ランドレアム: では移動し集中五連射!

ランドレアム:4d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6]+3d6>=3[=6] = (4,4,4,3 :成功数:4 , サツバツ![=6]:0) + (2,3,1 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) + (4,6,3 :成功数:3 , サツバツ![=6]:1) + (3,2,1 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) + (3,2,5 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) = 12

ランドレアム: 出目ェ…1x5HARD!
ランドレアム: 「イィヤアーッ!」
サスツルギ: ほんとWP出ないな 

ソニックブーム:2d6>=5+2d6>=5+1d6>=5+1d6>=5+1d6>=5 = (4,4 :成功数:0) + (5,4 :成功数:1) + (2 :成功数:0) + (2 :成功数:0) + (1 :成功数:0) = 1

ランドレアム: ランドレアムは容赦なく銃弾の嵐を叩き込む!
サスツルギ: あ、トドメだ
ランドレアム:
NM: 4発命中!
サスツルギ: でも殺さないでね……(できることなら)
NM: さあ、闇の心のままにとどめをさすがよい…
サスツルギ: まぁどちらでも……良いヨ!^^
ランドレアム: ではダイスに聞いてみよう!
サスツルギ: ほう 

ランドレアム:偶数ならころちゅ:1d6 = (2) = 2

ランドレアム: こ、ころちゅ
サスツルギ: ふふw
サスツルギ: 今宵のダイスブッダは血に飢えておられる
NM: 「ブッ殺した」なら使ってもいいッ!
ランドレアム: プロシュート兄貴!?
ランドレアム: 「イィヤアーッ!」ランドレアムは銃弾の嵐をソニックブームに叩き込む、叩き込む!ひたすら叩き込んでいく!その目はやがて白と黒が反転し、虹彩が赤色に染まる!
サスツルギ: 「ランドレアム=サン……何を……!?」様子がおかしいランドレアムを訝しむ。「クッ……!」このままでは自らも巻き込まれる……そう悟ったサスツルギはソニックブームに突き刺さったコリのヤリをそのままに銃撃圏内からバックフリップ離脱!
ランドレアム: 今のランドレアムはキリングマシーンのようにひたすら銃を撃ち続けていた。
ソニックブーム: 「グワーッ!グワーッ!グワーッ!グワーッ!」スイスチーズめいて叩きつけられる銃弾の嵐。ソニックブーム…いや、それはソニックブームだったもの、なのだろうか?
ランドレアム: 『「終わりだ!ヤクザめ!」』

