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トリックテイカーズKINGsをつくる意味について


結論から言いますと、
トリックテイキングゲームの歴史において、キング(王様)が原点だったんじゃないかなぁと、私が妄想したからです。

そして、
そのキング(王様)をトリックテイキングゲームで、再び表舞台で活躍させたいと思ったのです。


私が「KINGs」の制作で、
影響を受けた本の内容を少し紹介します。

トランプゲームの源流
第1巻
トリックテイキングゲームの発達史
著:黒宮 公彦

から引用します

【引用開始】
p28.
1377年にスイスのバーゼルで、ヨハンネスという名のドミニコ会修道士が一冊の書物を著した。そのタイトルは Tractatus de moribus et disciplina humanae conversationis(人間の礼節と習慣についての論考)。タイトルからは想像がつかないが、これこそがトランプを主題として書かれた世界初の書物である。
(中略)
p31.
王の下には2人の兵士が続き、その後には1から10の数札がある。(中略)王は13番目のカードとなり、全体では52枚である。「論考」ではこのように述べられており、今日我々がトランプと呼んでいるものと何ら変わりはない印象を受ける。(中略)スートを示すマークは原文では「王のマーク(signumregis)」と呼ばれている。ここから王以外のカードは4人の王のいずれかの臣下であり、その証として王の紋がカードに描かれているのだと当時の人々は認識していたかのような印象を受ける。
(中略)
p92.
14世紀末頃の人々の感覚としては、例えばダイヤのカードにダイヤのマークが描かれているのは それらのカードがダイヤのキングの臣下であることの証だったということを意味する。別の言い方をすると、王のカードはあるスートに属するカードの一枚にすぎないのではなく、むしろ逆に王のカードがあって初めてスートが成り立つのであり、スートを示すマークはいわば「王の紋章」だったということである。
(だからこそタロットの切り札はスートから独立した存在でなければならず、スートを示すマークは描かれなかったのだと考えられる。)
【引用終了】


なるほどです!
トランプの4つのマーク(スート)は「キングの紋章」である、と。

トランプは、4つの国で構成されている、と言えるかもしれないですね。


(さて、トリックテイキングゲームでは、カードが配られた後、1人ずつ順番に手札1枚を場に出していき、カードの強さ比べ(勝負)をします(これをトリックと呼んでいます)。一番強いカードを出したプレイヤーは場に出ているカードをひとまとめにして、自分の手元に置きます(テイク)。手札がなくなるまで、このトリックと呼ばれるカードの強さ比べ(勝負)を何度も行います。)


一番高いカードの数字は13のキングですね。

キングが最も強いカードになります。


トリックテイキングゲームの歴史では、

やがて「切り札」が発明されます


「切り札」とは、他のカードよりもワンランク強いカードになります。

つまり、キングよりも強いカードが登場します。


「王(キング)」よりも強い存在とは誰か?

例えば、「皇帝」です。

あるいは「教皇」も強い存在と言えるかもしれません。

「王」よりも強い存在がたくさん見つからなかったためか、概念も切り札カードとして登場します。「正義」「力」。そして、「星」「月」「太陽」などなど。

現在では占いに使用されている「タロットカード」ですが、もともとはトリックテイキングゲームの「切り札(キングよりも強いカード)」として誕生しています。

(ちなみにタロットカードの構成は「小アルカナ56枚(実質のトランプ)」と「大アルカナ22枚(切り札)」です。)

(やがて、タロットカードの切り札を使用せずに、トランプの52枚から「切り札」を決めるルールが誕生します。例えば、山札から1枚をめくります。それが「スペードのマーク」だったとしたら、「スペード」を「切り札」にしよう、と。このルールは、現在の様々なトリックテイキングゲームで採用されていたりします。)


