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In a bar:the three dogs intro

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荒廃した近未来。 一人の男が酒場へやって来た。 犬達の宴、その序曲が流れ始めるーー。
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2015年5月の記事一覧

『酒場にて』#26

「その後のことは、知ってんだろ?」
全てを話し終えると、男は店主にそう問うた。
店主は、銃口を見つめたまま、痙攣するように首を振る。
「し、知らねぇ。そのバーのことも、アイリーンって女のことも……!」
男の目に、殺意がこもる。
「へぇ。そうかい。じゃあ、バッファロー・ビルの店主の話しは嘘ってことか。アッチは、この店の支店だって話しだったんだけどな」
「な……!」
「その日は、アンタも来てたんだろ?

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In a bar:after a while

「一発でよかったのかい?」
紫煙を燻らせながら、気だるそうな男が尋ねた。
「儂は彼奴らとは違う。ただの爺だ。人をいたぶる趣味はない」
男は、鼻で笑うように煙を吐き出した。
「そうかい。昔はヤンチャしてたって印象だけどな」
老人は、鋭い眼光で男を見据えた。
「なぜそう思う」
一際深く煙を吸い込み、男は煙草を捨てた。足で揉み消す。
「ヴィシャス(vicious)。"悪意のある"なんてセカンドネーム

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『in a bar』あとがき

こちらは、『In a bar:three dogs intro』のあとがきになります。
本編の内容に触れる部分もありますので、是非、本編読了後にお読みください。なお、本編はマガジン内に時系列順に掲載してあります。

というわけで、ようやく終わりました、『In a bar:three dogs intro』(以下、『酒場にて』と表記)なわけなんですが。
この作品、タイトルに"intro"と付いて

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