「ザッケンナコラー!」
 「ザッケンナコラー…!」
「……サヨナラ!」ソニックブームは爆発四散した。

…マッポ重鎮を狙う暗殺者はすべて叩かれた。

ランドレアム: カチリカチリ。爆発四散の後、弾切れの音が虚しく響いた。
サスツルギ: 「……レアム=サン……ランドレアム=サン!」爆発の中でランドレアムの肩を強引に揺する
ランドレアム: 「ああ……ああ……?」未だに引き金を引き続けている。
サスツルギ: 「もう終わりました。だからもう……!」熱を持つヤクザガンを、冷気を纏ったテッコで掴む。ジュウ……とコリが溶ける音がするが些細なことだ。
ヤモト: ヤモトには、ただ見ているだけしかできない。ホタカの手当てをしていることしかできない。彼ら二人の間に割って入ることはできない。
ランドレアム: 「……ああ、終わった……終わっ……た……?」ランドレアムはようやく引き金を引き終わるのをやめた。
サスツルギ: 「終わり、ええ、終わりです。」小さく息を吐く。今度こそ、紛れもない安堵の溜息だ。
サスツルギ: 「帰りましょう。私たちの家へ。日常へ。」ホタカとヤモトへ一度視線を向けつつも、ランドレアムへ語り掛ける。
ランドレアム: 「……そうか、よかった……ああ……」「……かえる……ッスか……」
ヤモト: ヤモトはホタカに肩を貸す。体格差は如何ともし難いが、ニンジャ膂力でそれを補う。
ヤモト: 「うん、帰ろう…!」
サスツルギ: 「ホタカ=サンも何とかご無事で何よりでした。」サスツルギも手錠をかけたフロストバイトを抱え上げつつ小さくオジギをする。
ホタカ: 「ああ…これであの計画もオジャンだ。よくやってくれた、三人とも」肩を借りつつも歩く。
サスツルギ: 「当然のことをしたまでです。しかし……今回の暗殺にあれほどまでの戦力を割くとは予想外でした。」その声はどこか暗い。
ホタカ: 「奴らも…いよいよ手段を選ばんくなってきた。こちらから攻めに出られないのがもどかしい…!」
ランドレアム: 「……そう……です……ね……」「こっちから……攻め込みてえのに……うっ……」
サスツルギ: 「……。」ランドレアムへ気遣うような視線を向ける。「ランドレアム=サン、ダイジョブですか?」
ランドレアム: 「……どう……ッスかね……ああ……なんとか……大丈夫……」その言葉とは裏腹にふらふらだ
サスツルギ: 「……ランドレアム=サン。」己の肩を差し出す。一方をフロストバイトに割いているため片側だけであるが…。
ランドレアム: 「……スンマセン……」サスツルギに肩を貸され、寄りかかった。
サスツルギ: 「……私からは一言だけ。」寄りかかるランドレアムの顔がこちらを向いていないことを確認してから言葉を紡ぐ。
ランドレアム: 「……」ぐったりとしている
サスツルギ: 「いかなる変質を遂げようとも、貴方は貴方です。貴方はタケシ=サンで、ランドレアム=サンで、69課の同僚にして仲間です。それだけは変わりません。」
サスツルギ: 「……だから……。」言葉に詰まる。だから、何だというのだろうか。
ランドレアム: 「……はは」ランドレアムは力無く笑って、精一杯の笑顔を作った。ただ彼は精一杯の無垢の少年のような笑顔を作って、サスツルギを見ていた。
サスツルギ: その笑顔に苦虫を噛み潰したような表情を浮かべてから、ふい、と顔を背け絞り出すように小さな声で呟く。「……今はゆっくり休んでください。」それが彼の言える限界であった。
ランドレアム: 「……」その言葉に安心したのか、ランドレアムは目を閉じ、気絶するように眠った。
サスツルギ: (((しかしこの状況をゲイラヴォル=サンとシルヴァリィタクト=サンへどう説明したものでしょうか……)))眉間に皺を寄せたまま黙考し、帰路へつくサスツルギ。いくら考えてみても案は浮かびそうになかった。

◆◆◆

ホタカを警察病院に送り届け、本部ビルに帰還する三人。
 扉を開き、リビングに腰掛ける。

ヤモト: 「ほんとにオツカレサマだったね…」ヤモトはさきほどまでのイクサに疲労困憊といったところか。
サスツルギ: 「えぇ……」サスツルギはランドレアムをソファに横たえ、隣に座った。その表情は暗い。
ランドレアム: 「オツカレサマっス……」ソファに横たえられたランドレアムは、小さく返事する。
ランドレアム: その目は未だに黒目と白目が反転しており、その瞳は赤く染まっていた。ジゴクの住民めいて。ダークチップの副作用であろうか。
サスツルギ: 「ああ、ランドレアム=サン、起きましたか。」瞳に気づき、だが何事も無いように続ける。「……気分はどうですか?」
ヤモト: ヤモトも心配そうにランドレアムを見る。
ランドレアム: 「なんか……全身がチクチクするっていうか……いてえのか、いたくねえのか……わかんないって感じッスよ……」
サスツルギ: 「……。」一瞬悲痛な表情を浮かべる。「申し訳ありません。ここにシルヴァリィタクト=サンがいれば診た上で何かしらわかったのかもしれませんが……」
ランドレアム: 「いや……大丈夫ッスよ」
ランドレアム: 「こういうのは慣れっこなんで……そうだ」
サスツルギ: "慣れっこ"の言葉にさらに表情が曇る。「どうしました?」
ランドレアム: 「オレの部屋に医療箱があるンスよ……結構馴染んでるヤツッスし、それを使えば多少ラクに……ウッ」立ち上がろうとするが、再び横たわる。
サスツルギ: 「っと、まだご無理はなさらず。」手を差し出す。
ヤモト: 「ダイジョブ!?」「…じゃあ、アタイが取りに行ってくるね」
ランドレアム: 「オット……」手を取り、ゆっくりと横たわる。「わかったッス……スンマセン、ヤモト=サン」
サスツルギ: 「ヤモト=サン、オネガイシマス。」ランドレアムを置いてはいけない。暴走した場合、それを止められる可能性が高いのは自分なのだ。

