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【Common Disease & マメ知識】 つわり

どうもみなさん、救急医のかたかたです🚑
日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻

今回は「つわり」です。
「つわりって一体何なの?」と妻に問われたことが、このテーマを選んだきっかけです。
確かに!と思い、自分で改めて情報収集し、まとめてみたのでご覧ください。

経産婦さんにとっては一般常識的な要素もかなりあるため、個人的には初めて妊娠される方やその配偶者の方に見ていただけると良いんじゃないかなと思っています。
特に男性はその辺の知識はさっぱり…という方も多いと思うので、奥様の状態・症状にしっかり向き合っていけるよう学びましょう!
いつもご覧になっている方にも豆知識としてお役に立てれば幸いです。
それでは行きましょう!

参考文献:UpToDate、病気が見える「産科」

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結論

つわりとは「吐き気、嘔吐、唾液量の増加、だるさなど」の症状の集まりのこと。
つわりが悪くなることで妊娠悪阻に進行。
対策は空腹をなるべく減らす、低脂肪の食事、歯磨き、ビタミン摂取。
症状が強い場合、病院受診するのは大いにアリ!


つわりとは

つわりとは妊娠によって起こる症候(症状)のことです。
例えば、吐き気や嘔吐、唾液量の増加、倦怠感(だるい)、食欲低下、嗜好の変化(好きなものが変わる)、頭痛、眠気などが挙げられます。

妊婦さんの50〜90%が経験すると言われており、主に5〜6週目ごろに発症し、9週目ごろにピークを迎え、12〜18週目で消失していくと言われています。
上記のうちの約5%が妊娠中ずっとつわりを経験し続けるようです。

原因としては明らかではないようですが、ホルモンの影響や妊娠に伴う胃腸の運動低下、遺伝的要素が予想されています。

発症リスクには、過去の妊娠での経験、ピルなどのホルモン製剤服用で嘔吐などの症状があったこと、乗り物酔い、母親のつわり経験、多胎妊娠(双子以上)などがあります。


妊娠悪阻とは

「にんしんおそ」と呼びます。
つわり症状がひどくなったもので、診断基準があり、嘔吐が頻回、尿中ケトン体陽性(病院でしかわかりません)、5%以上の体重減少に該当するものです。
原則入院です

妊婦の5%が経験し、そのうち15〜20%(妊婦全体の1%以下)が次回妊娠も妊娠悪阻を経験すると言われています。

妊娠悪阻になると身体の中の糖分やビタミンなどが不足しており、適切に治療されなければ母体の脳に異常を来す可能性があります。
(Wernicke脳症:ウェルニッケ脳症)


予防できるの?

完全に予防することは難しいと思われます。
できる限り症状を抑える、対策になると言われているものがあり、いくつか紹介します。
必読です!
(つわりも妊娠悪阻もほぼ同じになるためまとめて紹介します。)

空腹の時間を減らす

少量の間食や食事回数を3回以上にする。

脂肪がすくなく、タンパク質や炭水化物が豊富な食事

パン、ナッツ、クラッカー、低脂肪ヨーグルトなど。

食間にスポーツドリンクや生姜を用いた飲料を飲む

ジンジャーエールも良いとされていますが、炭酸は逆効果の可能性があります。

指圧バンド

エビデンスには欠けています

ビタミン摂取(葉酸、B1、B6など)

鉄剤入りの場合は気分不良が増悪する可能性があります。
摂取後の気分不良がある場合は、就寝前に摂取してみてください。
別の対策としてチュアブルタイプがあり、試してみても良さそうです。
妊娠前や妊娠中のそれぞれにあった製品を選んでください。


もし病院に来たら…(簡単に説明)

吐きすぎて何も食べられない、体重が減っているもしくは全く増えず、水分もギリギリなどの場合は受診してください。
全身状態にもよりますが、おそらく点滴はしてもらえると思います。
(地域や病院ごとに違いがあればすみません。)

点滴は主に糖分とビタミン(B1やB6)、水分補給目的で使用します。


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