トリックテイキングゲームで、最初の最強カードは「キング」だったと思われます。

そこで、私は、

キング(王様)を、再びトリックテイキングゲームで最強のカードとして登場させて、活躍させたいと思ったのです。


それが、トリックテイカーズ「KINGs」なのです。


私は「KINGs」を制作することに意味を感じました。


「KINGs」を、トリックテイキングゲームの歴史の延長線に存在させたいと思ったからです。


前作トリックテイカーズでは、「非対称性の強い軽ゲーを制作しよう」というが、コンセプトでした。


今作「KINGs」では、トリックテイキングゲームの歴史を拡張させる

これが「KINGs」のコンセプトです。


また、KINGsでは、言語依存を減らして、より多くの方がプレイしやすいゲームを目指しました。それでいて、ただシンプルなゲームではなく、やりごたえのあるゲームを目指しました。


前作トリックテイカーズと比較すると、非対称性が弱まっているため、簡単バージョンかと思われるかもしれません。

ですが…
前作トリックテイカーズとは全く異なるコンセプトを持っています。

ゲーム性だけでは、前作とKINGsを比べることはできない、と私は思っています。


私は「KINGs」を制作する意味があると思ったし、「KINGs」に時間とお金を使ってもいいと、思うことができました。

「KINGs」では
■通常のトランプとしても、使用することができます。
■また、伝統的なトリックテイキングゲームにKINGsで登場するキャラたちの能力を加えたリメイクルールの制作も予定しております。


ここからは、KINGsたちのデザインを少し見ていきましょう。

「KINGs」では、トランプと同じように、4つのマーク(スーツ)が存在します。

この4つのマーク(スート)は、
もちろん「キングの紋章」です。

キングたちの足跡が、マーク(王の紋章)になっています。

「赤の王」は「アルパカの王」です。
「文化(遊び)」を発展させている王国です。

チェス駒を王冠にしています。
ミープルで髪留めをしています。
耳には、「❤️ハート(フランス式)」のピアスをしています。


「青の王」は「アヒルの王」です。
水上都市で貿易・経済を発展させている王国です。

王冠には「🔶ダイヤ(フランス式)」が用いられています。


「緑の王」は「カエルの王」です。
「自然」を愛している王国です。

「クローバー」の宝石を身につけています。
トランプの元のマークでは「♣️クラブ(フランス式)」ですが、「☘クローバー」の方がかわいいですので、こちらを採用しています。
「ドイツ式のトランプ」では、「クラブ」は「ドングリ」が用いられていますが、「ドングリの王冠」を身につけています。

「黒の王」は「トラの王」です。
「軍事」を発展させている王国です。

ボタンには「♠️スペード(フランス式)」が用いられています。
「ラテン式のトランプ」では、スペードは「剣」ですので、剣をもっています。
トリックテイカーズシリーズ(KINGsを含む)では、4つのスート(赤青緑黒)の中で、黒が1段階強いつよさをもっています。つまり、黒は「切り札」です。


実は、箱絵では、
カエルの王国(自然)に、他のキングたちが招待されています
そのため、カエルの王が、おもてなしをしているのです。

勝利点は本当のクッキーを使用しています。
アヒルの王(青の王)は大きく勝ち抜けをして、たらふくクッキーを食べて、寝てしまいました。アヒルの王の横には、たくさんのクッキーがあります。

アルパカの王(赤の王)は、我慢できずに、勝利点のクッキーを食べてしまっています。

一歩リードしているライオンの王(白の王)

しかし、トラの王(黒の王)は、何かをねらっているのかもしれませんね。


箱絵では、ほのぼのとプレイをしています。

しかし、彼らは…

真のトリックテイキングの王は誰なのかを、

競いはじめてしまうのでした。

プレイヤーであるあなたは、どのキングと契約をしますか?


日本全国の送料は500円均一です

トリックテイカーズ「KINGs」は、2023年2月7日(火)21時〜、Kickstarterでの公開(ローンチ)いたしました。
ご支援、よろしくお願いいたしますm(_ _)m



トリックテイカーズKINGs制作者 ヒロケンより(2023年2月4日作成)
※2月12日更新(一部のテキストを削除と修正、箱絵の話を追加)



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