◆◆◆ 

ヤモトはランドレアムの部屋から、ボックスを持ってくる。

ヤモト: 「お待たせ」テーブルの中央に置いた
ランドレアム: 「ドーモっス、ヤモト=サン……」力なく微笑む。
ヤモト: 「じゃ、オチャでも淹れてくるね」キッチンに向かって席を立つ。
サスツルギ: 「アリガトゴザイマス。」ヤモトへ一礼し、ボックスへ視線を向ける。
ランドレアム: ランドも頷いた。

今ここにいるのは男が二人。

サスツルギ: 「さて、では早急に済ませてしまいましょう。」閉めたままのボックスを手に取り、ランドレアムの眼前に持っていく。「道具はご自分で選んだ方が良いでしょうか?」
ランドレアム: 「そうッスね……」頷く
ランドレアム: 「ただ、処置はちょっと……今の状態じゃ難しいッス。その箱の中に……色々と調合したZBRアドレナリン注射器が入ってるんスよ。それを胸部に打てばあとはなんとか……」
サスツルギ: 「ナルホド。もちろん、お手伝いさせていただきますよ。怪我人自身が治療を行うなど、ナンセンスです。」特に、彼自身の人生においては。
ランドレアム: 「……助かるッス。ホントサスツルギ=サンには、世話になってばっかりッスね……」その顔に力はないが、心の底から微笑んでいるようだった。
サスツルギ: 「今更でしょう。」きっぱりと言い放つ。
ランドレアム: 「ハハハ、確かにそうかも……」
サスツルギ: 「そして、私も貴方の力を必要としています。貴方だけではありません。ゲイラヴォル=サンもシルヴァリィタクト=サンも、ヤモト=サンもです。」どこまでもシリアスな表情を崩さない。
ランドレアム: 「……」
ランドレアム: 勇気づけられたように、僅かに頷く
サスツルギ: 「まぁそのような"冗談"が言える程度には元気になったというべきでしょうか。……フム、注射器とはこれですか?」丁寧に箱を見分し、液体が入った一本の注射器を取り出す。
ランドレアム: 「ああ、それッスね……」
サスツルギ: 「これを胸部に打つわけですね。服はご自分で脱ぎますか?」一応の配慮である。
ランドレアム: 「そうッスね……」とランドレアムは服を自分で脱ごうとするが……手がわなわなと震え、上手く脱ぐことができない。
ランドレアム: 「クソ……服脱ぐのって結構キツイッスね……」
サスツルギ: 嘆息。「無理なら無理と始めから言ってください。ランドレアム=サンの悪癖ですよ。」
ランドレアム: 「そうッスかね……皆に頼りっきりじゃ、悪いッスから……
サスツルギ:そういうのは健康的になってからでオネガイシマス。ハイ、手を離して。それとも腕を上げるのもキツイですか?」必要であれば服を切ることも想定せねば……
ランドレアム: 「……そうッスね、キツイッス」観念したように頷いた。
サスツルギ: 「この服、切っても?ああ、もちろん後ほど補填させていただきます。ご心配なく。」
ランドレアム: 「まあ……今日こっぴどくやられちまったッスしね。切って大丈夫ッスよ」実際装束は衝撃波やコリ・スリケンの類でところどころ破損している。
サスツルギ: 「了解しました。では背中から失礼いたします。」サスツルギはコリでハサミを生成すると几帳面に真ん中から服を切り開いていく。肌には触れないように、細心の注意を払う。
ランドレアム: やがて現れたのは、傷塗れの肉体であった。しかもその傷は、今日だけのものではない。ホッチキス留めされた傷跡。瞬間接着剤らしきもので無理やり繋いだと思われる傷跡。切り傷、刺し傷、銃創……。
サスツルギ: 「……。」思わず絶句し、ハサミは布の端に辿り着く前に止まる。
サスツルギ: 「ランドレアム=サン、この、傷は……」呟いたのは無意識であった。
ランドレアム: 「……え」 「あ……!」ランドレアムは咄嗟に傷を隠そうとするが……体は動かない。そしてその傷は隠せば隠れる程度のものではなかった。「……」
サスツルギ: 「今回のイクサのものではありませんね…?」念を押すように問う
ランドレアム: 「……そう、ッスね」小さく呟く。遂に、見られてしまった。
サスツルギ: 「……。」何を言えばいいものか。そもそも自分が踏み込んで良い領域なのか。ぐるぐると回る思考に言葉は消える。
