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往復書簡8:眠りと死
このnoteは雨宮真由、斎藤見咲子、坂中真魚による公開書簡シリーズの8通目です。今回は「眠り」をテーマにリレーしていきます。
見咲子さんへ
見咲子さんは眠るの好きですか?私は多分好きなんだと思います。
平日はやりたいことがいろいろあってなんやかや少なくとも日付が変わるくらいまでは起きていて、朝は出勤の都合で6時には起きるので、さほど寝ぼすけってわけでもないと思いますが、休みの日とかほんと、時間と隙があればいくらでも眠れます。
眠ってる時間にできることはたくさんあるから、それを勿体ないと思う気持ちはあります。でも眠気があって眠ることが許される状況なら抗わないようにしています。なんとなく体や心が睡眠を欲しているのだろうと思うので。というのは、私は眠って起きるとたいていのことを忘れるからです。どれだけつらいなぁとか嫌だなぁとかムカつくなぁと思っていても、寝て起きれば「ま、いっか。なんとかなるだろ」と思える。だからやたら眠りたいときは自分が意識していない疲れ(身体的にも精神的にも)とかがあって、それをリセットしたいのかなぁと思います。
「眠ることは一度死ぬこと」みたいな言葉聞きますよね。もちろん、医学的には死んでるわけじゃないんですけど、さっきのリセットの話も含め、感覚的にはわかる気がします。
私、近しい人に「夜眠ってそのまま目が覚めなくても別にいい」って言われて、ショックを受けたことがあります。私はそんなふうに思ったことないし、こんなふうに言われるってことは、私はこの人にしてあげられていることが何もないんじゃないかって。私じゃない誰かといればこの人はそんなふうに思わないんじゃないかって。
でも今は多分そういうことじゃないんだろうなって思います。誰といても同じこと思うんだろうなって。生きることに対して無気力だったり希望を持っていなかったりするわけではない。生と死と眠ることが近いところにあるというか、何ならまさに、「眠るたびに一度死んでいる」人なんじゃないかな。後々親しい人たちにこの話をしたら「自分もそう」っていう人が何人かいたことも気持ちを落ち着ける要因になった気はしますけど。(なんだろう、私そういう気配のする人が好きなのかなぁ…)
今宵も眠る私は一度死ぬ。そうして幸いにしてまた目が覚めたら、できるだけ好きなひとやもののことを考えながら、また何か新しい素敵なものに出会いたいなと思います。
眠らずに見る夢 雨宮真由
あなたはどんなふうに眠るのだろう多分一生知ることはないけど
「これは夢で見たからね」と言って笑うひと急に距離をつめないでほしい
肩が触れて夢の言葉を思い出す瞬時に上がる体温、このまま
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