もうちょう?虫垂炎です!
みなさんこんにちは、救急医のかたかたです🚑
救急医専門医という立場から、みなさんにわかりやすく救急医学を提供し、正しく知識をつけてもらえるよう活動しています👊🏻
今回のテーマは「虫垂炎」
よく盲腸と言われていますが、そろそろ正しく覚えてもらおうといった気持ちからこのテーマを選択しました。
今日この記事を見た皆さんは、虫垂炎について理解し、今日から「盲腸×、虫垂炎や!」と言えるようになることを願っています。
それではいきましょう!
虫垂とは?
そもそも盲腸とよく呼ばれている虫垂炎の「虫垂」とはなにか。
その解剖について一緒に学んでみましょう!
このように、盲腸とは大腸の一部で、その盲腸からニョキっと出ているのが虫垂です。
つまり盲腸は病気の名前じゃなくて、大腸の一部をさしているのです、これは覚えておきましょう!
大腸はしっかりと体に固定されているのですが、虫垂は固定されておらず、盲腸の後ろに来たりお腹の下側に行ったりと人によってその場所は様々です。
一般的にはお腹の右下側に位置することは覚えておいてください。
虫垂炎とは、この虫垂がなんらかの影響で炎症を起こすことによって起こります。
虫垂炎について
どういった人になりやすい?
虫垂は通常5歳未満の子どもにはまれです。1万人に1人程度と言われています。
5歳以上から発生確率が上昇し、特に20-30代に多く、高齢であっても起こりえます。
成人の発生率は1000に1人程度です。
生涯を通して発生率は、男性が8.6%、女性が6.7%で男性の方が起こりやすいとさています。
世界的に発生率は徐々に減少し続けているようです。
原因
イラストにあるように、虫垂は盲腸からでており、この虫垂と盲腸の繋ぎ目の部分が何らかの影響で閉塞することで炎症を起こします。
閉塞させるものには以下が例として挙げられます。
糞石(硬くなったうんち)
リンパ組織が過剰につくられる(リンパ組織過形成)
例)虫垂付近の臓器の炎症、食べ物や便などで慢性的に虫垂が刺激されるなど腫瘍(良性悪性問わず)
若い人ではリンパ組織過形成や糞石が原因として多くみられます。
症状
症状は様々ですが、必ず出現するのは腹痛です。
教科書的には、へそ周りの痛みから始まり(数時間かけて)右下のお腹の痛みに変わっていく腹痛が典型的です。
以下、症状をよくみられる順に記載します。
吐き気、嘔吐
食欲がない
動く(歩く、咳をする)とお腹が痛くなる、響く
お腹が張る
発熱
下痢もみられるケースはありますが、1回くらいの少数が多いです。
頻繁に下痢をしている場合、虫垂炎でない可能性が考えられます。
また虫垂炎は突然痛くなるというよりは、時間をかけてじわじわと完成していくようなエピソードが多いです。
虫垂炎かも?というときは
虫垂炎は多くが自然と治るものではありません。治療が必要です。
病院によって方針が異なることもありますが、治療は抗生剤で頑張るパターンもあれば、手術することもあります。
原因によっては手術しか選択がないこともあります。
以上から、上にあるような症状がある場合は受診することを勧めます🏥
しかし、子どもの場合は診断が難しいこともありますので、一旦帰宅となったとしても注意して経過を見てください。(腹痛が強くなる、下痢はないが嘔吐が頻繁に続くなど)
最後まで閲覧いただきありがとうございます。
これみたら、もう盲腸なんて言わないですよね?👊🏻
質問などあればコメントください。
それではまた次回!
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