ランドレアム: 「……俺は……」「俺は、皆に……心配してほしくなくて……」 「こんな傷だらけだったってコト……隠してたッス……」声が小さくなる
サスツルギ: 「心配は……まぁ、しないはずないでしょうね。この有様では。」眉間を指で抑える。そしてヤモトがこの場にいない幸運に感謝した。
ランドレアム: 「……」
サスツルギ: 「……話を、伺っても?嫌であれば構いませんが……。」
ランドレアム: 「……ハイ」「大丈夫、ッスよ」
サスツルギ: 「これらはニンジャになる前の傷ですよね?」傷一つない冷たい指が傷だらけの背中に恐る恐る触れる。「マッポ時代のものでしょうか?」傷を勲章と捉える風習もあると聞く。或いはそういうものなのかもしれない、とサスツルギは考えた。そうであればよいと。
ランドレアム: 「……マッポの時は、そんなに危険な事はあんまりしてなかったッス。立場上……」
サスツルギ: 「では……?」
ランドレアム: 「……これは、マッポになる前の時の……俺がヤクザの子飼いだった時の……傷ッス」
サスツルギ: 「……。」小さく息を呑む。静かすぎる部屋でその音は妙に大きく響いた。過去に関して何かを隠しているとは思っていたが……。
ランドレアム: 「……俺は、元はストリート出身で」 「そこからヤクザにとっ捕まえられて、奴隷に」 「その後、奴隷にしてたヤツは……別のヤクザに殺されて、その後はテッポダマに」
ランドレアム: 「で……その後は……」わなわなと声が震え始める。
サスツルギ: 「話したくないのであれば、結構ですよ。」遮るように言葉を被せる。この場で苦しませるのは論外だ。だが……
ランドレアム: 「……そう、ッスね」「過去と向き合うのは……また今度」
ランドレアム: 「でも正直に、話しておくべきだったッスね……」俺がこんな傷をつけていたこと、と小さく呟く。
サスツルギ: 「その通りです、とは言いません。誰にでも言いたくないことはあるでしょう。」
ランドレアム: 「……サスツルギ=サン……」
サスツルギ: 「……しかし隠し続けるのもまた、苦しいことです。」どこか渋い表情で遠くを見つめる。「ですから、今貴方が苦しいと思うのであれば、全て吐き出してしまいなさい。」
サスツルギ: 「幸い、ここには私しかいません。いえ、私すらいないと考えていただいても結構です。」心の中でヤモトに謝りつつ、密かにコリでキッチンに繋がる扉を封鎖する。
ランドレアム: 「……ハイ」ランドレアムは涙ぐみ、やがて小さく泣き始めた。それから、ランドレアムはサスツルギに様々な事を話した。今まで辛かったこと、頑張ったこと、そして今いるこのNSPD69課が……このチームが、一番楽しく、愛おしく。そしてそれ故に、このチームにいる資格のないような自分を……自らの過去を悟らせてはならなかったと。
サスツルギ: 時に頷き、時に背中をさすり、静かに話を聞き続ける。そして今までのランドレアムの今までの言動に納得した。裏社会への妙な造詣の深さ、ヤクザに対する態度、そしてソニックブームとのイクサ……。
ランドレアム: ランドレアムはそれに安心感を覚える……彼の顔は涙ぐんでいたものの、最後には微笑みを取り戻した。
サスツルギ: (((そうだ、あのイクサ、そしてダークチップ……)))サスツルギの思考が過去から現実世界に戻ってくる。「シツレイ、治療がまだでした。」ハッと手に持つ注射針のことを思い出した。
ランドレアム: 「……アッ」 「……そういえば、治療するんだったッスね……ハハ」
サスツルギ: 「フ……少しは軽くなりましたか?」ランドレアムの様子に控えめに口角を上げ、その肩をトントンと叩く。
ランドレアム: 「ハイ……!」 微笑む!
サスツルギ: 「それは何よりです。では」サスツルギは改めてランドレアムの正面へ座り、「行きますよ。」注射針を精密機械のような正確さで胸元へ突き刺す!
ランドレアム: 「ウッ……!!」ドクンと心臓がより一層脈打つ。注入され、全身に流れる活力。ランドレアムの全身に力が漲っていき……胸の内で、何かが疼いた。
ランドレアム: (ということでニンジャソウルの闇振ります!)

