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いっそ直木賞とる

私はBL好き。

でも、ほとんど読まない。
これは女性目線の女性の読み物だ、と読みながら身につまされるから。
「男同士だから子供が出来ない」と2人で抱き合って泣いたり、なんか謎パワーで妊娠するとか、後者は起きたら素敵なことになる人もいるから否定はしないけど。
物語として、女心が全面に出ている。

男性作家が同性愛を題材に書いているものもあまり好まない。
傷を抉って骨にするような描写が、自分に無かった男性の感情を身につまされるから。
「一生添い遂げるとか有り得ない」刹那の関係が冷たくも優しいけど、きっとこれが現実のその世界だと思うとグロテスクで嫌になる。

BLの醍醐味は、肉体関係にある。
と、私は思っている。
どう己の肉体と向き合ってお互いと向き合い、欲求をすり合わせていくか。
それは異性の恋愛でも同じだが、凸と凹があるように、上手く交わりにくい。
それを、どう超えていくかのメンタルと、相手を思う心。


私は、子宮が、ない。

子供の頃から子供が欲しかった程、母というものに憧れたから、もし自分が同性を愛したら「男同士だから子供が出来ない」は辛い。
でも、実際問題、自分がそうなると「しゃあねぇな」になった。

ないもんはない。

子供が欲しかった理由が、無償の愛を肌で感じてみたかったから。
他人とは「一生添い遂げるとか有り得ない」どこか冷めていたのもある。

子を成さないからこその、繋がり。

「子宮とると女も男になる。ホルモンバランス崩れて、濡れなくなるし私は髭が生えた」
「私は性欲なくなった!」

いろんな事を聞きながら私は子宮を取り出した。

でも、全くなんの変化もない。
むしろ心は安定したし、髭は元々好きだからあっていいな!と思っていたが生えないし、性欲もある。

好きな男性と一緒にいるとちゃんと体は発情するし、気持ち良いことしたい。

私、ハイブリットになったかもしれない。

たまに女性の体でしか感じない、子宮がねじれてしまうような、下半身の苦しいほどの欲求が懐かしい。

でも、根底から生殖を省いた営みは、落ち着いていて、とても心地よい。

のんびりと、人の体温を感じ、ゆっくり触れて、人生計画も、憂鬱さもないただ少し淫らな時間の心地よさを知れるのは、私とそのパートナーのみ。

そういうの書けたら、恋愛の良さも、不妊の辛さも、作業化される行為も減るんじゃないかな。

痛みばかりを嘆いて共感するより、心地よさの追求。

それを私は、BLで書く。

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