ランドレアム:3d6 = (3+2+4) = 9
非ニンジャのクズめが!、徹底抗戦、自我干渉
ランドレアムのニューロンで、一体何が起こったのか?
(((殺、殺、殺)))
 (((泥の底より見物していたが、足りぬ。足りぬ)))
(((全てを殺し、全てを血の沼と帰せ)))
(((我が名は■■■■■・ニンジャ)))
(((与えられた猶予を以て、サンズ・リバーを渡るための貨幣を集めるが良い)))
(((01011011101110……

ランドレアム: 「がぁっ!?」ランドレアムは飛び起きる!
サスツルギ: 「ランドレアム=サン!?」空になった注射器を手にしたまま目を見開く。
ランドレアム: 「……!!」振り返る。その瞳はやはり未だ赤く染まっていた。
サスツルギ: サスツルギは瞬時に注射器を投げ捨てるとコリのヤリを生成し距離を取った。「……。」敵意の有無と戦力の見極め……冷静なニューロンは目の前の存在からそれらを推し量ろうとする。
ランドレアム: ランドレアムはサスツルギと対するようにカラテを構えんとし……
ランドレアム: 「イヤーッ!」床にカラテ。 内なる衝動を操作し、抑え込む。「ハァーッ……!ハァーッ……!」その目に、殺意はなかった。
サスツルギ: 「な……!?」警戒した上で、なおもそのハヤサに反応できなかった。その事実はサスツルギに苦い表情を作らせる。 「……ランドレアム=サン?ですよね?」集中力を切らさぬまま、冷や汗と共にランドレアムに声をかける。その語尾が掠れたことを内心で恥じた。
ランドレアム: 「……何とか、今のところは抑え込めたみてえッス……」その声は、ランドレアムのものであった。
サスツルギ: 「今の感覚には覚えがあります。ランドレアム=サン、貴方のソウルは……」
ランドレアム: 「……シルヴァリィタクト=サンと同じような……」
サスツルギ: 「えぇ、私も同意見です。」ようやく息を吐き、コリのヤリを消滅させながらハンケチを取り出して額を拭う。
ランドレアム: 「……なるほど、ッス」ランドレアムも落ち着いたのか、ふぅと息を吐く。
サスツルギ: 「ランドレアム=サンのものはシルヴァリィタクト=サンのよりも些か凶暴なようですが……」あの時のアトモスフィアはサスツルギにどことなく狂犬の姿を想起させた。
ランドレアム: 「そうみたいッスね……でも、今は抑え込めてるみてえッス」
サスツルギ: 「フム……。」腕を組み、暫しの思案。「そうですね。しかし"今は"では困ります。
サスツルギ:"いつでも"コントロールできるようにせねばなりません。」その瞳が青く輝く。
ランドレアム: 「……」頷く「勿論オレもそのつもりッスよ」
サスツルギ: 「よろしい。つまりは、修行です。修行あるのみ。」グッと美しきテッコ『カザバナ』を握る。スイッチが入ったようである。
ランドレアム: 「ええ、そうッスね。己を作り強くするには、トレーニングあるのみ!
サスツルギ: 「そして、その前に……」扉のコリ封鎖を解除する。
サスツルギ: 「ヤモト=サン、シツレイしました。もう入っていただいてダイジョブですよ。」
ランドレアム: 「あ……」封鎖されていたのか、とハッと思い出す。
ヤモト: ガチャガチャガチャ
ランドレアム: そして今のランドレアムは上半身裸だ。急いでその辺のシャツを着た。
ヤモト: 「あぁ…やっと開いた。もう、すっかり冷めちゃったじゃん」
サスツルギ: 「申し訳ありません。ランドレアム=サンが先ほどまで少々"刺激的な"格好をしておりましたので……」ヤモトを迎え入れながら、ランドレアムに視線で問う。「(先ほどの過去の話、どういたしますか?)」どこまでの人にどこまでの情報を開示するのか、それを決めるのは彼自身だ。
ランドレアム: 「(……)」
ヤモト: 冷えたオチャをテーブルに並べる。扉が凍結していたため、まるで冷蔵庫に入れていたかのようだ。
ランドレアム: 「(もう隠すのは……やめにするッスよ)」決心したように、頷いた。
サスツルギ: 「(そうですか)」どこか穏やかに目を細める。「(ではあとは貴方次第です。)」
サスツルギ: 「冷茶も良いものですよ。」一瞬で元の表情へと戻ったサスツルギは何食わぬ顔で冷えたチャに口を付けた。
ランドレアム: 「(……!)」頷く 「そうッスね、冷えたチャも俺結構好きッスよ」
ヤモト: 「…ん、なら良かった」
ランドレアム: ランドレアムもチャに口を付けた。 「……それで」「俺は皆に隠してたコトがあった。でも、さっきサスツルギ=サンと話して……決心した。だから、ヤモト=サンにも話すッスよ」
ランドレアム: 「あんまり、穏やかな話じゃねえッスけど……」
ヤモト: 「…うん」 ヤモトは黙ってそれを聞く。
ランドレアム: そしてランドレアムは、サスツルギに話したように自分の過去について話した。そして今、狂犬のようなソウルの力がランドレアムを蝕まんとしていることも。だが、それでも己は確実にそれを抑え、いつでもコントロールできるようになると。
ランドレアム: 「……こんな感じ、ッスね」
ヤモト: あまりに衝撃的で、過去については何もコメントをすることができない…「ニンジャソウルは…鍛えてれば制御できる…はず
ランドレアム: 「絶対に制御できるようにするッスよ」
サスツルギ: 「そういえばヤモト=サンの身に宿っているのも特殊なソウルでしたね。」
ヤモト: 「そう。それであのソニックブーム…ソウカイヤに狙われた」なんらかの因縁めいたものを感じた。
サスツルギ: 「……ヤモト=サンも色々あったことでしょう。」イクサでのソニックブームの様子から多少の想像はついている。
ランドレアム: 「なるほどッス……」彼女も壮絶な日々を過ごしてきたのだろう。
サスツルギ: 「もし、貴女も一人で背負うのがつらく感じているのであれば、ここで言っていただいても構いませんよ。」ランドレアムを一瞥。「ここまでくれば一人も二人も変わりません。」
ヤモト: 「ううん、ダイジョブ。ランドレアム=サンに比べれば、大したことないからね
ランドレアム: 「……」
サスツルギ: 「過去や苦しみに優劣はありません。それは個人に紐づくものだからです。」眼鏡のつるに触れる。「が、今はヤモト=サンの意思を尊重しましょう。」
ヤモト: 「うん、アリガト」
ランドレアム: 「そうッスね」
サスツルギ: 「さて、と。そろそろドージョーへ参りましょうか。」コトリとユノミを置く。
ヤモト: ヤモトも冷えたオチャを飲む。
ランドレアム: 「ハイッス!」
ヤモト: 「はーい」
サスツルギ: 「ヤモト=サンもよろしければソウル制御の指南等をランドレアム=サンにしていただければ……」言いながら胸ポケットからメモを取り出し、この後のトレーニングスケジュールを分刻みで記載しはじめる。
ヤモト: 「うん、任せ…」 (あのメモは……また始まった…)
ランドレアム: 「おお……」
サスツルギ: 「では5分後までに着替えてドージョーに集合です。その後のスケジュールは追ってドージョーのIRCボードに入力しておきますので各自確認の上、修練に励むように。」
ランドレアム: 「了解っス!絶対に今日みたいにならねえように、頑張らねえとッスね」
サスツルギ: 「その意気です。」頷く
ヤモト: 「はーい」サスツルギの分刻みのトレーニングメニュー…ヤモトのニューロンには、ハイスクールのセンセイの顔が写った。
サスツルギ: 「ああ、そうだ、ランドレアム=サン。」去りゆく背中に声をかける。
ランドレアム: 「へ?」振り返る。
サスツルギ: 「背中のソレ、タルヒ社であれば隠せるかと思いますが、いかがしますか?」傷のことだ。タルヒのサイバネ技術をもってすれば可能であろう。
ランドレアム: 「……」一瞬考えこみ、微笑んだ。
ランドレアム: 「これも醜いものとはいえ、俺の一部ッスよ。だから、背負っていくッス」「その上で頑張りたいと思ってるッスから」
サスツルギ: 「そうですか。」驚きはない。わかっていたことだ。「あと、別に私は醜いとは思いませんよ。それは貴方の努力の証です。
ランドレアム: 「……!」
サスツルギ: 「…………話し過ぎました。先に行ってます。」冷気を纏い、足早に横を通りすぎていった。後ろから見える耳が若干赤いのは気のせいだろうか…。
ランドレアム: 「……はは」彼は微笑み、その背中を見送った。 「これからも、頑張らねえとな」そしてしばらく感傷に浸ると、部屋を去っていった。

第八話「メリー・クリスマス・ネオサイタマ」おわり


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